ルービックキューブの回転記号|R'・R2・Rwの読み方と回し方
「R U R' U'」「F2 D' L2 Rw」。ルービックキューブの手順やスクランブルは、アルファベットと記号で書かれています。解き方の動画や解説サイトを見るにも、大会と同じスクランブルで練習するにも、この回転記号が読めることが出発点です。この記事では、6つの面の記号と「'(ダッシュ)」「2」の意味、間違えやすい L・D・B の向き、4×4 で出てくる Rw・3Rw、M・E・S や x・y・z の持ち替え記号、スクランブルを正しく回すための持ち方とチェック方法までをまとめます。
基本は6つの面の頭文字|R・L・U・D・F・B
回転記号は、どの面を回すかを英語の頭文字で表したものです。キューブを正面から見て、右の面が R(Right)、左が L(Left)、上が U(Up)、下が D(Down)、手前が F(Front)、奥が B(Back)。記号だけが書かれているときは「その面を、その面の正面から見て時計回りに90°回す」という意味です。
| 記号 | 英語 | 回す面 | 手前から見たときの動き |
|---|---|---|---|
| R | Right | 右の面 | 手前側の右の列が上に上がる |
| L | Left | 左の面 | 手前側の左の列が下に下がる |
| U | Up | 上の面 | 手前の上の段が左へ流れる |
| D | Down | 下の面 | 手前の下の段が右へ流れる |
| F | Front | 手前の面 | 手前の面が時計回りに回る |
| B | Back | 奥の面 | 手前から見ると反時計回りに回る |
ポイントは「時計回り」を、その面の正面から見て判断することです。R と L は同じ時計回りでも、手前から見ると動く向きが逆になります。右の面を右側から見て時計回りに回すと手前の列は上がり、左の面を左側から見て時計回りに回すと手前の列は下がります。
「'」は反時計回り、「2」は180°
記号の後ろに付く印で、回す向きと量が変わります。何も付かなければ時計回りに90°、「'」が付けば反時計回りに90°、「2」が付けば180°です。
| 書き方 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| R | アール | 右の面を時計回りに90° |
| R' | アールダッシュ/アールプライム | 右の面を反時計回りに90°(R の逆) |
| R2 | アールツー | 右の面を180°(向きはどちらでもよい) |
| R2' | アールツーダッシュ | R2 と同じ。指の都合で逆向きに回す意図を書くことがある |
日本では「'」を「ダッシュ」と読む人が多く、英語圏では prime(プライム)と読みます。R2 は180°なので、時計回りでも反時計回りでも結果は同じです。手順書によっては U2' のように書かれていることがありますが、これは「この向きに回したほうが指が自然に動く」というヒントで、結果は U2 と変わりません。
間違えやすいのは L・D・B の向き
スクランブルを回し間違える原因の多くは、L・D・B の向きです。どれも「その面の正面から見て時計回り」ですが、正面から見ている自分には逆向きに見えるため、R・U・F の感覚のまま回すと逆になります。
- L:左の面を左側から見て時計回り。手前から見ると、手前の左の列が下がる(R' と同じ向きに動く)
- D:下の面を下から見て時計回り。手前から見ると、手前の下の段が右へ流れる(U' と同じ向きに動く)
- B:奥の面を奥から見て時計回り。手前から見ると反時計回りに見え、上の段の奥の列は左(L の側)へ動く。キューブの奥をのぞき込むつもりで判断すると迷わない
覚え方としては「R と L、U と D、F と B は、時計回りでも手前から見ると逆」と対で覚えるのが確実です。L は「R' と同じ向き」、D は「U' と同じ向き」、B は「F' と同じ向き」に、それぞれの面が動きます。
4×4 で出てくる Rw・3Rw と小文字の r
4×4 や 5×5 のように層が多いキューブでは、外側の面だけでなく内側の層もまとめて回します。記号の後ろの「w」は wide(ワイド)の意味で、Rw は「右から2層をまとめて R の向きに回す」です。
| 記号 | 回す層 | 主に使うパズル |
|---|---|---|
| R | 右の外側の1層だけ | すべて |
| Rw | 右から2層をまとめて | 4×4・5×5 のスクランブル、3×3 の手順 |
| r | Rw と同じ意味で使われることが多い(3×3 では右2層) | 3×3 の手順書 |
| 3Rw | 右から3層をまとめて | 6×6・7×7 のスクランブル |
| 2R | 右から2層目の1層だけ(内側の層) | 4×4 以上の手順書 |
WCA の 4×4 のスクランブルでは、外側の6面に加えて Uw・Rw・Fw の3種類の2層回しが使われ、全体で40手前後になります。2層回しはすべて U・R・F 側から書くので、「Lw はどこ?」と探す必要はありません。ルービックキューブ タイマーの 4×4 でも同じく Uw・Rw・Fw を含む40手のスクランブルを作ります。
M・E・S(中段)と x・y・z(持ち替え)
解き方の手順書では、スクランブルには出てこない記号も使われます。M・E・S は3×3の真ん中の層を回す記号、x・y・z はキューブ全体を持ち替える記号です。
| 記号 | 動き | 向きの基準 |
|---|---|---|
| M | 左右の間の中段(縦)を回す | L と同じ向き(手前の中央列が下がる) |
| E | 上下の間の中段(横)を回す | D と同じ向き(手前の中央段が右へ) |
| S | 手前と奥の間の中段を回す | F と同じ向き |
| x | キューブ全体を回す | R と同じ向き(手前の面が上へ) |
| y | キューブ全体を回す | U と同じ向き(手前の面が左へ) |
| z | キューブ全体を回す | F と同じ向き |
M・E・S の向きは「近いほうの外側の面」と同じと覚えると混乱しません。M は Middle、E は Equator(赤道)、S は Standing の頭文字です。x・y・z は面を回すのではなく持ち方を変えるだけなので、揃い方には影響しません。x2 なら上下をひっくり返す、y' なら全体を右へ90°回す、という具合です。
スクランブルは「白を上・緑を手前」で回す
スクランブルの記号は、決まった向きで持って回す前提で書かれています。WCA の配色のキューブでは、白の中心を上、緑の中心を手前に持つのが標準です。このとき右が赤、左がオレンジ、下が黄、奥が青になります。この向きで回さないと、記号どおりに回しても別の崩れ方になります。
- 1
揃ったキューブを白上・緑前で持つ
中心のキューブで向きを合わせます。途中で持ち替えないように、両手で軽く持ちます。
- 2
記号を1つずつ声に出しながら回す
慣れるまでは「アール、ユーダッシュ、エフツー」と読みながら回すと、飛ばしや二度回しを防げます。
- 3
最後まで回したら展開図と見比べる
ルービックキューブ タイマーは、スクランブルを回した後の6面の色を展開図で表示します。上の面と手前の面を中心に、色の並びが同じかを確かめます。
- 4
違っていたら揃えて回し直す
どこで間違えたかを探すより、一度揃えて最初から回し直すほうが早く確実です。
大会では、スクランブラーと呼ばれる係がこの向きでスクランブルし、競技者はそれを見て15秒のインスペクションに入ります。インスペクション中は回せないので、何をどう見るかはインスペクションの15秒ルールと +2・DNFを参考にしてください。
練習用スクランブルと大会のスクランブルの違い
WCA の大会のスクランブルは、TNoodle というプログラムがキューブのすべての状態からランダムに1つを選び(ランダムステート)、その状態にする手順を計算して作ります。3×3 なら20手前後になるのが普通です。一方、多くの練習用タイマーは、決まった手数(3×3 なら25手)のランダムな記号を並べる方式(ランダムムーブ)で作ります。
25手もランダムに回せば十分に崩れるので、練習で困ることはまずありません。ただし、厳密にはすべての状態が同じ確率で出るわけではないため、大会の記録と完全に同じ条件にはなりません。練習の目的は「崩れたキューブを速く揃える力」を付けることなので、手数の違いは気にせず回数をこなすのがおすすめです。
記号が読めるようになったら、次は計測です。スペースキーやスマホのタップでの計り方、ao5・ao12 の読み方はキューブタイマーの使い方と記録を伸ばす練習法で紹介しています。
よくある質問
- R' は何と読みますか?
- 日本では「アールダッシュ」と読むのが一般的で、英語圏では「アールプライム」と読みます。右の面を、右側から見て反時計回りに90°回す記号です。
- R2 は右回りと左回りのどちらですか?
- 180°回すので、どちらに回しても結果は同じです。手順書で R2' と書かれている場合も、指の動かしやすさを示しているだけで、R2 と同じ状態になります。
- Rw と r の違いは何ですか?
- どちらも右から2層をまとめて回す記号として使われることが多いです。WCA のスクランブルでは Rw と書き、3×3 の手順書では小文字の r を使うことがあります。6×6 以上では 3Rw のように数字で層の数を示します。
- スクランブルはどの向きで持って回せばいいですか?
- 白の中心を上、緑の中心を手前にして持ちます。WCA の配色では、このとき右が赤、左がオレンジ、下が黄、奥が青になります。途中で持ち替えずに最後まで回してください。
- スクランブルを回し間違えたかどうか確かめる方法は?
- スクランブルを回した後の展開図と見比べるのが確実です。ルービックキューブ タイマーでは、白上・緑前で回した後の6面の色を展開図で表示しているので、上の面と手前の面の並びを確認できます。
この記事で紹介したツール
あわせて読みたい
キューブタイマーの使い方|スマホ・PCで計って記録を伸ばす練習法
ルービックキューブが揃えられるようになったら、次に気になるのは「自分は何秒で揃えられるのか」です。タイムを計って記録を残すと、上達が数字で見えるようになり、何を練習すればいいかもはっきりします。この記事では、スマホやパソコンのブラウザで使えるキューブタイマーの計り方、ao5・ao12 の記録の読み方、サブ60からサブ20までのレベル別の目安と練習のポイント、ブラウザのタイマーの精度や記録の残し方までをまとめます。
記事を読む →インスペクションとは|15秒ルールと+2・DNFになる条件
ルービックキューブの大会では、解き始める前に15秒だけキューブを観察できる「インスペクション」があります。この15秒を1秒でも超えると +2、17秒を超えると DNF(記録なし)。せっかく速く揃えても、インスペクションの使い方ひとつで記録が消えてしまいます。この記事では、WCA の大会でのインスペクションの流れ、8秒・12秒のコールの意味、+2 と DNF になる代表的な条件、15秒で何を見ればいいか、家での練習で本番の感覚に慣れる方法までをまとめます。
記事を読む →BPA・WPAとは|あと1回で目標のao5に必要なタイムの計算
大会の ao5 で4回目まで終わったとき、「5回目で何秒を出せばサブ15の平均になるのか」は誰もが気になるところです。この見通しを数字にしたのが BPA(ベスト・ポッシブル・アベレージ)と WPA(ワースト・ポッシブル・アベレージ)です。この記事では、BPA・WPA の意味と計算方法、目標の ao5 に必要な5回目のタイムの出し方を具体例で解説し、DNF が入っているときの考え方や、大会の5回目で攻めるか守るかの判断のしかたまでまとめます。
記事を読む →