鯨尺とcmの換算表|1尺・1寸・1分は何センチ?着物の寸法の読み方
母や祖母から譲り受けた着物の寸法メモ、呉服店の仕立て票、古い和裁の本。そこに書かれている「1尺7寸」「4尺2寸5分」は、着物専用の物差しである鯨尺(くじらじゃく)の寸法です。建築で使う尺(曲尺)とは長さが違うので、同じ「1尺」でも換算を間違えると7cm以上ずれてしまいます。この記事では、鯨尺の単位と cm の換算、着物でよく出てくる寸法の換算表、cm から鯨尺への直し方、曲尺との違い、寸法表の書き方の読み方、反物の長さまでをまとめます。
鯨尺の単位|丈・尺・寸・分・厘
鯨尺は、着物や布の長さを測るために使われてきた尺です。1尺は100/264m、約37.879cmと決められていて、その10分の1が1寸、さらに10分の1が1分という10進法の単位になっています。
| 単位 | 読み方 | 関係 | cm での長さ |
|---|---|---|---|
| 1丈 | いちじょう | 10尺 | 約378.79cm(約3.79m) |
| 1尺 | いっしゃく | 10寸 | 約37.88cm |
| 1寸 | いっすん | 10分 | 約3.79cm |
| 1分 | いちぶ | 10厘 | 約0.38cm(約3.8mm) |
| 1厘 | いちりん | 1分の10分の1 | 約0.038cm(約0.4mm) |
和裁の寸法は、ほとんどが尺・寸・分の3つの単位で表されます。「1尺7寸5分」なら1.75尺で、約66.29cmです。分の下の厘は、着物の寸法ではほとんど使いません。和裁では寸法を5mm刻みで扱うことが多く、5分(約1.89cm)や2分(約0.76cm)が調整幅の単位としてよく出てきます。
着物でよく出てくる寸法の換算表
着物の寸法表や仕立て票によく出てくる鯨尺の値を、cm に直して一覧にしました。どの寸法で使われることが多いかもあわせて載せています。
| 鯨尺 | cm | よく使われる場面 |
|---|---|---|
| 2分 | 約0.76cm | 長襦袢を着物より短くする差(裄・袖丈) |
| 5分 | 約1.89cm | 縫い代・おはしょりの調整幅 |
| 1寸 | 約3.79cm | 裄出し・身丈の調整でよく出る単位 |
| 4寸 | 約15.15cm | 衽幅(おくみはば)のめやす |
| 6寸 | 約22.73cm | 前幅(女性・細め) |
| 8寸 | 約30.30cm | 後幅(女性・標準) |
| 1尺3寸 | 約49.24cm | 袖丈(女性・男性の標準) |
| 1尺3寸5分 | 約51.14cm | 袖丈(背の高い人) |
| 1尺7寸 | 約64.39cm | 裄(女性・身長160cm前後) |
| 1尺7寸5分 | 約66.29cm | 裄(女性・長め) |
| 1尺8寸5分 | 約70.08cm | 裄(男性・身長170cm前後) |
| 2尺5寸 | 約94.70cm | 中振袖の袖丈 |
| 3尺7寸 | 約140.15cm | 身丈(男性・身長167cm前後の対丈) |
| 4尺2寸 | 約159.09cm | 身丈(女性・身長160cm前後) |
| 4尺3寸5分 | 約164.77cm | 身丈(女性・身長165cm前後) |
表にない寸法は、尺・寸・分をそれぞれ cm にして足せば求められます。たとえば4尺1寸なら、4尺(約151.52cm)+1寸(約3.79cm)で約155.30cmです。暗算するときは「1尺≒38cm、1寸≒3.8cm、1分≒4mm」と覚えておくと、誤差1cm程度で見当がつきます。
cm から鯨尺に直す|裄・袖丈・身丈の早見表
反対に、メジャーで測った cm の寸法を呉服店や和裁士に伝えるときは、鯨尺に直すと話が早くなります。cm を37.879で割ると尺の値になり、小数点以下を寸・分に読みかえます。よく使う範囲の早見表は次のとおりです(分で四捨五入)。
| cm | 鯨尺 | cm | 鯨尺 |
|---|---|---|---|
| 49cm | 1尺2寸9分 | 62cm | 1尺6寸4分 |
| 51cm | 1尺3寸5分 | 64cm | 1尺6寸9分 |
| 60cm | 1尺5寸8分 | 65cm | 1尺7寸2分 |
| 66cm | 1尺7寸4分 | 68cm | 1尺8寸 |
| 67cm | 1尺7寸7分 | 70cm | 1尺8寸5分 |
| 160cm | 4尺2寸2分 | 165cm | 4尺3寸6分 |
- 1
cm を37.879で割る
裄65cmなら、65÷37.879=1.716…で、約1.72尺です。
- 2
整数部分が尺
1.72尺の整数部分の1が「1尺」です。
- 3
小数第1位が寸、第2位が分
0.72の7が「7寸」、2が「2分」なので、65cmは「1尺7寸2分」になります。
和裁では、計算した値をそのまま使うより、5分や1分単位のきりのよい寸法に丸めて伝えることが多いです。たとえば裄65cmなら「1尺7寸2分」、少し長めがよければ「1尺7寸5分」のように、呉服店と相談して決めます。
曲尺との違い|同じ1尺でも約7.6cm違う
尺には、着物で使う鯨尺のほかに、建築や木工で使う曲尺(かねじゃく)があります。曲尺の1尺は10/33m、約30.303cmで、鯨尺の1尺は曲尺の1尺2寸5分(1.25倍)にあたります。同じ「1尺7寸」でも、鯨尺なら約64.39cm、曲尺なら約51.52cmと、13cm近く違います。
| 寸法 | 鯨尺(着物) | 曲尺(建築) | 差 |
|---|---|---|---|
| 1寸 | 約3.79cm | 約3.03cm | 約0.76cm |
| 1尺 | 約37.88cm | 約30.30cm | 約7.58cm |
| 1尺3寸 | 約49.24cm | 約39.39cm | 約9.85cm |
| 1尺7寸 | 約64.39cm | 約51.52cm | 約12.88cm |
| 4尺2寸 | 約159.09cm | 約127.27cm | 約31.82cm |
ネットの換算ツールで「1尺=30.3cm」と出てきたら、それは曲尺の値です。着物の寸法には使えないので注意しましょう。曲尺は畳や柱の寸法のもとになっていて、畳のサイズやインチとcmの換算の記事でも触れているように、住宅の910mmモジュールは曲尺の3尺(半間)が基準です。
寸法表の書き方の読み方|1.7尺・一尺七寸・尺7
鯨尺の寸法は、書く人や時代によって表記がばらばらです。同じ長さでも次のように書かれることがあるので、読み方を知っておくと迷いません。
| 書き方 | 意味 | cm |
|---|---|---|
| 1尺7寸5分 | 1尺+7寸+5分 | 約66.29cm |
| 1.75尺 | 1.75尺 | 約66.29cm |
| 一尺七寸五分 | 漢数字で書いたもの | 約66.29cm |
| 1尺7寸5 | 最後の単位を省略(分) | 約66.29cm |
| 17寸5分 | 尺を寸に繰り上げて書いたもの | 約66.29cm |
| 4尺2寸 | 身丈などの長い寸法 | 約159.09cm |
仕立て票では、「身丈 4.20」「裄 1.75」のように、単位を書かずに尺の小数で書くこともあります。数字が1〜5くらいなら尺、40〜170くらいなら cm と考えると、見分けがつきやすいでしょう。「5分」は時間の5分(ごふん)ではなく「ごぶ」と読みます。
反物の長さと幅|1反は何メートル?
着物1枚分の布を「1反(いったん)」と呼びます。1反の長さは鯨尺でおよそ3丈(約11.4m)が昔からのめやすで、今の着尺(着物用の反物)は長さ12m前後、幅36〜38cmほどのものが多くなっています。背の高い人や裄の長い人向けには、長さや幅に余裕のある反物もあります。
- 3丈=約11.36m、3丈2尺=約12.12m
- 反物の幅(約36〜38cm)から縫い代を引いた長さが、袖幅・肩幅の上限になる
- 裄が長い人は、肩幅も袖幅も広く取れる広幅の反物を選ぶ
- 羽織・コート用の反物は、着尺とは長さが違うことがある
鯨尺は、かつて鯨のひげで物差しを作っていたことからその名が付いたといわれます。1959年以降、尺貫法の単位は取引や証明には使えなくなりましたが、和裁の現場では今も鯨尺の寸法が使われ、cm と並べて目盛りを打った物差しも売られています。
鯨尺の寸法で測る・伝えるときのコツ
鯨尺の物差しが手元になくても、cm のメジャーで測って換算すれば十分です。ただ、呉服店や和裁士とやりとりするときは、次の点を押さえておくと行き違いが起きにくくなります。
- 寸法を伝えるときは「鯨尺で1尺7寸」「cm で65cm」のように、どちらの単位かを必ず添える
- 体の寸法(身長・ヒップ・裄の実測)は cm のまま伝え、仕立ての寸法は呉服店に鯨尺で決めてもらうと確実
- 古い仕立て票の寸法は、その後の仕立て直しや洗い張りで変わっていることがあるので、実物も測っておく
- 着物を測るときは平らな場所に広げ、背縫いをまっすぐにしてから測る(裄は背縫いから袖口まで)
- 1分(約3.8mm)の違いは見た目にはほとんどわからないので、換算の端数は気にしすぎなくてよい
とくに注意したいのが「2分短く」「5分出す」のような、差を表す言い方です。長襦袢を着物より2分短くするなら約0.76cm、裄を5分出すなら約1.9cmで、cm に直すと思ったより小さな差だとわかります。差の寸法は、元の寸法にそのまま足し引きしてから cm に直すと計算ミスが減ります。
ツールで鯨尺と cm を換算する
着物・浴衣のサイズ計算の「鯨尺 ⇄ cm」タブでは、「1尺7寸5分」「一尺三寸」「1.75尺」のような書き方をそのまま入れると cm に、cm を入れると尺・寸・分に換算できます。鯨尺と曲尺を切りかえて比べることもでき、着物でよく出る寸法の早見表もあります。
ほかのタブでも、身丈・裄などの入力欄に鯨尺の寸法をそのまま入れられます。換算した寸法が自分の体に合うかは「この着物は着られる?」で判定でき、寸法そのものの意味は着物の寸法の見方、リサイクル着物を選ぶときの許容範囲はリサイクル着物のサイズの選び方で解説しています。
よくある質問
- 鯨尺の1尺は何センチですか?
- 約37.88cm(正確には100/264m=約37.879cm)です。1寸はその10分の1で約3.79cm、1分は約0.38cmです。建築で使う曲尺の1尺(約30.30cm)とは長さが違います。
- 着物の1尺3寸は何センチですか?
- 鯨尺の1尺3寸は約49.24cmで、女性・男性の着物の標準的な袖丈です。背の高い人向けの1尺3寸5分は約51.14cmです。
- 4尺2寸は何センチですか?
- 鯨尺の4尺2寸は約159.09cmです。女性の着物の身丈としてよく使われる寸法で、身長160cm前後の人のめやすです。曲尺の4尺2寸は約127.27cmなので混同しないよう注意します。
- 鯨尺と曲尺はどう違いますか?
- 鯨尺は着物や布、曲尺は建築や木工で使う尺です。鯨尺の1尺は曲尺の1尺2寸5分にあたり、鯨尺が約37.88cm、曲尺が約30.30cmです。着物の寸法はすべて鯨尺で考えます。
- 65cmは鯨尺で何寸ですか?
- 65÷37.879=約1.716尺なので、1尺7寸2分です。寸だけで表すと約17寸2分になります。和裁では1尺7寸や1尺7寸5分のように、きりのよい寸法に丸めて相談することが多いです。
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