ハーフのタイムからフルマラソンを予想|リーゲルの式の計算と補正のしかた
初めてのフルマラソンで目標タイムを決めるとき、手がかりになるのがハーフマラソンや10kmレースのタイムです。単純に「ハーフ×2」にすると、多くの人は実際より速すぎる予想になります。距離が延びるとペースは落ちるからです。この記事では、ハーフや10kmのタイムからフルマラソンを予想するリーゲルの式のしくみと計算方法、ハーフ・10kmのタイム別の予想早見表、初フルや走り込みが少ない人向けの補正のしかた、予想タイムを目標に落とし込むときの考え方を解説します。
ハーフ×2では速すぎる理由
ハーフマラソンを1時間45分で走れた人が、フルマラソンを3時間30分で走れるかというと、ほとんどの場合は難しいでしょう。距離が2倍になると、エネルギー源になる糖の不足、脚の筋肉の疲労、体温の上昇などが重なり、同じペースを保てなくなるからです。
距離とタイムの関係は比例ではなく、距離が延びるほどタイムは比例より少し多めに延びます。この関係を簡単な式で表したのが、アメリカの技術者ピーター・リーゲルが1970年代に発表した「リーゲルの式」です。ランニング用の予想タイム計算でよく使われています。
リーゲルの式のしくみと計算方法
1.06という係数は「距離が2倍になると、ペースは約4%落ちる」ことを意味します(2^1.06÷2≒1.042)。10kmからフルなら距離の比は4.2195で、4.2195^1.06≒4.60倍です。10kmを50分で走れる人の予想は、50分×4.60=約3時間50分になります。
- 1
最近のレースのタイムを用意する
できれば直近2〜3か月以内に、全力で走ったハーフや10kmの公式タイムを使います。練習のタイムより、レースのタイムのほうが正確です。
- 2
距離の比を出す
フルの距離42.195kmを、走った距離で割ります。ハーフなら2、10kmなら4.2195、5kmなら8.439です。
- 3
比を1.06乗してタイムにかける
スマートフォンの関数電卓で「2 xʸ 1.06」のように計算し、走ったタイム(秒)にかけます。
ハーフ・10kmのタイム別 フルマラソン予想早見表
係数1.06(標準)に加えて、走り込みが少ない人向けに1.08・1.10で計算した予想も並べました。
| 走ったタイム | 係数 1.06 | 係数 1.08 | 係数 1.10 |
|---|---|---|---|
| ハーフ 1:30:00 | 3:07:39 | 3:10:16 | 3:12:55 |
| ハーフ 1:45:00 | 3:38:55 | 3:41:58 | 3:45:04 |
| ハーフ 2:00:00 | 4:10:12 | 4:13:41 | 4:17:14 |
| ハーフ 2:15:00 | 4:41:28 | 4:45:24 | 4:49:23 |
| 10km 45:00 | 3:27:01 | 3:33:03 | 3:39:17 |
| 10km 50:00 | 3:50:01 | 3:56:44 | 4:03:39 |
| 10km 60:00 | 4:36:01 | 4:44:05 | 4:52:22 |
逆算すると、係数1.06でサブ4に必要なのはハーフ約1時間55分、10km約52分です。係数を1.10にすると、ハーフ約1時間52分、10km約49分が必要になります。サブ3.5ならハーフ約1時間40分(1.06)〜1時間38分(1.10)、サブ5ならハーフ約2時間24分(1.06)〜2時間20分(1.10)がめやすです。
初フル・走り込み不足なら係数を1.08〜1.10に
リーゲルの式の1.06は、どちらの距離にも十分な練習を積んだランナーのデータから導かれた値です。フルマラソンは、ハーフまでとは違って30km以降の失速が起きやすく、練習量が足りないと予想よりかなり遅くなります。
- フルマラソンに向けて30km走などの長い練習を何度もこなしている:1.06
- 月間走行距離が150km前後で、フルは2回目以降:1.07〜1.08
- 初めてのフルマラソン、または月間100km未満:1.08〜1.10
- 5kmや10kmのタイムから予想する:距離が離れるほど誤差が大きいので、1.08以上が無難
マラソン ペースバンド メーカーで予想して、ペースバンドにする
マラソン ペースバンド メーカーの「タイム予想・トラック」タブで、走った距離(1500m・3km・5km・10km・ハーフ・30km)とタイムを入れると、ほかの距離の予想タイムとキロ何分が一覧で出ます。係数は1.06から変えられるので、初フルなら1.08や1.10にして比べてみてください。
目標タイムが決まったら、「ラップ表・関門」タブで1kmごとの通過タイムを作り、ペースバンドとして印刷できます。目標ごとのキロ何分はサブ3〜サブ6のペース表にまとめています。
よくある質問
- ハーフのタイムからフルマラソンのタイムを予想するには?
- リーゲルの式でフル=ハーフのタイム×2^1.06(約2.085倍)と計算します。ハーフ1時間45分ならフル約3時間38分55秒、ハーフ2時間ならフル約4時間10分12秒です。
- サブ4にはハーフで何分必要ですか?
- リーゲルの式(係数1.06)で逆算すると、ハーフ約1時間55分が必要です。初フルや走り込みが少ない場合は係数を1.10にして、ハーフ約1時間52分を目安にすると現実に近くなります。
- 10kmのタイムからフルマラソンを予想できますか?
- フル=10kmのタイム×4.2195^1.06(約4.60倍)で予想できます。10km 50分ならフル約3時間50分です。ただ距離が離れているぶん誤差が大きく、係数1.08〜1.10で計算した遅めのタイム(約3時間57分〜4時間4分)のほうが現実的です。
- リーゲルの式の1.06とは何ですか?
- 距離が延びたときにペースがどれだけ落ちるかを表す係数です。1.06なら距離が2倍になるとペースが約4%落ちる計算になります。練習量が少ない人ほど落ち方が大きいので、1.08〜1.10にすると予想が現実に近づきます。
この記事で紹介したツール
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