日の出・日の入りの方角|夏至と冬至で真東・真西からどれだけずれるか
「太陽は東から昇って西に沈む」と習いますが、真東から昇って真西に沈むのは春分と秋分のころだけです。夏は北東寄りから昇って北西寄りに沈み、冬は南東寄りから昇って南西寄りに沈みます。この記事では、日の出・日の入りの方角が季節でどれだけ動くのか、都市ごとの違い、月ごとの方角と時刻の早見表、方角を求める式、日の出がいちばん早い日が夏至ではない理由、初日の出や部屋選び・写真への使い方をまとめます。
日の出・日の入りの方角は季節で約60°動く
東京で日の出の方角を1年間追いかけると、春分(3月20日ごろ)にほぼ真東から昇った太陽は、日ごとに北へずれていき、夏至(6月21日ごろ)には真東から北へ約 30° の東北東寄りから昇ります。そこから南へ戻り、秋分(9月23日ごろ)にまたほぼ真東、冬至(12月22日ごろ)には真東から南へ約 29° の東南東寄りから昇ります。
| 日(2026年) | 日の出(東京) | 日の出の方角 | 日の入り | 日の入りの方角 |
|---|---|---|---|---|
| 春分 3月20日 | 5:46 | ほぼ真東 | 17:53 | ほぼ真西 |
| 夏至 6月21日 | 4:26 | 真東から北へ 30° | 19:00 | 真西から北へ 30° |
| 秋分 9月23日 | 5:30 | 真東から北へ 1° | 17:37 | ほぼ真西 |
| 冬至 12月22日 | 6:47 | 真東から南へ 29° | 16:32 | 真西から南へ 29° |
日の入りの方角も同じように動きます。夏は真西より北、冬は真西より南に沈むので、1年で日の出の方角は北と南の間を約 59°、日の入りも約 59° 行き来します。窓から見える日の出・夕日の位置が季節で大きく変わるのはこのためです。
北の地域ほど方角のずれは大きい
日の出・日の入りの方角のずれは、緯度が高い(北にある)ほど大きくなります。太陽の位置・影の長さ計算で、2026年の夏至と冬至の値を都市ごとに出しました。
| 都市 | 夏至の日の出 | 夏至の方角 | 冬至の日の出 | 冬至の方角 | 冬至の日の入り |
|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 3:55 | 真東から北へ 34° | 7:03 | 真東から南へ 32° | 16:03 |
| 仙台 | 4:13 | 真東から北へ 31° | 6:50 | 真東から南へ 30° | 16:20 |
| 東京 | 4:26 | 真東から北へ 30° | 6:47 | 真東から南へ 29° | 16:32 |
| 名古屋 | 4:38 | 真東から北へ 30° | 6:57 | 真東から南へ 28° | 16:44 |
| 大阪 | 4:45 | 真東から北へ 30° | 7:01 | 真東から南へ 28° | 16:51 |
| 福岡 | 5:08 | 真東から北へ 29° | 7:19 | 真東から南へ 28° | 17:14 |
| 鹿児島 | 5:13 | 真東から北へ 28° | 7:13 | 真東から南へ 27° | 17:19 |
| 那覇 | 5:38 | 真東から北へ 27° | 7:13 | 真東から南へ 26° | 17:43 |
札幌と那覇では、夏至の日の出の方角が 7° 違います。また、どの都市でも夏至のずれのほうが冬至のずれより 1〜2° 大きくなっています。これは、日の出を「太陽の上の端が地平線に接した瞬間」としていて、そのとき太陽の中心はまだ地平線の 0.83° 下にあるためです。日本では太陽は南へ傾きながら斜めに昇るので、より低い位置で日の出とみなす分だけ、方角は季節にかかわらず少し北へ寄ります。その結果、夏至は北へのずれが大きく、冬至は南へのずれが小さくなります。
月ごとの日の出・日の入りの方角と時刻(東京)
東京の各月21日の日の出・日の入りの時刻と方角、昼の長さです(2026年、太陽の位置・影の長さ計算の値)。
| 月(21日) | 日の出 | 日の出の方角 | 日の入り | 日の入りの方角 | 昼の長さ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 6:48 | 真東から南へ 24° | 16:57 | 真西から南へ 24° | 10時間8分 |
| 2月 | 6:22 | 真東から南へ 13° | 17:28 | 真西から南へ 12° | 11時間7分 |
| 3月 | 5:44 | 真東から北へ 1° | 17:53 | 真西から北へ 1° | 12時間9分 |
| 4月 | 5:02 | 真東から北へ 15° | 18:19 | 真西から北へ 15° | 13時間18分 |
| 5月 | 4:32 | 真東から北へ 26° | 18:44 | 真西から北へ 26° | 14時間11分 |
| 6月 | 4:26 | 真東から北へ 30° | 19:00 | 真西から北へ 30° | 14時間35分 |
| 7月 | 4:41 | 真東から北へ 26° | 18:54 | 真西から北へ 26° | 14時間14分 |
| 8月 | 5:04 | 真東から北へ 16° | 18:24 | 真西から北へ 16° | 13時間19分 |
| 9月 | 5:28 | 真東から北へ 2° | 17:40 | 真西から北へ 1° | 12時間12分 |
| 10月 | 5:53 | 真東から南へ 12° | 16:59 | 真西から南へ 13° | 11時間6分 |
| 11月 | 6:22 | 真東から南へ 24° | 16:31 | 真西から南へ 24° | 10時間9分 |
| 12月 | 6:47 | 真東から南へ 29° | 16:31 | 真西から南へ 29° | 9時間44分 |
方角がいちばん速く動くのは春分・秋分の前後で、1か月で約 14° 動きます。1日あたりにすると約 0.5° で、太陽の見かけの大きさ(約 0.5°)と同じくらいです。毎日同じ場所から日の出を見ると、春と秋は1日で太陽1個分ずつ位置が変わっていきます。反対に夏至・冬至の前後は動きが止まったように見えます。「至」には「きわまる」という意味があり、日の出の位置が北(南)の端で折り返す日です。
春分の日の昼の長さが12時間ちょうどではなく 12時間7分ほどあるのも、日の出・日の入りを太陽の上の端で数えているためと、大気で光が曲がって太陽が実際より少し高く見えるためです。昼と夜の長さがほぼ同じになるのは、春分の数日前と秋分の数日後です。
日の出の方角を求める式
大気による光の曲がりと太陽の大きさを無視すると、日の出の方角が真東からどれだけずれるかは、太陽の赤緯(季節で −23.4°〜+23.4° に変わる角度)と、その場所の緯度から次の式で求められます。
- 1
赤緯を決める
夏至・冬至なら ±23.44°、春分・秋分なら 0° です。
- 2
緯度の cos を出す
東京(北緯 35.69°)なら cos 35.69° ≒ 0.812 です。
- 3
式に当てはめる
sin 23.44° ≒ 0.398 なので、0.398 ÷ 0.812 ≒ 0.490。sin が 0.490 になる角度は約 29.3° です。
- 4
大気と太陽の大きさの分を考える
実際の日の出は太陽の中心が地平線の 0.83° 下にあるときなので、ツールの値は夏至で約 30°、冬至で約 29° と、式の 29.3° より夏は大きく冬は小さくなります。
式の分母が cos(緯度)なので、緯度が高くなるほど分母が小さくなり、ずれは大きくなります。札幌(北緯 43.1°)では式の値が約 33.0°、那覇(26.2°)では約 26.3° です。さらに北へ行くと、北緯 66.6° より北では夏至に太陽が沈まない白夜になります。
日の出がいちばん早い日は夏至ではない
昼がいちばん長いのは夏至ですが、日の出がいちばん早い日と日の入りがいちばん遅い日は、夏至とは少しずれます。東京の2026年の値は次のとおりです。
| 項目 | 日付 | 時刻 |
|---|---|---|
| 日の出がいちばん早い | 6月13日ごろ | 4:25 |
| 昼がいちばん長い(夏至) | 6月21日 | 4:26〜19:00 |
| 日の入りがいちばん遅い | 6月29日ごろ | 19:01 |
| 日の入りがいちばん早い | 12月6日ごろ | 16:28 |
| 昼がいちばん短い(冬至) | 12月22日 | 6:47〜16:32 |
| 日の出がいちばん遅い | 1月7日ごろ | 6:52 |
このずれは、太陽が真南に来る南中の時刻が季節で前後する「均時差」によるものです。夏至や冬至のころは南中の時刻が日ごとに遅くなっていくため、日の出と日の入りの時刻が両方とも後ろへずれていきます。そのため、日の出は夏至より前に、日の入りは夏至より後にいちばん早い・遅い日を迎えます。冬至でも同じことが起きていて、冬至を過ぎても朝はしばらく暗いままです。
日の出・日の入りの方角の使い道
- 初日の出を見る場所を選ぶ:東京の2027年1月1日の日の出は 6時51分、方角は真東から南へ 28°(東南東寄り)。その方角が開けている場所を探す
- 部屋選び:東向きの部屋に朝日が真正面から入るのは春分・秋分のころ。夏は北東寄り、冬は南東寄りから差し込む
- 夕日の写真:海や山に沈む夕日を撮るなら、日の入りの方角と、その前後のマジックアワーの時間をあわせて調べる
- 家庭菜園やベランダ:夏の西日がどこまで入るかは、日の入りの方角(真西から北へ 30°)で見当がつく
スマートフォンのコンパスで方角を測るときは、コンパスが指すのは磁北で、日本では真北より西へ 5〜10° ずれていることに注意してください。直し方は真北と磁北の違いで解説しています。夕日の撮影に向いた時間はマジックアワーの時間、太陽の高さの季節変化は南中高度の求め方にまとめています。
よくある質問
- 夏至と冬至で日の出の方角はどれくらい違いますか?
- 東京では、夏至は真東から北へ約 30°、冬至は真東から南へ約 29° の方角から昇るので、その差は約 59° です。札幌では北へ 34°・南へ 32° と、北の地域ほど差が大きくなります。
- 太陽が真東から昇るのはいつですか?
- 春分(3月20日ごろ)と秋分(9月23日ごろ)のころです。日の出・日の入りを太陽の上の端で数えるため、厳密には春分・秋分の日の日の出は真東よりわずかに北寄り(1° 未満)になります。
- 日の出の方角はどうやって計算しますか?
- sin(真東からのずれ)= sin(赤緯)÷ cos(緯度)で求めます。東京の夏至なら sin 23.44° ÷ cos 35.69° ≒ 0.490 で、ずれは約 29.3° です。実際の日の出は大気による光の曲がりなどで夏は少し北寄りになり、ツールでは約 30° と表示されます。
- 初日の出はどの方角から昇りますか?
- 東京の2027年1月1日は 6時51分ごろ、真東から南へ約 28° の方角(東南東寄り)です。冬至から10日ほどしかたっていないので、冬至とほぼ同じ方角から昇ります。
- 日の出がいちばん早いのは夏至の日ですか?
- いいえ。東京では6月13日ごろ(4時25分)がいちばん早く、夏至の6月21日は4時26分です。日の入りがいちばん遅いのは6月29日ごろ(19時01分)です。均時差によって南中の時刻が季節で前後するためです。
この記事で紹介したツール
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