ao5・ao12とは|計算方法と違い、mo3・ao100の意味
ルービックキューブの記録でよく見る「ao5 11.95」「ao12 13.02」。ao5 は5回の平均ですが、ただ足して5で割るのではなく、いちばん速い1回といちばん遅い1回を除いて計算します。この除き方を知らないと、自分で計算した平均がタイマーの表示と合わなかったり、DNF が入ったときの扱いに迷ったりします。この記事では、ao5・ao12 の計算方法を具体例つきで解説し、mo3・ao50・ao100 との違い、DNF や +2 の扱い、1/100秒の丸め方、大会(WCA)の記録との関係までまとめます。
ao5 は「5回のうち最速と最遅を除いた3回の平均」
ao5 は average of 5(アベレージ・オブ・ファイブ)の略で、連続した5回のタイムから、いちばん速い1回といちばん遅い1回を除き、残った3回を平均した値です。読み方は「エーオーファイブ」「アベファイブ」などで、単に「アベレージ」「平均」と呼ばれることもあります。
たとえば5回のタイムが次のとおりだったとします。
| 回 | タイム | 扱い |
|---|---|---|
| 1回目 | 12.34 | 平均に入れる |
| 2回目 | 11.02 | 平均に入れる |
| 3回目 | 13.50 | 最遅なので除く |
| 4回目 | 12.50 | 平均に入れる |
| 5回目 | 10.98 | 最速なので除く |
最速と最遅を除いた 12.34・11.02・12.50 を足すと 35.86 秒。これを3で割った 11.953… を1/100秒で四捨五入して、ao5 は 11.95 になります。5回をそのまま平均すると 12.07 なので、たまたま速かった 10.98 と、ミスした 13.50 の影響を外した数字だとわかります。
なぜ最速と最遅を除くのか
スピードキューブのタイムは、スクランブルの当たり外れや一瞬のミスで大きくぶれます。クロスがたまたま1手で作れた回や、PLL がスキップした回は実力より速く、手順を飛ばしてやり直した回は大きく遅くなります。両端の1回ずつを捨てることで、こうした偶然の影響を小さくし、「普段どのくらいで揃えられるか」に近い数字にしているのが ao5 です。
- 単発のベスト(single):1回だけの最速。運の要素が大きく、自己ベストの更新は嬉しいが実力の指標にはなりにくい
- ao5:両端を除くので、1回の大失敗や1回のラッキーでは大きく動かない
- ao12・ao100:回数が多いぶん、さらに安定した「今の実力」を表す
WCA(世界キューブ協会)の公式大会でも、3×3 をはじめ多くの種目は5回解いた ao5 で順位を決めます。つまり ao5 は練習用の目安であると同時に、大会の成績そのものでもあります。
ao12・ao50・ao100 は上下5%(切り上げ)を除く
ao12 は連続した12回の平均です。ao5 と同じく最速1回と最遅1回を除き、残った10回の平均をとります。では ao50 や ao100 はいくつ除くのかというと、多くのタイマー(csTimer など)は「上下それぞれ全体の5%を切り上げた数」を除くルールで計算しています。
| 種類 | 回数 | 除く数(上下それぞれ) | 平均に使う数 | DNF になる条件 |
|---|---|---|---|---|
| mo3 | 3回 | 0 | 3 | DNF が1つでもある |
| ao5 | 5回 | 1(5×5%=0.25 → 切り上げ) | 3 | DNF が2つ以上 |
| ao12 | 12回 | 1(12×5%=0.6 → 切り上げ) | 10 | DNF が2つ以上 |
| ao50 | 50回 | 3(50×5%=2.5 → 切り上げ) | 44 | DNF が4つ以上 |
| ao100 | 100回 | 5(100×5%=5) | 90 | DNF が6つ以上 |
ao12 を例に計算してみます。12回のタイムが 14.21・13.05・15.80・12.66・13.92・14.48・DNF・13.37・12.98・14.03・13.71・11.89 だったとします。DNF はいちばん遅い記録として扱うので最遅として除かれ、最速の 11.89 も除きます。残り10回の合計は 13.05+15.80+12.66+13.92+14.48+13.37+12.98+14.03+13.71+14.21 = 138.21 秒で、10で割った 13.821 を四捨五入して ao12 は 13.82 です。
ao50・ao100 は、ある程度の回数を通しで解いたときの「安定した実力」を見るのに向いています。ao5 の自己ベストは調子のいい5回が揃えば出ますが、ao100 は100回分の平均なので、練習の積み重ねがそのまま数字に出ます。目標を「ao5 でサブ20」から「ao100 でサブ20」に上げると、本当に安定して20秒を切れるようになったかを確かめられます。
mo3 は何も除かない「3回の単純平均」
mo3 は mean of 3 の略で、3回のタイムを何も除かずに平均した値です。average(両端を除く平均)と区別するため、単純平均は mean(ミーン)と呼びます。12.40・13.10・11.95 なら、合計 37.45 を3で割って 12.483… → mo3 は 12.48 です。
- 6×6・7×7:1回が長く5回解くと時間がかかるため、大会では mo3 で順位を決める
- 3×3 最少手数(FMC):大会の多くは3回の平均手数(mo3)で競う
- 目隠し(3BLD など):順位は3回のうちのベスト(best of 3)。mo3 は参考記録
mo3 は1回も除かないため、DNF が1つでもあれば mo3 も DNF になります。ao5 なら1回のミスは除いてもらえますが、mo3 では1回のミスが致命的です。6×6・7×7 を練習するときは、速さよりも「最後まで崩さずに揃える」ことを優先したほうが mo3 は良くなります。
DNF と +2 が入ったときの計算
DNF(Did Not Finish)は「記録なし」のことで、平均を計算するときは無限に遅いタイムとして扱います。+2 はタイムに2秒を足したものをそのまま使います。どちらもインスペクションの時間超過や、揃っていない状態でタイマーを止めたときなどに付くペナルティで、詳しい条件はインスペクションの15秒ルールと +2・DNFにまとめています。
| 5回のタイム | ao5 | 理由 |
|---|---|---|
| 12.10・13.25・11.80・12.95・DNF | 12.77 | DNF は最遅として除かれ、11.80 も最速として除かれる |
| 12.10・13.25+・11.80・12.95・12.60 | 12.55 | 13.25+ は 15.25 として扱い、最遅なので除かれる |
| 12.10・DNF・11.80・DNF・12.60 | DNF | DNF が2つあり、1つしか除けないので平均も DNF |
1つ目の例は、除かずに残る 12.10・13.25・12.95 の平均で (12.10+13.25+12.95)÷3 = 12.766… → 12.77 です。2つ目は 12.10・12.95・12.60 の平均で 12.55。+2 の付いた記録が最遅になって除かれれば、ao5 には影響しません。3つ目のように DNF が除ける数より多いと、平均そのものが DNF になります。
1/100秒の丸め方|単発は切り捨て、平均は四捨五入
WCA の競技規則では、10分未満の単発の記録は1/100秒未満を切り捨て、平均は1/100秒に四捨五入して記録します。たとえば 12.348 秒で揃えたら記録は 12.34、平均が 11.9533… なら 11.95、11.955 なら 11.96 です。
タイマーによって1/1000秒まで表示するものもあり、同じタイムでも平均が1/100秒ずれることがあります。大会の記録と比べるなら、単発を1/100秒に切り捨ててから平均する計算にそろえておくと、数字の感覚が合います。
ao5・ao12 を自動で計算する方法
毎回手で計算するのは大変なので、タイマー側で自動計算させるのが現実的です。ルービックキューブ タイマーでは、計測するたびに mo3・ao5・ao12・ao50・ao100 の「いまの値」と「これまでのベスト」が更新され、除いた記録には一覧でかっこが付きます。
- 1
パズルを選んで計測する
3×3・2×2・4×4・3×3 片手から選び、スペースキーかタップで計ります。記録はパズルごとに分かれて残ります。
- 2
表で現在値とベストを見る
記録が5回たまると ao5、12回で ao12 が表示されます。直近の値が「いま」、過去の区間でいちばん良かった値が「ベスト」です。
- 3
別のタイマーのタイムは貼り付けて計算
「ao5・ao12 計算」タブに 12.34, 11.02, DNF, 13.50+ のように貼り付けると、平均と除いた記録がわかります。大会の結果を確かめるときにも使えます。
- 4
あと1回の見通しを確認する
4回目まで終わった時点で、5回目しだいで ao5 がどこまで良く/悪くなるかを表示します。詳しくはBPA・WPA の計算と目標 ao5 に必要なタイムで解説しています。
ao5 と ao12 のどちらを目標にするか迷ったら、日々の練習では ao12、大会を意識するなら ao5 を見るのがおすすめです。練習の組み立て方はキューブタイマーの使い方と記録を伸ばす練習法にまとめています。
よくある質問
- ao5 の計算方法を簡単に教えてください
- 5回のタイムのうち、いちばん速い1回といちばん遅い1回を除き、残り3回を足して3で割ります。12.34・11.02・13.50・12.50・10.98 なら、10.98 と 13.50 を除いた3回の平均で 11.95 です。
- ao5 と ao12 の違いは何ですか?
- 回数と除く数が違います。ao5 は5回から上下1回ずつ除いた3回の平均、ao12 は12回から上下1回ずつ除いた10回の平均です。ao12 のほうが回数が多く、偶然の影響を受けにくいため実力に近い数字になります。
- ao100 はいくつ除いて計算しますか?
- 多くのタイマーは上下それぞれ全体の5%(切り上げ)を除くので、ao100 は速いほうから5回、遅いほうから5回を除いた90回の平均です。ao50 は上下3回ずつ除いた44回の平均になります。
- mo3 と ao3 は同じですか?
- 一般に3回の平均は何も除かない mo3(mean of 3)で表します。3回から両端を除くと1回しか残らないため、ao3 という言い方はあまり使いません。6×6・7×7 の大会の順位は mo3 で決まります。
- DNF が1回あると ao5 はどうなりますか?
- DNF はいちばん遅い記録として扱われ、最遅として除かれます。そのため DNF が1回だけなら残り4回のうち最速を除いた3回の平均が ao5 になります。DNF が2回以上あると ao5 も DNF です。
- WCA の平均は四捨五入ですか?切り捨てですか?
- WCA の競技規則では、単発の記録は1/100秒未満を切り捨て、平均は1/100秒に四捨五入します。平均が 11.955 秒なら 11.96 として記録されます。
この記事で紹介したツール
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