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押し入れ・クローゼットの結露とカビ対策|湿度が上がる仕組みと場所別の目安

冬に押し入れの布団がしっとりしている、クローゼットの奥の服にカビが生えた、北側の部屋の壁紙に黒い点が出てきた。こうした困りごとは、窓の結露と同じ仕組みで起きています。暖房した部屋の暖かく湿った空気が、冷えた押し入れや北側の部屋に入り込むと、水蒸気の量は同じでも湿度が一気に上がるのです。この記事では、温度が下がると湿度が上がる仕組みを数字で確かめたうえで、押し入れ・クローゼット・北側の部屋・家具の裏など場所ごとの湿度の目安、カビ・ダニが増えやすい湿度、効く順番の対策までをまとめます。

冷えた場所に入ると湿度が上がる仕組み

湿度計が示す相対湿度(%)は、「その温度の空気が含める水蒸気の最大量のうち、何 % を含んでいるか」という割合です。空気が含める量は温度が下がるほど少なくなるので、同じ量の水蒸気を含んだ空気でも、冷えた場所に行くと割合(湿度)が上がります。

たとえば室温 20℃・湿度 50% の部屋の空気は、1m³ あたり約 8.6g の水蒸気を含んでいます。この空気が 12℃ の押し入れに入ると、12℃ の空気が含める最大量は約 10.7g なので、湿度は 83% に上がります。8℃ の場所では含める量が 8.6g を下回るため湿度は 100% に達し、あふれた分が壁や布団の表面で結露します。これが「押し入れは窓のない窓の結露」と言われるゆえんです。

場所別・温度別の湿度の早見表

暖房した部屋の空気が、冷えた場所に入ったときの湿度を計算しました。左の列が部屋の状態、右に行くほど冷えた場所です。100% のところでは結露が起きます。

部屋の空気露点16℃14℃13℃12℃10℃8℃
20℃・40%6.0℃51%58%62%67%76%87%
20℃・50%9.3℃64%73%78%83%95%100%
20℃・60%12.0℃77%88%94%100%100%100%
22℃・50%11.1℃73%83%88%94%100%100%
18℃・60%10.1℃68%77%83%88%100%100%
場所冬の温度の目安部屋が 20℃・50% のときの湿度状態
暖房していない寝室14℃73%カビに注意
外壁に面した家具の裏13℃78%カビに注意
北側の押し入れ・クローゼット12℃83%カビに注意
北側の部屋10℃95%カビ・結露寸前
玄関・廊下・脱衣所8℃100%結露する

場所の温度は、外気温や建物の断熱で大きく変わる目安です。押し入れの奥の壁に温度計を数分置いておくと、自分の家の実際の値がわかります。表を見ると、部屋の湿度を 50% から 40% に下げるだけで、12℃ の押し入れの湿度は 83% から 67% まで下がり、カビの目安の 70% を下回ることがわかります。

カビ・ダニが増えやすい湿度の目安

  • 湿度 60% を超える:ダニが増えやすくなる
  • 湿度 70% を超える:カビが生えやすくなる。80% を超える状態が続くと一気に広がる
  • 湿度 100%(結露):壁や布団の表面に水分がつき、乾くまでカビの温床になる

カビは結露の水滴がなくても、表面近くの湿度が高い状態が続くだけで育ちます。押し入れやクローゼットは空気がほとんど動かないので、いったん湿度が上がると下がりにくく、ホコリや布団・衣類の皮脂がカビのエサになります。「水滴はついていないのにカビた」というのは、この 70〜99% の状態が何日も続いた結果です。

結露する量も計算できます。部屋が 20℃・60% のとき、その空気が 8℃ の場所に入ると、1m³ あたり約 2.1g があふれて結露します。押し入れ 1 段(約 1.5m³)なら約 3g。少なく見えますが、扉のすき間から部屋の空気が少しずつ入れ替わるたびに同じことが繰り返され、冬のあいだ毎日たまっていきます。

布団をしまう押し入れが特にカビやすい理由

人は寝ているあいだに汗をかき、ひと晩でコップ 1 杯ほどの水分が布団に移ると言われます。朝すぐに布団をたたんで押し入れにしまうと、その水分ごと冷えた空間に閉じこめることになります。押し入れの下段や、外壁に面した奥の壁は特に冷えるので、布団の裏側や壁との接触面から湿気がこもってカビが出ます。

  1. 1

    起きたらすぐにたたまない

    掛け布団をめくって 30 分〜1 時間ほど湿気を逃がしてからしまいます。

  2. 2

    すのこを敷き、壁から離す

    押し入れの床と奥の壁にすのこを立てかけ、布団が冷たい壁や床に直接ふれないようにします。空気の通り道ができ、接触面の結露を防げます。

  3. 3

    下段より上段に、重ねすぎない

    床に近い下段は冷えやすく湿気がたまりやすいので、使う布団は上段へ。ぎゅうぎゅうに詰めず、空気が通るすき間を残します。

  4. 4

    晴れた日に干すか、布団乾燥機をかける

    週に 1〜2 回、布団にたまった湿気を飛ばします。

北側の部屋・家具の裏の結露

北側の部屋は日が当たらず、暖房もしないことが多いので、冬は 10℃ 前後まで冷えます。リビングの暖かく湿った空気がドアのすき間から流れ込むと、壁や窓、置いてある段ボールの裏で結露がはじまります。物置として使っている北側の部屋で、壁紙や荷物にカビが出やすいのはこのためです。

  • 北側の部屋のドアは閉めておく:暖かく湿った空気を冷えた部屋に入れない
  • 北側の部屋にも少し暖房を入れるか、換気扇・窓を少し開けて湿気を逃がす
  • 外壁に面したタンスや本棚は、壁から 5cm 以上離す:壁と家具の間の空気が動かず、13℃ 前後まで冷えて湿度が 80% 近くになる
  • 家具の裏・ベッドの下に除湿剤を置き、たまった水の量で湿気の多さを確かめる
  • 段ボールは湿気を吸いやすく、カビのエサにもなるので、収納はプラスチックケースに替える

効く順番の対策

押し入れやクローゼットのカビ対策も、窓と同じく「部屋の水蒸気を減らす」と「冷えた場所の温度を上げる・空気を動かす」の組み合わせです。効き目が大きく、お金がかからない順に並べました。

  1. 1

    暖房している部屋の湿度を 40〜50% に抑える

    部屋の空気の露点温度が下がれば、どこに流れ込んでも結露しにくくなります。20℃・60% の部屋を 40% にすると、12℃ の押し入れの湿度は 100% から 67% まで下がります。加湿器の設定は加湿器の加湿量の目安を参考に、上げすぎないようにします。

  2. 2

    押し入れ・クローゼットの扉を定期的に開ける

    1 日 1 回、数時間でも扉を開けて部屋の暖かい空気を入れると、中の温度が上がって湿度が下がります。冷えたまま閉めておくのがいちばんよくありません。

  3. 3

    すのこ・壁から離す・詰め込みすぎない

    冷たい壁や床と荷物の間に空気の層をつくります。収納量は 8 割を目安にします。

  4. 4

    除湿剤・除湿機を使う

    押し入れには置き型の除湿剤、北側の部屋には除湿機を使います。冬の低温でも除湿できるのはデシカント式(ゼオライト式)です。

  5. 5

    それでもカビるなら断熱を見直す

    外壁に面した押し入れの奥の壁に断熱材が入っていない家もあります。断熱ボードを貼る、北側の窓に内窓をつけるなど、冷える場所そのものを減らします。窓の対策は窓の結露対策で比較しています。

よくある質問

押し入れが結露するのはなぜですか?
暖房した部屋の暖かく湿った空気が、冷えた押し入れに入って冷やされるためです。室温 20℃・湿度 50% の空気は、12℃ の押し入れでは湿度 83% に、8℃ では 100% になって結露します。
カビが生えるのは湿度何%からですか?
70% を超えるとカビが生えやすくなり、80% を超える状態が続くと広がりやすくなります。ダニは 60% を超えると増えやすくなります。水滴がつかなくても、高い湿度が続くだけでカビは育ちます。
クローゼットのカビを防ぐには部屋の湿度を何%にすればいいですか?
室温 20℃ なら 40〜50% が目安です。部屋が 20℃・40% なら、12℃ まで冷えたクローゼットでも湿度は 67% で、カビの目安の 70% を下回ります。50% だと 83% まで上がります。
押し入れに除湿剤を置けば十分ですか?
除湿剤だけで吸える量には限りがあります。部屋の湿度を上げすぎない、扉を定期的に開ける、すのこで壁や床から離す、布団は湿気を逃がしてからしまう、といった対策と組み合わせるのが効果的です。
北側の部屋の壁がカビるのはなぜですか?
日が当たらず暖房もしない北側の部屋は 10℃ 前後まで冷え、そこにリビングの湿った空気が流れ込むためです。20℃・50% の空気は 10℃ で湿度 95% になります。ドアを閉める、家具を壁から離す、除湿機を使うのが効果的です。

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