サブネットマスクの計算方法|CIDR からネットワークアドレス・ブロードキャスト・ホスト数を求める手順と早見表
「192.168.1.100/26 のネットワークアドレスは?」「/27 だと何台つなげる?」「255.255.240.0 は /何?」。サブネットの計算は、2 進数に直して AND をとるのが基本ですが、慣れれば「ブロックの大きさ」を使って暗算でも求められます。この記事では、CIDR 表記とサブネットマスクの関係、ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレス・使える IP の範囲の求め方を 2 進数と暗算の両方で説明し、第 3 オクテットにまたがる例題、ホスト数と AWS・Azure・Google Cloud の予約アドレス、必要な台数からプレフィックス長を決める方法、VLSM のサブネット分割、同じサブネットかの判定、IP の範囲から CIDR への変換と集約、ワイルドカードマスク、よくある間違いまでを、具体的な数字で解説します。
結論:サブネットの計算は「ブロックの大きさ」で決まる
IPv4 のアドレスは 32 ビットで、「/26」のような CIDR 表記の数字(プレフィックス長)は、先頭から何ビットがネットワーク部かを表します。残りの 32 − 26 = 6 ビットがホスト部で、1 つのサブネットに入るアドレスの数(ブロックの大きさ)は 2 の 6 乗 = 64 個です。サブネットはこの 64 個ずつの区切り(0〜63、64〜127、128〜191、192〜255)に並んでいるので、IP アドレスがどの区切りに入るかを見れば、ネットワークアドレスもブロードキャストアドレスも決まります。
- アドレスの数:2 の(32 − プレフィックス長)乗。/24 は 256 個、/26 は 64 個、/27 は 32 個
- ネットワークアドレス:IP アドレスとサブネットマスクの AND(ブロックの先頭)。機器には割り当てない
- ブロードキャストアドレス:ホスト部をすべて 1 にしたアドレス(ブロックの末尾)。機器には割り当てない
- 使える IP の範囲:ネットワークアドレス+ 1 〜 ブロードキャストアドレス− 1
- 使える台数(ホスト数):アドレスの数− 2。/24 は 254 台、/26 は 62 台、/27 は 30 台
たとえば 192.168.1.100/26 なら、ブロックの大きさは 64 なので、100 は 64〜127 の区切りに入ります。ネットワークアドレスは 192.168.1.64、ブロードキャストアドレスは 192.168.1.127、使える範囲は 192.168.1.65〜192.168.1.126 で 62 台です。サブネットマスクは 255.255.255.192(256 − 64 = 192)になります。以下では、この求め方を 2 進数と暗算の両方で順に見ていきます。
CIDR 表記とサブネットマスクの関係
サブネットマスクは、ネットワーク部を 1、ホスト部を 0 にした 32 ビットの値を、8 ビットずつ 10 進数で書いたものです。/26 なら先頭から 1 が 26 個、0 が 6 個並びます。CIDR 表記の「/26」とサブネットマスクの「255.255.255.192」は、同じものを別の書き方で表しているだけです。
| 表記 | 2 進数 | 10 進数 |
|---|---|---|
| /24 | 11111111.11111111.11111111.00000000 | 255.255.255.0 |
| /26 | 11111111.11111111.11111111.11000000 | 255.255.255.192 |
| /27 | 11111111.11111111.11111111.11100000 | 255.255.255.224 |
| /20 | 11111111.11111111.11110000.00000000 | 255.255.240.0 |
1 つのオクテット(8 ビット)の中で 1 が左から何個並ぶかによって、10 進数の値は次の 9 通りしかありません。この 9 個を覚えておくと、マスクとプレフィックス長の変換はすぐにできます。
| 1 の数 | 2 進数 | 10 進数 | ブロックの大きさ(256 − 値) |
|---|---|---|---|
| 0 | 00000000 | 0 | 256 |
| 1 | 10000000 | 128 | 128 |
| 2 | 11000000 | 192 | 64 |
| 3 | 11100000 | 224 | 32 |
| 4 | 11110000 | 240 | 16 |
| 5 | 11111000 | 248 | 8 |
| 6 | 11111100 | 252 | 4 |
| 7 | 11111110 | 254 | 2 |
| 8 | 11111111 | 255 | 1 |
- マスク → プレフィックス長:255 を 8 として足し、最後のオクテットの値を上の表で 1 の数に直す。255.255.240.0 は 8 + 8 + 4 = /20、255.255.255.224 は 8 + 8 + 8 + 3 = /27
- プレフィックス長 → マスク:8 で割る。/20 は 8 × 2 余り 4 なので、255.255 のあとに 1 が 4 個の 240、残りは 0 で 255.255.240.0
- どのオクテットの区切りかは「8 で割った商」で決まる。/17〜/24 は第 3 オクテット、/25〜/32 は第 4 オクテットで区切る
ネットワークアドレス・ブロードキャストアドレスの求め方
求め方は 2 通りあります。仕組みが分かるのは 2 進数で AND をとる方法、試験や現場で速いのはブロックの大きさを使う暗算です。どちらも同じ答えになります。例として 192.168.1.100/26 を計算します。
- 1
IP アドレスとマスクを 2 進数にする
192.168.1.100 は 11000000.10101000.00000001.01100100、/26 のマスク 255.255.255.192 は 11111111.11111111.11111111.11000000 です。最初の 3 オクテットはマスクが 255 なのでそのまま残り、第 4 オクテットだけを見れば足ります。
- 2
AND をとってネットワークアドレスを出す
AND は両方が 1 のときだけ 1 になる計算です。第 4 オクテットは 01100100 AND 11000000 = 01000000 で、10 進数の 64 です。ネットワークアドレスは 192.168.1.64 になります。
- 3
ホスト部を全部 1 にしてブロードキャストアドレスを出す
ネットワークアドレス 01000000 の、マスクが 0 だった右 6 ビットを全部 1 にすると 01111111 で 127 です。ブロードキャストアドレスは 192.168.1.127 になります。
- 4
使える範囲と台数を出す
ネットワークアドレスの次の 192.168.1.65 から、ブロードキャストアドレスの前の 192.168.1.126 までが機器に割り当てられる範囲です。台数は 64 − 2 = 62 台です。
暗算では 2 進数を使いません。区切りのオクテット(/26 なら第 4 オクテット)で、ブロックの大きさ 256 − 192 = 64 の倍数のうち、IP アドレスの値(100)以下で最大のものを探します。64 × 1 = 64 が 100 以下で最大なので、ネットワークアドレスは 192.168.1.64。次のブロックの先頭 128 の 1 つ前の 127 がブロードキャストアドレスです。
| 項目 | 192.168.1.100/26 の答え | 求め方 |
|---|---|---|
| サブネットマスク | 255.255.255.192 | 1 が 26 個(8 + 8 + 8 + 2) |
| ブロックの大きさ | 64 | 256 − 192 |
| ネットワークアドレス | 192.168.1.64 | 100 以下の 64 の倍数で最大 |
| ブロードキャストアドレス | 192.168.1.127 | 64 + 64 − 1 |
| 使える IP の範囲 | 192.168.1.65〜192.168.1.126 | 先頭+ 1 〜 末尾− 1 |
| 使える台数 | 62 台 | 64 − 2 |
例題:第 3 オクテットで区切る /20・/18 と、小さな /29
/24 より短いプレフィックス長では、区切りが第 3 オクテットに移ります。考え方は同じで、区切りのオクテットでブロックの大きさの倍数を探し、それより右のオクテットはネットワークアドレスなら 0、ブロードキャストアドレスなら 255 にします。
- 1
172.16.45.200/20
/20 は 8 × 2 余り 4 なので第 3 オクテットで区切り、マスクは 255.255.240.0、ブロックの大きさは 256 − 240 = 16 です。45 以下の 16 の倍数で最大は 32 なので、ネットワークアドレスは 172.16.32.0、ブロードキャストアドレスは 172.16.47.255(32 + 16 − 1 = 47)。使える範囲は 172.16.32.1〜172.16.47.254 で、4,096 − 2 = 4,094 台です。
- 2
10.1.130.7/18
/18 のマスクは 255.255.192.0 で、第 3 オクテットのブロックの大きさは 64 です。130 以下の 64 の倍数で最大は 128 なので、ネットワークアドレスは 10.1.128.0、ブロードキャストアドレスは 10.1.191.255。使える範囲は 10.1.128.1〜10.1.191.254 で、16,384 − 2 = 16,382 台です。
- 3
192.168.10.77/29
/29 のマスクは 255.255.255.248 で、ブロックの大きさは 8 です。77 以下の 8 の倍数で最大は 72 なので、ネットワークアドレスは 192.168.10.72、ブロードキャストアドレスは 192.168.10.79。使える範囲は 192.168.10.73〜192.168.10.78 の 6 台です。
/20 の例で間違えやすいのは、ネットワークアドレスの第 4 オクテットです。区切りは第 3 オクテットなので、第 4 オクテットはホスト部に丸ごと入り、ネットワークアドレスでは 0、ブロードキャストアドレスでは 255 になります。172.16.45.0 や 172.16.32.200 のように、もとの値を残さないよう注意してください。
| 例題 | マスク | ネットワークアドレス | ブロードキャストアドレス | 使える台数 |
|---|---|---|---|---|
| 192.168.1.100/26 | 255.255.255.192 | 192.168.1.64 | 192.168.1.127 | 62 |
| 172.16.45.200/20 | 255.255.240.0 | 172.16.32.0 | 172.16.47.255 | 4,094 |
| 10.1.130.7/18 | 255.255.192.0 | 10.1.128.0 | 10.1.191.255 | 16,382 |
| 192.168.10.77/29 | 255.255.255.248 | 192.168.10.72 | 192.168.10.79 | 6 |
ホスト数の計算と、/31・/32・クラウドの予約アドレス
使えるアドレスの数(ホスト数)は、2 の(32 − プレフィックス長)乗から 2 を引いた数です。引く 2 個は、先頭のネットワークアドレスと末尾のブロードキャストアドレスです。ただし実際の LAN では、ルーター(デフォルトゲートウェイ)にも 1 つ使うので、パソコンやスマホに振れるのはさらに 1 個少なくなります。/24 なら 254 個のうち、ゲートウェイの 192.168.1.1 を除いた 253 台がふつうの機器に使える数です。
- /30:アドレスは 4 個で使えるのは 2 個。ルーター同士を 1 対 1 でつなぐ回線によく使われてきた
- /31:アドレスは 2 個で、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを持たず 2 個とも使える(RFC 3021)。ルーター同士の接続用
- /32:1 個だけを表す。ファイアウォールのルールや経路で、特定の 1 台を指すときに使う
クラウドのサブネットでは、さらに多くのアドレスが予約されます。AWS の VPC はサブネットごとに先頭 4 個(ネットワークアドレス・VPC ルーター・DNS・将来用)と末尾 1 個の合計 5 個、Azure も 5 個、Google Cloud は 4 個を使えなくします。
| プレフィックス長 | アドレス数 | 一般の LAN | AWS・Azure(5 個予約) | Google Cloud(4 個予約) |
|---|---|---|---|---|
| /16 | 65,536 | 65,534 | 65,531 | 65,532 |
| /20 | 4,096 | 4,094 | 4,091 | 4,092 |
| /24 | 256 | 254 | 251 | 252 |
| /26 | 64 | 62 | 59 | 60 |
| /27 | 32 | 30 | 27 | 28 |
| /28 | 16 | 14 | 11 | 12 |
AWS で作れるいちばん小さいサブネットは /28 で、使えるのは 16 − 5 = 11 個です。ロードバランサーやコンテナのように、あとから IP を大量に消費するサービスを置くサブネットは、予約分と増えたときの余裕を見込んで大きめに取っておくのが安全です。
サブネットマスク・CIDR の早見表(/16〜/32)
よく使う /16〜/32 のサブネットマスク・ワイルドカードマスク・アドレス数・使える台数の一覧です。/8 や /12 などもっと大きなものは、サブネット計算ツールの「早見表」タブで /0 から見られます。
| CIDR | サブネットマスク | ワイルドカードマスク | アドレス数 | 使える台数 |
|---|---|---|---|---|
| /16 | 255.255.0.0 | 0.0.255.255 | 65,536 | 65,534 |
| /17 | 255.255.128.0 | 0.0.127.255 | 32,768 | 32,766 |
| /18 | 255.255.192.0 | 0.0.63.255 | 16,384 | 16,382 |
| /19 | 255.255.224.0 | 0.0.31.255 | 8,192 | 8,190 |
| /20 | 255.255.240.0 | 0.0.15.255 | 4,096 | 4,094 |
| /21 | 255.255.248.0 | 0.0.7.255 | 2,048 | 2,046 |
| /22 | 255.255.252.0 | 0.0.3.255 | 1,024 | 1,022 |
| /23 | 255.255.254.0 | 0.0.1.255 | 512 | 510 |
| /24 | 255.255.255.0 | 0.0.0.255 | 256 | 254 |
| /25 | 255.255.255.128 | 0.0.0.127 | 128 | 126 |
| /26 | 255.255.255.192 | 0.0.0.63 | 64 | 62 |
| /27 | 255.255.255.224 | 0.0.0.31 | 32 | 30 |
| /28 | 255.255.255.240 | 0.0.0.15 | 16 | 14 |
| /29 | 255.255.255.248 | 0.0.0.7 | 8 | 6 |
| /30 | 255.255.255.252 | 0.0.0.3 | 4 | 2 |
| /31 | 255.255.255.254 | 0.0.0.1 | 2 | 2(RFC 3021) |
| /32 | 255.255.255.255 | 0.0.0.0 | 1 | 1(1 台だけを表す) |
プレフィックス長が 1 小さくなるとアドレス数は 2 倍、1 大きくなると半分になります。/24 の 256 を基準に、/23 は 512、/22 は 1,024、/25 は 128、/26 は 64 と、倍と半分で覚えると表を見なくても出せます。
必要な台数からプレフィックス長を決める
設計のときは逆向きの計算をします。必要な台数に 2(ネットワークとブロードキャスト)を足し、それ以上になる 2 のべき乗のうち最小のものがブロックの大きさです。プレフィックス長は 32 から、そのべき乗の指数を引いた数になります。
| 必要な台数 | 台数+ 2 | ブロックの大きさ | プレフィックス長 | 使える台数 |
|---|---|---|---|---|
| 30 台 | 32 | 32(2 の 5 乗) | /27 | 30 |
| 50 台 | 52 | 64(2 の 6 乗) | /26 | 62 |
| 100 台 | 102 | 128(2 の 7 乗) | /25 | 126 |
| 200 台 | 202 | 256(2 の 8 乗) | /24 | 254 |
| 500 台 | 502 | 512(2 の 9 乗) | /23 | 510 |
| 1,000 台 | 1,002 | 1,024(2 の 10 乗) | /22 | 1,022 |
30 台はちょうど /27 に収まりますが、ゲートウェイや増設の分を考えると余裕がありません。実際の設計では、いまの台数の 1.5〜2 倍を目安に決めると、あとで番号を振り直す手間を避けられます。クラウドでは足す数が 2 ではなく予約の個数(AWS・Azure は 5、Google Cloud は 4)になり、AWS で 11 台なら 11 + 5 = 16 で /28 です。
サブネットの分割:均等に分ける方法と VLSM
1 つのネットワークを同じ大きさに分けるときは、プレフィックス長を n ビット伸ばすと 2 の n 乗個に分かれます。192.168.1.0/24 を /26 にすると 2 ビット伸びるので 4 つになり、192.168.1.0/26・192.168.1.64/26・192.168.1.128/26・192.168.1.192/26 の 4 つで、それぞれ 62 台です。10.0.0.0/16 を /24 に分けると 8 ビット伸びて 256 個のサブネットになります。
部署やフロアごとに台数が違うときは、大きさの違うサブネットを割り当てる VLSM(可変長サブネットマスク)を使います。手順は「台数の多い順に、必要な大きさのブロックを先頭から詰める」だけです。大きいものから詰めると、ブロックの境界が必ずそろい、すき間が生まれません。
- 1
必要な台数を多い順に並べる
192.168.1.0/24 を、100 台・50 台・20 台・2 台(ルーター間)の 4 つに分ける例です。
- 2
それぞれのプレフィックス長を決める
100 台は /25(126 台)、50 台は /26(62 台)、20 台は /27(30 台)、2 台は /30(2 台)です。
- 3
先頭から詰めて割り当てる
192.168.1.0/25(.0〜.127)、192.168.1.128/26(.128〜.191)、192.168.1.192/27(.192〜.223)、192.168.1.224/30(.224〜.227)の順になります。
- 4
余りを確かめる
256 個のうち 228 個を使い、192.168.1.228 から後ろの 28 個が残ります。将来のセグメント用に取っておくか、最初から大きめに割り当てます。
| セグメント | 必要な台数 | サブネット | 使える範囲 | 使える台数 |
|---|---|---|---|---|
| A | 100 | 192.168.1.0/25 | 192.168.1.1〜192.168.1.126 | 126 |
| B | 50 | 192.168.1.128/26 | 192.168.1.129〜192.168.1.190 | 62 |
| C | 20 | 192.168.1.192/27 | 192.168.1.193〜192.168.1.222 | 30 |
| D | 2 | 192.168.1.224/30 | 192.168.1.225〜192.168.1.226 | 2 |
もう少し大きい例として、10.0.0.0/22 を 300 台・120 台・60 台・10 台に分けると、10.0.0.0/23(510 台)・10.0.2.0/25(126 台)・10.0.2.128/26(62 台)・10.0.2.192/28(14 台)になります。小さいものから詰めると、たとえば /28 のあとに /23 を置こうとしたときに境界が合わず、途中のアドレスが使えないまま無駄になります。
2 つの IP が同じサブネットに入るかの判定
「この機器に 192.168.1.130 を振ってつながるか」は、IP アドレスのネットワークアドレスが、そのサブネットのネットワークアドレスと一致するかで判断します。同じマスクで AND をとって同じ値になれば同じサブネット、違えば別のサブネットで、ルーターを通さないと通信できません。
- 192.168.1.100 は 192.168.1.0/25(.0〜.127)に入る。100 は 0〜127 のブロックの中
- 192.168.1.130 は 192.168.1.0/25 に入らない。128 から先は次のブロック 192.168.1.128/25
- 192.168.1.130 は 192.168.1.64/26(.64〜.127)にも入らない。/26 のブロック 128〜191 に属する
- 同じ 192.168.1.x でも、/24 なら同じサブネット、/25 や /26 なら別のサブネットになることがある
固定 IP を設定したのに通信できないときは、機器とゲートウェイのマスクが同じか、IP がネットワークアドレスやブロードキャストアドレスになっていないかを確かめてください。サブネット計算ツールの「この IP アドレスはこのサブネットに入る?」の欄に IP を入れると、入るかどうかをその場で判定します。
IP の範囲を CIDR に変換する・CIDR をまとめる
ファイアウォールのルールや AWS のセキュリティグループは、IP の範囲を「最初〜最後」ではなく CIDR で書くことがよくあります。範囲の両端がブロックの境界にそろっていれば CIDR 1 つで書けますが、そろっていなければ複数の CIDR に分かれます。
| 範囲 | CIDR | 数 |
|---|---|---|
| 192.168.0.0〜192.168.3.255 | 192.168.0.0/22 | 1 つ |
| 10.0.0.5〜10.0.0.20 | 10.0.0.5/32・10.0.0.6/31・10.0.0.8/29・10.0.0.16/30・10.0.0.20/32 | 5 つ |
| 192.168.1.1〜192.168.1.100 | /32・/31・/30・/29・/28・/27・/27・/30・/32 の組み合わせ | 9 つ |
変換の考え方は、範囲の先頭から「その位置から置けるいちばん大きなブロックで、範囲をはみ出さないもの」を順に取っていくことです。10.0.0.5 は奇数なので /32 しか置けず、次の 10.0.0.6 からは 2 個の /31、10.0.0.8 からは 8 個の /29、10.0.0.16 からは 4 個の /30、最後に 10.0.0.20 の /32 が残ります。手で数えると間違えやすいので、ルールに書く前に「範囲→CIDR・集約」タブで確かめるのが確実です。
反対に、複数の CIDR を 1 つにまとめるのが集約(スーパーネット・経路集約)です。192.168.0.0/24〜192.168.3.0/24 の 4 つは、ちょうど 192.168.0.0/22 になります。192.168.0.0/24 と 192.168.2.0/24 の 2 つは、すき間なくまとめると 2 つのままですが、両方を含む 1 つの経路にするなら 192.168.0.0/22 で、本来は含まない 192.168.1.0/24 と 192.168.3.0/24 まで入ります。経路集約でルーターに広告するときは、含めてしまう余分な範囲がほかで使われていないかを確かめてください。
ワイルドカードマスクの計算
ワイルドカードマスクは、サブネットマスクの 0 と 1 を反対にした値です。10 進数では、各オクテットを 255 から引けば求まります。/24 の 255.255.255.0 なら 0.0.0.255、/26 の 255.255.255.192 なら 0.0.0.63、/20 の 255.255.240.0 なら 0.0.15.255 です。
- Cisco の ACL:access-list 10 permit 192.168.1.64 0.0.0.63 で 192.168.1.64/26 を許可する
- OSPF の network コマンド:network 10.1.128.0 0.0.63.255 area 0 で 10.1.128.0/18 を指定する
- ワイルドカードマスクの値+ 1 は、区切りのオクテットでのブロックの大きさと同じ(63 + 1 = 64)
ワイルドカードマスクは本来、0 のビットを「一致させる」、1 のビットを「何でもよい」と読むもので、サブネットマスクのように 1 と 0 が連続していなくても書けます。ただし連続していない値は意図が読み取りにくく、設定の誤りも起きやすいので、ふつうはサブネットマスクを反転した形だけを使います。
プライベート IP アドレスと特別な用途の範囲
社内や家庭の LAN でサブネットを切るときは、インターネットで使われないプライベート IP アドレスの範囲から選びます。RFC 1918 で決められているのは次の 3 つです。
| 範囲 | CIDR | アドレス数 | よく使われる場面 |
|---|---|---|---|
| 10.0.0.0〜10.255.255.255 | 10.0.0.0/8 | 16,777,216 | 企業のネットワーク、クラウドの VPC |
| 172.16.0.0〜172.31.255.255 | 172.16.0.0/12 | 1,048,576 | 企業のネットワーク、Docker の既定のネットワーク |
| 192.168.0.0〜192.168.255.255 | 192.168.0.0/16 | 65,536 | 家庭用ルーター、小さなオフィス |
- 100.64.0.0/10:携帯回線などのキャリアグレード NAT(CGNAT)用。自分の LAN には使わない
- 169.254.0.0/16:リンクローカル。DHCP で IP を取れなかったときに機器が自分で付けるので、この番号が出たら DHCP の不調を疑う
- 127.0.0.0/8:ループバック。127.0.0.1 は自分自身
- 172.16.0.0/12 は 172.16〜172.31 まで。172.32.0.0 からはプライベートではない点に注意
拠点どうしを VPN でつないだり、クラウドの VPC とオンプレミスを接続したりする予定があるなら、それぞれのアドレス範囲が重ならないように最初から決めておくことが大切です。家庭用ルーターでよく使われる 192.168.0.0/24 や 192.168.1.0/24 は、在宅勤務の VPN と重なりやすい範囲です。
サブネット計算でよくある間違い
- ネットワークアドレスやブロードキャストアドレスを機器に振る:/26 の 192.168.1.64 や 192.168.1.127 は使えない。/24 の .0 と .255 だけが特別だと思い込まない
- 区切りより右のオクテットを残す:/20 のネットワークアドレスは 172.16.32.0 で、172.16.32.200 ではない
- ホスト数から 2 を引き忘れる:/27 は 32 個だが使えるのは 30 台。さらにゲートウェイの分も必要
- クラウドの予約を忘れる:AWS の /24 は 254 ではなく 251 個
- クラスで考える:10.x.x.x はクラス A だから /8、という決まりは今はない。CIDR ではどの範囲もプレフィックス長で自由に区切る
- VLSM を小さい順に詰める:境界が合わず、使えないすき間ができる
- マスクに 1 と 0 が混ざった値を書く:255.255.255.200 などはマスクとして無効
基本情報技術者試験や CCNA のサブネットの問題も、ほとんどはこの 7 つのどれかを確かめる形で出題されます。暗算で答えを出したら、ツールで同じ値になるかを確かめる練習を繰り返すと、ブロックの大きさの感覚が早く身につきます。なお、この記事とツールは IPv4 だけを扱っています。IPv6 はアドレスが 128 ビットで、LAN のサブネットはふつう /64 に固定するため、ホスト数を数える場面はほとんどありません。
よくある質問
- サブネットマスクからネットワークアドレスを求めるにはどうしますか?
- IP アドレスとサブネットマスクを 2 進数にして AND をとると、ネットワークアドレスになります。暗算なら、区切りのオクテットで 256 からマスクの値を引いてブロックの大きさを出し、その倍数のうち IP の値以下で最大のものを探します。192.168.1.100/26 なら、ブロックの大きさは 256 − 192 = 64 で、100 以下の 64 の倍数で最大の 64 を使い、ネットワークアドレスは 192.168.1.64 です。
- /26 や /27 だと何台つなげますか?
- /26 はアドレスが 64 個で、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた 62 台、/27 は 32 個で 30 台です。/24 は 254 台、/25 は 126 台、/28 は 14 台、/29 は 6 台、/30 は 2 台です。ルーター(デフォルトゲートウェイ)にも 1 つ使うので、パソコンやスマホに振れるのはさらに 1 個少なくなります。
- 255.255.255.224 は CIDR で /何ですか?
- /27 です。255 は 1 が 8 個なので、最初の 3 オクテットで 24 個、224 は 2 進数で 11100000 なので 1 が 3 個、合わせて 27 個です。最後のオクテットの値と 1 の数は、128 が 1、192 が 2、224 が 3、240 が 4、248 が 5、252 が 6、254 が 7 と対応しています。
- ブロードキャストアドレスはどう求めますか?
- ネットワークアドレスのホスト部(マスクが 0 の部分)をすべて 1 にしたアドレスです。暗算なら、ネットワークアドレスにブロックの大きさを足して 1 を引きます。172.16.45.200/20 なら、ネットワークアドレス 172.16.32.0 の第 3 オクテットに 16 を足して 1 を引いた 47、第 4 オクテットは 255 で、172.16.47.255 です。
- 必要な台数からサブネットマスクを決めるには?
- 必要な台数に 2 を足し、それ以上になる 2 のべき乗のうち最小のものがブロックの大きさです。50 台なら 52 以上の 64(2 の 6 乗)で、32 − 6 = /26(255.255.255.192)になります。500 台なら 512 で /23 です。クラウドでは 2 の代わりに予約の個数を足し、AWS なら 5 を足します。
- AWS のサブネットで使える IP アドレスはいくつですか?
- サブネットのアドレス数から 5 を引いた数です。AWS は先頭 4 個(ネットワークアドレス・VPC ルーター・DNS・将来用)と末尾 1 個を予約するので、/24 なら 251 個、/26 なら 59 個、いちばん小さい /28 なら 11 個です。Azure も 5 個、Google Cloud は 4 個を予約します。
- VLSM とは何ですか?
- 1 つのネットワークを、大きさの違うサブネットに分ける方法です(可変長サブネットマスク)。台数の多いセグメントから順に、必要な大きさのブロックを先頭から詰めて割り当てます。192.168.1.0/24 を 100 台・50 台・20 台・2 台に分けると、/25・/26・/27・/30 になり、192.168.1.228 から後ろの 28 個が残ります。
この記事で紹介したツール
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