着物の寸法の見方|身丈・裄・袖丈・前幅・後幅の意味と身長別のめやす表
呉服店の寸法表やフリマアプリの商品ページには、身丈・裄・袖丈・前幅・後幅といった見慣れない言葉が並びます。洋服の S・M・L と違い、着物は「どこからどこまでの長さか」を知らないと、自分に合うかどうか判断できません。この記事では、着物の寸法表に出てくる7か所の意味、自分の体で測る3か所の測り方、女性・男性それぞれの身長別のめやす表(cm と鯨尺)、着物・浴衣・長襦袢で寸法が変わるところまでをまとめます。
着物の寸法表に出てくる7か所
着物の寸法は、体のどこに合わせる長さかで大きく3つに分かれます。縦の長さ(身丈・袖丈)、腕の長さ(裄・肩幅・袖幅)、腰回りの幅(前幅・後幅)です。寸法表やリサイクル着物の商品ページでよく見る7か所を、測る場所と合わせる体の部位で整理すると次のようになります。
| 寸法 | 読み方 | どこからどこまで | 合わせる体の寸法 |
|---|---|---|---|
| 身丈 | みたけ | 肩山(首の付け根の後ろ)から裾まで | 身長(女性)/首の付け根からくるぶしまで(男性) |
| 裄 | ゆき | 背中心から袖口まで(肩幅+袖幅) | 腕の長さ(裄の実測) |
| 肩幅 | かたはば | 背中心から袖付けの縫い目まで | 裄の配分で決める |
| 袖幅 | そではば | 袖付けの縫い目から袖口まで | 裄の配分で決める |
| 袖丈 | そでたけ | 袖山から袖の下まで | 身長(と手持ちの長襦袢・羽織) |
| 前幅 | まえはば | 脇の縫い目から衽付けまで(前身頃の裾の幅) | ヒップ |
| 後幅 | うしろはば | 背縫いから脇の縫い目まで(後ろ身頃の裾の幅) | ヒップ |
このうち、着付けでごまかしがきかないのは裄です。身丈はおはしょりや腰紐の位置で、前幅・後幅は上前と下前の合わせ方である程度調整できますが、腕の長さに対して袖が短いと、腕をおろしただけで手首が見えてしまいます。寸法表を読むときは、まず裄、次に身丈、そして前幅+後幅の順に見るのがおすすめです。
自分の体で測る3か所|身長・ヒップ・裄の測り方
着物の寸法のめやすは、身長・ヒップ・裄の3つがわかればほぼ決まります。身長以外は普段測ることがないので、メジャーを用意して一度測っておくと、着物を買うたびに使えます。裄は自分ひとりでは測りにくいので、家族や友人に手伝ってもらうのが確実です。
- 1
身長
素足で壁に背中をつけて立ち、頭のてっぺんまでを測ります。草履を履いたときの身長ではなく、素足の身長を使います。
- 2
ヒップ(男性は腰回り)
足をそろえて立ち、お尻のいちばん高いところを水平に一周測ります。メジャーは締めつけず、指が1本入るくらいのゆとりを持たせます。
- 3
裄
首の付け根の後ろにある骨(背中心)から、肩の頂点を通って、腕を斜め下45度におろしたときの手首のくるぶしまでを測ります。腕を真横に上げて測ると数cm長く出るので注意します。
ヒップや裄を測れないときは、身長からおおよその値を見積もることもできます。着物・浴衣のサイズ計算では、ヒップを女性は身長×0.56+1cm、男性は身長×0.55+1.5cm、裄を女性は身長×0.4+1cm、男性は身長×0.41+1cm で見積もっています。たとえば身長158cmの女性なら、ヒップ89.5cm・裄64cmがめやすです。ただし腕の長さには個人差があるので、裄だけは実測した値を使うと判定がぐっと正確になります。
女性の着物|身長別の寸法めやす表
女性の着物はおはしょりを取るので、身丈は身長と同じがめやすで、±5cm の範囲なら着付けで調整できます。裄は身長からの見積もり、前幅・後幅は身長から見積もったヒップをもとにした値です。実際のヒップや裄がわかる場合は、ツールに入れると自分用の値に置きかわります。
| 身長 | 身丈 | 裄 | 袖丈 | 前幅 | 後幅 |
|---|---|---|---|---|---|
| 145cm | 145cm(3尺8寸3分) | 59cm(1尺5寸6分) | 47cm(1尺2寸4分) | 22cm | 28cm |
| 150cm | 150cm(3尺9寸6分) | 61cm(1尺6寸1分) | 49cm(1尺2寸9分) | 23cm | 29cm |
| 155cm | 155cm(4尺9分) | 63cm(1尺6寸6分) | 49cm(1尺2寸9分) | 23.5cm | 29.5cm |
| 158cm | 158cm(4尺1寸7分) | 64cm(1尺6寸9分) | 49cm(1尺2寸9分) | 24cm | 30cm |
| 160cm | 160cm(4尺2寸2分) | 65cm(1尺7寸2分) | 49cm(1尺2寸9分) | 24cm | 30cm |
| 163cm | 163cm(4尺3寸) | 66cm(1尺7寸4分) | 49cm(1尺2寸9分) | 24.5cm | 30.5cm |
| 165cm | 165cm(4尺3寸6分) | 67cm(1尺7寸7分) | 51cm(1尺3寸5分) | 25cm | 31cm |
| 170cm | 170cm(4尺4寸9分) | 69cm(1尺8寸2分) | 51cm(1尺3寸5分) | 25.5cm | 31.5cm |
| 175cm | 175cm(4尺6寸2分) | 71cm(1尺8寸7分) | 51cm(1尺3寸5分) | 26.5cm | 32.5cm |
袖丈は身長に比例させるのではなく、標準の1尺3寸(約49cm)を基本に、背の低い人は少し短く、背の高い人は1尺3寸5分(約51cm)にするのが一般的です。袖丈は体に合うかよりも、手持ちの長襦袢や羽織とそろっているかのほうが大事なので、すでに長襦袢を持っている人はその袖丈に合わせると組み合わせやすくなります。
前幅・後幅はヒップから、前幅=ヒップ÷4+1.5cm、後幅=前幅+6cm で出します。ヒップ92cmなら前幅24.5cm・後幅30.5cm、ヒップ100cmなら前幅26.5cm・後幅32.5cmです。ふくよかな人は、身丈も身長より2〜3cm長めにすると、胸やお尻の厚みに布が取られてもおはしょりがきれいに出ます。
男性の着物|身長別の寸法めやす表
男性の着物はおはしょりを取らない対丈(ついたけ)で着るので、身丈は首の付け根からくるぶしまでの長さ、つまり身長−25〜30cm がめやすです。ツールでは身長−27cm を中心に、±3cm を着られる範囲としています。後幅は前幅+5cm で、女性より前幅との差が小さくなります。
| 身長 | 身丈 | 裄 | 袖丈 | 前幅 | 後幅 |
|---|---|---|---|---|---|
| 160cm | 133cm(3尺5寸1分) | 66.5cm(1尺7寸6分) | 49cm(1尺2寸9分) | 24cm | 29cm |
| 165cm | 138cm(3尺6寸4分) | 68.5cm(1尺8寸1分) | 49cm(1尺2寸9分) | 24.5cm | 29.5cm |
| 170cm | 143cm(3尺7寸8分) | 70.5cm(1尺8寸6分) | 49cm(1尺2寸9分) | 25.5cm | 30.5cm |
| 175cm | 148cm(3尺9寸1分) | 73cm(1尺9寸3分) | 49cm(1尺2寸9分) | 26cm | 31cm |
| 180cm | 153cm(4尺4分) | 75cm(1尺9寸8分) | 51cm(1尺3寸5分) | 26.5cm | 31.5cm |
| 185cm | 158cm(4尺1寸7分) | 77cm(2尺3分) | 51cm(1尺3寸5分) | 27.5cm | 32.5cm |
男性は身丈を帯の下で調整する余地が少なく、短いとすねが見え、長いと裾を踏んでしまいます。女性の着物を男性が着る、あるいはその逆は、おはしょりの有無と身八つ口(脇のあき)の違いがあるため、寸法が合っていても着にくいことがあります。
裄=肩幅+袖幅|配分の決め方と反物の幅の上限
裄は肩幅と袖幅を足した長さです。同じ裄でも、肩幅と袖幅の配分で着たときの見え方が変わります。一般的には、肩幅を袖幅より2〜3cm狭くします。ツールでは、肩幅=(裄−2cm)÷2、袖幅=裄−肩幅として、たとえば裄65cmなら肩幅31.5cm・袖幅33.5cmと出します。
- 肩幅が広すぎると、肩の縫い目が腕のほうに落ちて、袖付けのあたりがもたつく
- 肩幅が狭すぎると、背中の布が突っ張り、腕を前に出したときに袖が引っ張られる
- 袖幅は、反物の幅(約36〜38cm)から縫い代を引いた長さが上限になる
裄が長い人ほど注意したいのが、この反物の幅の上限です。肩幅も袖幅も反物1枚の幅から取るため、どちらも約34〜36cmを超えると、標準の幅の反物では仕立てられないことがあります。裄が70cmを超える女性や、75cmを超える男性は、広幅の反物(キングサイズの反物)を選ぶか、呉服店に相談するのが安心です。
着物・浴衣・長襦袢で寸法が変わるところ
同じ体でも、着物・浴衣・長襦袢では寸法のめやすが少しずつ違います。違いが出るのは主に身丈・裄・袖丈で、前幅・後幅はほぼ共通です。
| 寸法 | 着物 | 浴衣 | 長襦袢 |
|---|---|---|---|
| 身丈(女性) | 身長と同じ(±5cm) | 身長と同じ(±5cm) | 身長×0.83 前後の対丈 |
| 裄 | 裄の実測 | 着物より1〜2cm短くてもよい | 着物より2分(約0.76cm)短く |
| 袖丈 | 1尺3寸(約49cm)が標準 | 着物と同じ | 着物と同じか2分短く |
| 前幅・後幅 | ヒップから計算 | 着物と同じ | 着物より少し狭くてよい(衽がないため) |
浴衣は素肌に着る夏物なので、裄が着物より少し短くても気になりにくく、既製品のフリーサイズでも着られる人が多いのが特徴です。長襦袢は着物の下に着るため、袖口や袖の振りからはみ出さないよう、着物より少し短くするのが決まりです。長襦袢と着物の組み合わせ方は長襦袢と着物の寸法の合わせ方でくわしく解説しています。
自分の寸法をツールで出す
着物・浴衣のサイズ計算の「体から寸法を出す」タブで、女性・男性を選んで身長を入れると、着物・浴衣・長襦袢それぞれの身丈・裄・肩幅・袖幅・袖丈・前幅・後幅のめやすと、着られる範囲が cm と鯨尺で表示されます。ヒップと裄の実測を入れると、見積もりの値が自分の値に置きかわります。
結果はテキストでコピーできるので、呉服店で仕立てを相談するときや、フリマアプリで検索するときのメモに使えます。リサイクル着物を買う前の確かめ方はリサイクル着物のサイズの選び方、寸法表に「1尺7寸」のように鯨尺で書かれているときの読み方は鯨尺とcmの換算表を参考にしてください。
よくある質問
- 着物の寸法で一番大事なのはどこですか?
- 裄です。身丈はおはしょりや腰紐の位置で、身幅は上前と下前の合わせ方で調整できますが、裄は着付けで伸ばせません。めやすより2cm以上短いと、腕を動かしたときに手首が見えやすくなります。
- 裄はどうやって測りますか?
- 首の付け根の後ろの骨(背中心)から、肩の頂点を通り、腕を斜め下45度におろしたときの手首のくるぶしまでを測ります。腕を真横に上げると長く出るので、45度におろした姿勢で、ほかの人に測ってもらうのが確実です。
- 身長160cmの女性の着物の寸法はどれくらいですか?
- めやすは身丈160cm(4尺2寸2分)、裄65cm(1尺7寸2分)、袖丈49cm(1尺2寸9分)、前幅24cm、後幅30cmです。身丈は155〜165cmの範囲ならおはしょりで調整できます。裄と前幅・後幅は、実測した裄とヒップで変わります。
- 肩幅と袖幅はどう配分しますか?
- 一般的には肩幅を袖幅より2〜3cm狭くします。裄65cmなら肩幅31.5cm・袖幅33.5cmが一例です。袖幅は反物の幅から縫い代を引いた長さが上限なので、裄の長い人は広幅の反物が必要になることがあります。
- 男性の着物の身丈は身長から何cm引きますか?
- 男性はおはしょりを取らない対丈なので、身長から25〜30cm引いた長さがめやすです。身長170cmなら143cm前後で、首の付け根からくるぶしまでの長さになります。
この記事で紹介したツール
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