デシベル(dB)の計算方法|足し算・引き算・平均・距離減衰の式と早見表、60 dB + 60 dB が 63 dB になる理由から暗騒音の補正・環境基準まで
「60 dB の室外機が2台になったら 120 dB?」「何回か測った騒音の値は足して割れば平均になる?」「隣の家まで 10 m 離れたら何 dB まで下がる?」。デシベル(dB)は対数で表した値なので、ふつうの数のように足したり平均したりすると大きく外れます。この記事では、dB の意味と基準の音圧(20 µPa)、dB の差が音の強さ・音圧・聞こえ方で何倍になるか、足し算(合成)と同じ音が n 個あるときの式、差から読む足し算の早見表、エネルギー平均と算術平均の違い、暗騒音を差し引く引き算と JIS Z 8731 の補正値、点音源・線音源の距離減衰と目標の dB まで下がる距離、室外機・道路・工事の計算例、騒音の目安と環境基準、騒音計やスマホで測るときの注意までを、実際に計算した数字でまとめます。
結論:dB は「音のエネルギー」に戻してから計算し、最後に dB に戻す
デシベル(dB)は、音の強さを「基準の何倍か」の対数で表した値です。対数なので、dB 同士をそのまま足したり平均したりすることはできません。計算するときは、いったん 10^(L/10)(音のエネルギーに比例する量)に戻して足し引きし、最後に 10 × log10 で dB に戻します。騒音の計算は、ほぼすべてこの「戻して、計算して、また dB にする」の繰り返しです。
| やりたいこと | 式 | 計算例 |
|---|---|---|
| 足し算(合成) | 10 × log10(10^(L1/10) + 10^(L2/10) + …) | 60 dB + 60 dB = 63.0 dB |
| 同じ音が n 個 | L + 10 × log10(n) | 60 dB が10個で 70.0 dB |
| 平均(エネルギー平均) | 10 × log10((10^(L1/10) + … + 10^(Ln/10)) ÷ n) | 60・70・80 dB で 75.7 dB |
| 引き算(暗騒音の補正) | 10 × log10(10^(合計/10) − 10^(暗騒音/10)) | 65 dB − 60 dB = 63.3 dB |
| 点音源の距離減衰 | L1 − 20 × log10(r2 ÷ r1) | 1 m で 80 dB → 10 m で 60.0 dB |
| 線音源の距離減衰 | L1 − 10 × log10(r2 ÷ r1) | 1 m で 80 dB → 10 m で 70.0 dB |
以下では、dB がどういう値なのかを確かめてから、足し算・平均・引き算・距離減衰の順に、式と早見表、計算例を並べていきます。どの計算もデシベル計算ツールに値を入れるだけで同じ結果が出るので、手元の数字で確かめながら読んでみてください。
dB とは:基準の音圧 20 µPa と比べた「倍率の対数」
騒音でいう dB は、正確には「音圧レベル」です。人がやっと聞き取れる程度の小さな音圧 20 µPa(マイクロパスカル、0.00002 Pa)を基準の 0 dB とし、測った音圧 p との比を 20 × log10(p ÷ 20 µPa) で表します。音圧の2乗が音のエネルギー(強さ)に比例するので、エネルギーで書けば 10 × log10(エネルギーの比) で、どちらも同じ値になります。足し算で 10^(L/10) を使うのはこのためです。
| 音圧 | 音圧レベル | 身近な例 |
|---|---|---|
| 0.00002 Pa(20 µPa) | 0 dB | 聞こえる限界の目安 |
| 0.0002 Pa | 20 dB | 木の葉のふれあう音 |
| 0.002 Pa | 40 dB | 図書館・静かな住宅地の昼 |
| 0.02 Pa | 60 dB | 普通の会話 |
| 0.2 Pa | 80 dB | 地下鉄・電車の車内 |
| 1 Pa | 94 dB | 騒音計の校正に使う音の大きさ |
| 2 Pa | 100 dB | 電車が通るときのガード下 |
| 20 Pa | 120 dB | 飛行機のエンジンの近く |
音圧が10倍になるごとに 20 dB 上がります。0 dB から 120 dB までの音圧の幅は100万倍もあり、そのままの数字では扱いにくいので、対数で縮めて表しているわけです。1 Pa がちょうど約 94 dB になるので、騒音計の校正器はよく 94 dB の音を出します。
dB の差がどのくらいの違いなのかは、何の倍率で見るかによって変わります。音のエネルギー(強さ)で見るか、音圧で見るか、人の耳での聞こえ方で見るかの3通りです。
| dB の差 | エネルギー(強さ) | 音圧 | 聞こえ方の大きさ(目安) |
|---|---|---|---|
| 1 dB | 約1.26倍 | 約1.12倍 | 約1.07倍 |
| 3 dB | 約2倍 | 約1.41倍 | 約1.23倍 |
| 6 dB | 約4倍 | 約2倍 | 約1.52倍 |
| 10 dB | 10倍 | 約3.16倍 | 約2倍 |
| 20 dB | 100倍 | 10倍 | 約4倍 |
| 30 dB | 1,000倍 | 約31.6倍 | 約8倍 |
| 40 dB | 10,000倍 | 100倍 | 約16倍 |
dB の足し算(合成):60 dB + 60 dB は 120 dB ではなく 63 dB
2つ以上の音が同時に鳴るときの大きさを求めるのが dB の足し算(合成)です。それぞれを 10^(L/10) に戻して足し、10 × log10 で dB に戻します。60 dB と 60 dB なら、10^6 + 10^6 = 2 × 10^6 で、10 × log10(2 × 10^6) ≒ 63.0 dB です。エネルギーが2倍になると dB は 10 × log10(2) ≒ 3 dB だけ増える、というのが「2つで +3 dB」の正体です。
- 1
それぞれを 10^(L/10) に直す
60 dB → 10^6 = 1,000,000、65 dB → 10^6.5 ≒ 3,162,278、70 dB → 10^7 = 10,000,000。
- 2
全部足す
1,000,000 + 3,162,278 + 10,000,000 = 14,162,278。
- 3
10 × log10 で dB に戻す
10 × log10(14,162,278) ≒ 71.5 dB。いちばん大きい 70 dB より 1.5 dB 大きいだけです。
同じ大きさの音が n 個あるときは、L + 10 × log10(n) で簡単に求められます。台数を2倍にするごとに +3 dB、10倍にするごとに +10 dB です。
| 同じ音の数 | 増える dB | 60 dB の音なら |
|---|---|---|
| 2個 | +3.0 dB | 63.0 dB |
| 3個 | +4.8 dB | 64.8 dB |
| 4個 | +6.0 dB | 66.0 dB |
| 5個 | +7.0 dB | 67.0 dB |
| 8個 | +9.0 dB | 69.0 dB |
| 10個 | +10.0 dB | 70.0 dB |
| 20個 | +13.0 dB | 73.0 dB |
| 100個 | +20.0 dB | 80.0 dB |
大きさが違う2つの音を足すときは、2つの差だけで「大きいほうに何 dB 足せばよいか」が決まります。式は 10 × log10(1 + 10^(−差/10)) で、これを表にしたものが dB の足し算の早見表です。電卓がなくても、この表があれば何個の音でも2つずつ順に足していけます。
| 2つの音の差 | 大きいほうに足す値 | 例 |
|---|---|---|
| 0 dB | +3.0 dB | 60 + 60 → 63.0 dB |
| 1 dB | +2.5 dB | 61 + 60 → 63.5 dB |
| 2 dB | +2.1 dB | 62 + 60 → 64.1 dB |
| 3 dB | +1.8 dB | 63 + 60 → 64.8 dB |
| 4 dB | +1.5 dB | 64 + 60 → 65.5 dB |
| 5 dB | +1.2 dB | 65 + 60 → 66.2 dB |
| 6 dB | +1.0 dB | 66 + 60 → 67.0 dB |
| 7 dB | +0.8 dB | 67 + 60 → 67.8 dB |
| 8 dB | +0.6 dB | 68 + 60 → 68.6 dB |
| 9 dB | +0.5 dB | 69 + 60 → 69.5 dB |
| 10 dB | +0.4 dB | 70 + 60 → 70.4 dB |
| 15 dB | +0.1 dB | 75 + 60 → 75.1 dB |
dB の平均:騒音はエネルギー平均で出す(算術平均より大きくなる)
何回か測った騒音の値や、時間ごとの値をまとめるときは、そのまま足して割る算術平均ではなく、エネルギー平均(パワー平均)を使います。式は 10 × log10((10^(L1/10) + 10^(L2/10) + … + 10^(Ln/10)) ÷ n) で、足し算(合成)の結果から 10 × log10(n) を引いたものと同じです。
| 測った値 | 算術平均 | エネルギー平均 | 合成(足し算) |
|---|---|---|---|
| 60・70・80 dB | 70.0 dB | 75.7 dB | 80.5 dB |
| 50・55・60・65・70 dB | 60.0 dB | 64.6 dB | 71.6 dB |
| 60・60 dB | 60.0 dB | 60.0 dB | 63.0 dB |
60・70・80 dB の平均は、算術平均なら 70 dB ですが、エネルギー平均は約 75.7 dB です。80 dB の音はエネルギーで 60 dB の100倍あるので、平均すると大きい音の影響が強く出ます。値がばらつくほど、エネルギー平均は算術平均より大きくなります。逆に、全部同じ値なら両者は一致します。
騒音の環境基準や測定でよく出てくる「等価騒音レベル(LAeq)」も、時間とともに変わる騒音をこのエネルギー平均で1つの値にしたものです。1時間のうち10分だけ大きな音がしても、算術平均では薄まって見えますが、等価騒音レベルではしっかり反映されます。騒音の苦情やレポートで「平均」を出すときに算術平均を使うと、実際より小さく見積もってしまうので注意してください。
dB の引き算:暗騒音を差し引いて、対象の音だけの大きさを出す
騒音計で測った値には、対象の音(室外機や機械など)だけでなく、周りの音(暗騒音)も混ざっています。対象の音を鳴らしたときと止めたときの両方を測れば、引き算で対象の音だけの大きさを出せます。式は 10 × log10(10^(合計/10) − 10^(暗騒音/10)) です。
- 1
対象の音を鳴らして測る
例えば室外機を動かした状態で 65 dB。
- 2
対象の音を止めて測る(暗騒音)
同じ場所・同じ時間帯で、室外機を止めて 60 dB。
- 3
エネルギーに戻して引く
10^6.5 − 10^6 ≒ 3,162,278 − 1,000,000 = 2,162,278。
- 4
dB に戻す
10 × log10(2,162,278) ≒ 63.3 dB が、室外機だけの大きさです。
騒音の測り方を定めた JIS Z 8731 では、この計算の代わりに、対象の音があるときとないときの「指示値の差」から決まる補正値を使う方法が示されています。差が 10 dB 以上なら暗騒音の影響はほとんどないので補正しません。差が 3 dB 未満のときは、暗騒音が大きすぎて対象の音を正しく求められないので、測り直しが必要です。
| 指示値の差 | 式で計算した補正 | JIS Z 8731 の補正値 |
|---|---|---|
| 1 dB | −6.9 dB | 測り直し |
| 2 dB | −4.3 dB | 測り直し |
| 3 dB | −3.0 dB | −3 dB |
| 4 dB | −2.2 dB | −2 dB |
| 5 dB | −1.7 dB | −2 dB |
| 6 dB | −1.3 dB | −1 dB |
| 7 dB | −1.0 dB | −1 dB |
| 8 dB | −0.8 dB | −1 dB |
| 9 dB | −0.6 dB | −1 dB |
| 10 dB 以上 | −0.5 dB 以下 | 補正しない |
先ほどの 65 dB と 60 dB は差が 5 dB なので、JIS の補正では −2 dB として 63 dB とします。70 dB と 62 dB なら差が 8 dB で、式では 69.3 dB、JIS の補正では −1 dB で 69 dB です。補正値は整数に丸めた目安なので、式の値と最大 0.5 dB ほどずれますが、騒音計の表示自体が 1 dB 単位で読むことが多いため、実務ではこの表がよく使われます。
距離減衰:点音源は距離2倍で −6 dB、線音源は −3 dB
音源から離れると音は小さくなります。どのくらい小さくなるかは、音源が「点」とみなせるか「線」とみなせるかで変わります。室外機・機械・スピーカー・工事の重機のように1か所から出る音は点音源、交通量の多い道路や線路のように長く続く音は線音源として扱います。
| 音源の種類 | 式 | 距離2倍で | 距離10倍で |
|---|---|---|---|
| 点音源(室外機・機械・スピーカーなど) | L2 = L1 − 20 × log10(r2 ÷ r1) | 約 −6 dB | −20 dB |
| 線音源(交通量の多い道路・線路など) | L2 = L1 − 10 × log10(r2 ÷ r1) | 約 −3 dB | −10 dB |
点音源の音は球のように広がるので、距離が2倍になると同じエネルギーが4倍の面積に広がり、強さは4分の1(約 −6 dB)になります。これが逆2乗の法則です。線音源の音は円筒のように広がるので、距離2倍で面積は2倍、強さは2分の1(約 −3 dB)にしかなりません。道路の騒音がなかなか小さくならないのはこのためです。
| 距離 | 点音源(1 m で 80 dB) | 線音源(1 m で 80 dB) |
|---|---|---|
| 1 m | 80.0 dB | 80.0 dB |
| 2 m | 74.0 dB | 77.0 dB |
| 3 m | 70.5 dB | 75.2 dB |
| 5 m | 66.0 dB | 73.0 dB |
| 10 m | 60.0 dB | 70.0 dB |
| 20 m | 54.0 dB | 67.0 dB |
| 30 m | 50.5 dB | 65.2 dB |
| 50 m | 46.0 dB | 63.0 dB |
| 100 m | 40.0 dB | 60.0 dB |
| 200 m | 34.0 dB | 57.0 dB |
式を逆に解くと、目標の dB まで下がる距離も出せます。r2 = r1 × 10^((L1 − 目標) ÷ 20)(線音源なら ÷ 10)です。1 m で 80 dB の点音源が 45 dB まで下がるのは約 56 m 先ですが、同じ 80 dB でも線音源なら約 3,162 m 先まで離れないと 45 dB になりません。
計算例:室外機・道路・工事の音が何 dB になるか
ここまでの式を組み合わせると、身近な騒音の見積もりができます。値はいずれも障害物のない場合の計算で、実際の音の大きさは機種や周りの環境で変わります。
- 1
エアコンの室外機を2台並べる
1 m で 50 dB の室外機が2台なら、足し算で 53 dB。点音源として 5 m 離れると 53 − 20 × log10(5) ≒ 39 dB です。1台だけなら 5 m で 36 dB。住居の地域の夜間の環境基準 45 dB との比較の目安になります。
- 2
幹線道路から離れる
道路から 10 m で 75 dB なら、線音源として 40 m で 69 dB。距離を4倍にしても 6 dB しか下がりません。60 dB まで下げるには計算上約 316 m 離れる必要があり、道路の騒音対策では距離より防音壁や窓の性能が重視される理由が分かります。
- 3
工事の重機の音
10 m で 85 dB の重機は、点音源として 30 m で 75.5 dB、約 178 m で 60 dB まで下がります。2台が同時に動けば、どの距離でも +3 dB です。
「何台並べると何 dB?」「何 m 先で何 dB?」を組み合わせるときは、先に足し算で音源側の大きさを出してから距離減衰をかけるか、距離減衰をかけた値同士を足し算するかのどちらでも同じ答えになります。音源ごとに距離が違うときは、それぞれの位置での値を出してから足し算してください。
騒音の目安と環境基準:何 dB からうるさいのか
計算した dB が「うるさい」のかどうかは、身近な音の目安と比べると分かりやすくなります。次の表はよく使われる例で、音源との距離や測り方で変わります。
| 騒音レベル | 身近な例 |
|---|---|
| 120 dB | 飛行機のエンジンの近く |
| 110 dB | 自動車のクラクション(前方2m) |
| 100 dB | 電車が通るときのガード下 |
| 90 dB | 騒々しい工場の中・カラオケの店内 |
| 80 dB | 地下鉄・電車の車内、ピアノ(正面1m) |
| 70 dB | 騒々しい事務所・騒々しい街頭・セミの鳴き声 |
| 60 dB | 普通の会話・静かな乗用車の中 |
| 50 dB | 静かな事務所・エアコンの室外機 |
| 40 dB | 図書館・市街地の深夜・静かな住宅地の昼 |
| 30 dB | 郊外の深夜・ささやき声 |
| 20 dB | 木の葉のふれあう音・置き時計の秒針(前方1m) |
生活環境の目標になるのが、環境省の「騒音に係る環境基準」です。昼間は6時〜22時、夜間は22時〜翌6時で、値は等価騒音レベル(LAeq)、この値以下が基準です。地域の類型は都道府県や市が指定します。
| 地域の類型 | 昼間 | 夜間 |
|---|---|---|
| AA(療養施設・社会福祉施設などが集まる地域) | 50 dB 以下 | 40 dB 以下 |
| A・B(住居の地域) | 55 dB 以下 | 45 dB 以下 |
| C(住居と商業・工業が混在する地域) | 60 dB 以下 | 50 dB 以下 |
| A地域のうち2車線以上の道路に面する地域 | 60 dB 以下 | 55 dB 以下 |
| B地域のうち2車線以上の道路・C地域のうち車線のある道路に面する地域 | 65 dB 以下 | 60 dB 以下 |
| 幹線交通を担う道路に近接する空間 | 70 dB 以下 | 65 dB 以下 |
環境基準は行政が目指す目標で、個々の工場や工事を直接取り締まる値ではありません。工場・事業場や建設作業の音は騒音規制法と自治体の条例で規制基準が決められていて、例えば特定建設作業の騒音は敷地の境界で 85 dB を超えないことが基準になっています。具体的な値や時間帯は自治体ごとに違うので、お住まいの自治体の案内で確かめてください。
測るときの注意:A 特性・測る場所・スマホの騒音計アプリ
- 騒音の値は、ふつう A 特性(人の耳の感じ方に合わせて低い音と高い音を小さく数える重み付け)で測ります。dB(A) や LA と書かれているのがこれで、環境基準の値も A 特性です。
- 音は時間とともに変わるので、1回の読みで決めず、何回か測るか一定時間の等価騒音レベル(LAeq)を使います。手で何回か読んだ値をまとめるときは、算術平均ではなくエネルギー平均にします。
- 暗騒音(対象の音を止めたときの値)も同じ場所・同じ時間帯で必ず測っておきます。差が 10 dB 未満なら補正し、3 dB 未満なら測り直します。
- 壁や塀のすぐそばは反射で大きく出ることがあります。騒音計は地面から 1.2〜1.5 m ほどの高さに構え、体からも離して持つと安定します。
- スマートフォンの騒音計アプリは、内蔵マイクの性能や補正の違いで機種によって数 dB ずれることがあります。傾向をつかむには便利ですが、苦情や届け出に使う値は校正された騒音計で測ってください。
なお、録音ソフトやマイクテストのレベルメーターに出る「−20 dB」のような値は、デジタルの上限を 0 dB とした入力レベル(dBFS)で、20 µPa を基準にした騒音の dB とは基準が違います。同じ「dB」でも、マイナスの値が出るメーターは騒音の大きさを直接表しているわけではありません。ただし、どちらも対数なので、足し算・引き算の考え方は同じです。
デシベル計算ツールで計算する手順
- 1
足し算・平均を出す
「足し算・平均」に、測った dB の値を1行に1つ(またはカンマ区切りで)入れると、合成した大きさとエネルギー平均、算術平均との違いが出ます。同じ音が何個もあるときは、1つの大きさと数を入れます。
- 2
暗騒音を差し引く
「引き算(暗騒音の補正)」に、対象の音を鳴らしたときと止めたときの値を入れると、式で計算した対象の音だけの大きさと、JIS Z 8731 の補正値が出ます。差が 3 dB 未満なら測り直しの案内が出ます。
- 3
距離減衰を調べる
「距離減衰」で点音源か線音源かを選び、測った大きさと距離、知りたい距離や目標の dB を入れると、その距離での大きさと目標まで下がる距離、距離ごとの早見表が出ます。
- 4
換算と早見表を確かめる
「換算と早見表」で、音圧 Pa と dB の換算、dB の差がエネルギー・音圧・聞こえ方で何倍か、足し算の早見表、騒音の目安と環境基準を見られます。
計算はすべてブラウザの中で行われ、入力した値はどこにも送信されません。この記事の数字もすべてツールと同じ計算で出したものなので、記事の例をそのまま入れて確かめることもできます。
よくある質問
- 60 dB と 60 dB を足すと何 dB ですか?
- 63 dB です(120 dB にはなりません)。dB は対数なので、10^(L/10) に戻して足すとエネルギーが2倍になり、10 × log10(2) ≒ 3 dB だけ増えます。同じ大きさの音が4つで +6 dB、10個で +10 dB です。
- 大きさの違う音を足すとどうなりますか?
- 2つの差で、大きいほうに足す値が決まります。差が 0 dB で +3.0、5 dB で +1.2、10 dB で +0.4 dB です。60 dB・65 dB・70 dB の3つを合成すると約 71.5 dB で、いちばん大きい 70 dB より 1.5 dB 大きいだけです。
- dB の平均はどう計算しますか?
- 騒音の平均は、値をそのまま足して割る算術平均ではなく、エネルギー平均(パワー平均)で出します。10 × log10((10^(L1/10) + 10^(L2/10) + …) ÷ n) です。60・70・80 dB の平均は、算術平均なら 70 dB ですが、エネルギー平均は約 75.7 dB です。
- 暗騒音の補正はどうしますか?
- 対象の音を鳴らしたときが 65 dB、止めたとき(暗騒音)が 60 dB なら、10 × log10(10^6.5 − 10^6) ≒ 63.3 dB が対象の音だけの大きさです。JIS Z 8731 の補正では差が 5 dB なので −2 dB として 63 dB とします。差が 10 dB 以上なら補正せず、3 dB 未満なら測り直します。
- 距離が2倍になると何 dB 下がりますか?
- 室外機や機械のような点音源は約 6 dB、交通量の多い道路のような線音源は約 3 dB 下がります。距離が10倍なら、点音源は 20 dB、線音源は 10 dB です。1 m で 80 dB の点音源は 10 m で 60 dB、100 m で 40 dB になります(障害物のない場合)。
- 何 m 離れれば 45 dB まで下がりますか?
- 点音源なら r2 = r1 × 10^((L1 − 45) ÷ 20) で求められます。1 m で 80 dB の音なら約 56 m です。線音源は ÷ 20 を ÷ 10 にして計算し、同じ 80 dB でも約 3,162 m になります。実際には塀や建物でもう少し下がることが多いので、目安として使ってください。
- 10 dB の差はどのくらいの違いですか?
- 音のエネルギー(強さ)で10倍、音圧で約3.16倍、人の耳での聞こえ方ではおよそ2倍です。20 dB の差ならエネルギーで100倍、音圧で10倍、聞こえ方で約4倍になります。3 dB の差はエネルギーで2倍ですが、聞こえ方では約1.23倍です。
- 音圧 1 Pa は何 dB ですか?
- 約 94 dB です。音圧レベルは 20 × log10(p ÷ 20 µPa) で、基準の 20 µPa(0.00002 Pa)が 0 dB、0.02 Pa が 60 dB、2 Pa が 100 dB です。音圧が10倍になるごとに 20 dB 上がります。
この記事で紹介したツール
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