引き出し箱(マッチ箱)の展開図と作り方|外箱(スリーブ)を何ミリ大きくするかの計算
外箱(スリーブ)に中箱(トレー)を差し込む引き出し箱は、マッチ箱でおなじみの形です。小物入れやアクセサリーのギフト、名刺入れ、ミニチェストまで応用がききますが、手作りすると「トレーが入らない」「ゆるくて勝手に滑り出る」となりやすく、その分かれ目は外箱の寸法をトレーより何ミリ大きくするかにあります。この記事では、トレーと外箱の寸法の関係と計算式、紙の厚みごとの早見表、すき間の決め方、トレーと外箱の展開図の形と大きさ、作り方と引き出しやすくする工夫、マッチ箱サイズや名刺の引き出し箱などのサイズ例、A4 やはがきで作れる大きさまでをまとめます。
引き出し箱の仕組み:トレーとスリーブ
引き出し箱は 2 つの部品でできています。中身を入れる「トレー(中箱・内箱)」は、底と 4 つの壁でできた蓋のない箱です。それを包む「スリーブ(外箱)」は、上・横・下・横の 4 面をぐるりと 1 周させた両端が開いた筒で、のりしろ 1 か所で貼ります。
- トレー:かぶせ蓋の箱の身と同じ十字形の展開図。前後の壁の両端の台形ののりしろを、横の壁の内側に貼ります。
- スリーブ:4 つの長方形を横一列に並べ、端にのりしろをつけた展開図。長さ(奥行方向)はトレーの外寸と同じです。
決めるのはトレーの内寸(幅・奥行・高さ)だけで、スリーブの寸法はそこから計算で決まります。順番を逆にして、スリーブから先に作ると、トレーの寸法合わせが難しくなるので注意してください。
外箱(スリーブ)はトレーより何ミリ大きくする?
スリーブの内側にはトレーがまるごと入るので、スリーブの内寸はトレーの外寸にすき間を足した大きさにします。ここで気をつけたいのが、幅と高さで足す紙の厚みの量が違うことです。トレーの幅方向には左右 2 枚の壁がありますが、高さ方向は蓋がなく、底の 1 枚ぶんしか厚みがありません。
| 紙 | 厚み | スリーブの内寸(トレー 34×50×14mm・すき間 1mm) | トレーの内寸との差(幅/高さ) |
|---|---|---|---|
| コピー用紙 | 0.1mm | 35.2 × 15.1mm・長さ 50.2mm | +1.2mm/+1.1mm |
| 画用紙 | 0.2mm | 35.4 × 15.2mm・長さ 50.4mm | +1.4mm/+1.2mm |
| ケント紙 | 0.25mm | 35.5 × 15.3mm・長さ 50.5mm | +1.5mm/+1.25mm |
| 厚口の画用紙 | 0.35mm | 35.7 × 15.4mm・長さ 50.7mm | +1.7mm/+1.35mm |
| 工作用紙 | 0.45mm | 35.9 × 15.5mm・長さ 50.9mm | +1.9mm/+1.45mm |
幅の計算は、かぶせ蓋の箱で蓋を身より大きくするときとまったく同じ考え方です。蓋の場合はかぶせ蓋の箱の作り方|蓋は身より何ミリ大きく?で、紙の厚みごとの早見表をのせています。
すき間の決め方
- 0.5mm:きつめ。逆さにしてもトレーが落ちにくい。精度よく作れたときや、中身を落としたくないときに。
- 1mm:標準。指で押すとすっと出て、勝手には滑り出にくい。まずはここから。
- 1.5〜2mm:ゆるめ。厚い紙、表面に包装紙や布を貼る場合、湿気でふくらみやすい場所で使う場合に。
引き出し箱はかぶせ蓋より接している面が広いので、同じすき間でも少しきつく感じます。とくに長さ(奥行)が長い箱は、途中で引っかかりやすくなります。まず 1mm で作り、トレーが途中で止まるなら 0.5mm 大きく、出し入れのたびにカタカタ動くなら 0.5mm 小さくして作り直してください。作り直すのはスリーブだけで済みます。
サイズ例と展開図の大きさ
ケント紙(0.25mm)・のりしろ 10mm・すき間 1mm で計算した例です。展開図の大きさは、トレーとスリーブそれぞれの外形です。
| 用途 | トレーの内寸 | トレーの展開図 | スリーブの展開図 | 印刷 |
|---|---|---|---|---|
| マッチ箱サイズの小物入れ | 34 × 50 × 14mm | 62.8 × 78.8mm | 112.6 × 50.5mm | A4・B5 は 1 枚、はがきは 2 枚 |
| 名刺の引き出し箱 | 58 × 94 × 25mm | 108.8 × 144.8mm | 182.6 × 94.5mm | A4 は 1 枚、B5 は 2 枚 |
| トレカ(スリーブ入り)の箱 | 70 × 96 × 35mm | 140.8 × 166.8mm | 226.6 × 96.5mm | A4 は 2 枚、A3・B4 は 1 枚 |
マッチ箱サイズの箱は、トレーとスリーブを並べても A4 の 6 分の 1 ほどしか使いません。同じ形のまま大きくしても A4 1 枚に両方を並べられるのは 65×95×26mm まで、立方体なら一辺 48mm までです。スリーブは「幅×2+高さ×2+のりしろ」と横に長くなるので、平たい箱ほど用紙に収めやすくなります。
作り方
- 1
トレーとスリーブを切り抜く
実線で切ります。スリーブは長い直線が多いので、カッターと金属の定規を使うとまっすぐ切れます。
- 2
トレーを組み立てる
点線に筋を入れて壁を立て、前後の壁の台形ののりしろを横の壁の内側に貼ります。乾くまで角をクリップで挟みます。
- 3
スリーブを筒にする
4 つの面の境目を山折りし、のりしろを「上」の面の端の内側に貼ります。角が直角になるよう、組み上げたトレーを中に入れた状態で貼ると形が整います(のりがトレーにつかないよう注意)。
- 4
差し込んで動きを確かめる
のりが乾いたらトレーを出し入れしてみます。引っかかる場合は、スリーブの角の折り線が外にずれていないか確かめます。
引き出しやすくする工夫と応用
- リボンの引き手:トレーの前の壁の外側に、短く折ったリボンや革ひもを貼ります。トレーを組み立てる前に、壁の内側から差し込んで貼るときれいです。
- 半円の指穴:スリーブの両端の横の面に、半径 6〜8mm の半円を切り欠くと、指でトレーを押し出せます。マッチ箱と同じように、反対側から押すだけでも出せます。
- トレーの前の壁に切り欠き:トレーの前の壁の上の縁を浅く半円に切ると、中身をつまみ出しやすくなります。
- ミニチェスト:同じ大きさの引き出し箱を 3〜4 個作り、スリーブどうしを両面テープで積み重ねて貼ると、小さな引き出しの棚になります。上から下まで同じ寸法で作れるよう、設定を保存しておくと便利です。
箱の展開図メーカーで「引き出し箱」を選ぶと、トレーの内寸を入れるだけでスリーブの内寸を自動で計算し、2 つの展開図を並べて実寸で印刷できます。寸法は URL に入るので、同じ箱をあとで作り直すときも数字を入れ直す必要がありません。紙の厚みと内寸・外寸の基本は箱の展開図の書き方、名刺やカードを入れる箱の寸法はトレカ・トランプ・名刺の箱を紙で手作りも参考にしてください。
よくある質問
- 引き出し箱の外箱は中箱より何ミリ大きくすればいいですか?
- 外箱(スリーブ)の内寸を、幅は「中箱の内寸+紙の厚み×2+すき間」、高さは「中箱の内寸+紙の厚み+すき間」にします。ケント紙(0.25mm)ですき間 1mm なら、幅で 1.5mm、高さで 1.25mm 大きくするのが目安です。
- マッチ箱の展開図はどんな形ですか?
- 中箱は底の四方に壁がついた十字形、外箱は 4 つの長方形を横一列に並べて端にのりしろをつけた形です。外箱の長さは中箱の外側の奥行と同じにします。
- 引き出し箱の中箱がきつくて入りません
- すき間が足りないか、紙の厚みを計算に入れていない可能性があります。スリーブだけをすき間 0.5mm 大きくして作り直してください。途中で止まる場合は、スリーブの角の折り線がずれて内側が狭くなっていないか確かめます。
- 引き出し箱に引き手をつけるには?
- 中箱の前の壁に短く折ったリボンを貼るか、外箱の両端の横の面に半円の指穴を切り欠く方法が簡単です。指穴なら反対側から押してトレーを出せます。
- はがき1枚でマッチ箱は作れますか?
- 内寸 34×50×14mm のマッチ箱サイズなら、中箱と外箱を別々のはがきに印刷すれば作れます(2 枚)。1 枚に両方を並べるなら、内寸 26×38×10mm くらいまでの小さな箱になります。
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