食パン型の生地量の計算|1斤・1.5斤・2斤型に何g?比容積と容量の早見表
食パン型に入れる生地が多すぎるとふたを押し上げて角がとがり、少なすぎると角が丸く、上まで届かない山になります。型に合う生地の量は、「型の容量÷比容積」という簡単な式で決まります。この記事では、比容積とは何か、角食パン・山型食パンでの比容積のめやす、手持ちの型の容量を内寸や水で測る方法、1斤・1.5斤・2斤型の容量別の生地量早見表、山型で分割するときの1個の重さ、生地量から配合を決める方法までを解説します。
比容積とは|パンのふくらみ具合を表す数字
比容積(ひようせき)は、焼き上がったパンの体積を、型に入れた生地の重さで割った数字です。生地1gが焼き上がったときに何mlになるかを表していて、大きいほどふんわり軽く、小さいほど詰まったずっしりした食感になります。
食パン型で焼くパンは、型の中いっぱいにふくらむので、焼き上がりの体積はほぼ型の容量と同じになります。そのため、比容積を決めれば、型に入れるべき生地の量が逆算できます。
| 焼き方 | 比容積のめやす | ツールの初期値 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 角食パン(ふたをする) | 3.6〜4.0 | 3.8 | ふたで押さえて四角く焼く |
| 山型食パン(ふたなし) | 4.0〜4.5 | 4.2 | 上に伸びるので生地は少なめ |
| ふんわり軽い食パン | 4.5前後 | 4.5 | 大きくふくらませたいとき |
| もっちり詰まった食パン・ブリオッシュ | 3.0〜3.5 | 3.3 | 生地を多めに入れる |
山型食パンのほうが比容積が大きいのは、ふたがないので型の上にはみ出して大きくふくらむからです。同じ型でも、山型は角食より生地を少なめに入れます。
型に入れる生地量の計算式
たとえば内寸が上19.5×9.5cm・底18.5×9cm・高さ9.5cmの1斤型は、容量が約1,670mlです。角食パン(3.8)なら約439g、山型食パン(4.2)なら約398g、ふんわりさせたい(4.5)なら約371g、もっちりさせたい(3.3)なら約506gが入れる生地量のめやすです。
レシピに書かれた生地量が自分の型に合わないときも、この式で調整できます。レシピが「1斤型で生地450g」でも、自分の型の容量が2,000mlなら、角食で約526gが必要です。型の大きさはメーカーで違うので、「1斤型」という名前だけで判断せず、容量で考えるのが確実です。
型の容量の測り方|内寸から計算する・水で量る
型の容量がパッケージに書かれていないときは、自分で測ります。方法は2つあります。
- 1
水で量る(いちばん正確)
型をポリ袋で覆って内側に沿わせ、はかりにのせて0にしてから、縁まで水を入れます。水の重さ(g)がそのまま容量(ml)です。ポリ袋を使えば、つなぎ目から水が漏れる型や、テフロン加工の型でも安心して測れます。
- 2
内寸から計算する
上の長さ・上の幅・底の長さ・底の幅・高さを、型の内側で測ります。食パン型は上が少し広い形なので、上と底の平均をとる擬角柱の公式で、容量=高さ÷6×(上の面積+底の面積+4×中間の面積)として計算します。中間の面積は、上と底の長さの平均×幅の平均です。
上の大きさだけで「長さ×幅×高さ」と計算すると、上19.5×9.5cm・高さ9.5cmの型で約1,760mlになり、実際の約1,670mlより90mlほど多く出ます。生地量にすると角食で約24gの差なので、上と底の両方を測るほうが正確です。測るのが面倒なら、水で量る方法がおすすめです。
容量別の生地量早見表|1斤・1.5斤・2斤型
食パン型の容量は、1斤型で1,700ml前後、1.5斤型で2,400ml前後、2斤型で3,000〜3,400ml前後のものが多く見られます。ただしメーカーや形(スリム型・正方形の型など)で差が大きいので、手持ちの型の容量に近い行を見てください。
| 型の容量 | おもな型 | 角食(3.8) | 山食(4.2) | ふんわり(4.5) | もっちり(3.3) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,700ml | 1斤型 | 約447g | 約405g | 約378g | 約515g |
| 2,000ml | 大きめの1斤型 | 約526g | 約476g | 約444g | 約606g |
| 2,400ml | 1.5斤型 | 約632g | 約571g | 約533g | 約727g |
| 3,000ml | 2斤型(小さめ) | 約789g | 約714g | 約667g | 約909g |
| 3,400ml | 2斤型 | 約895g | 約810g | 約756g | 約1,030g |
たとえば内寸が上20.5×10.5cm・底19.5×10cm・高さ12cmの型は容量が約2,460mlで、角食なら約648g、山食なら約586gです。上24.5×10.5cm・底23.5×10cm・高さ12cmの型は約2,950mlで、角食なら約777g、山食なら約703gになります。
角食と山食で生地量を変える理由と、分割の重さ
角食パンはふたをして焼くので、生地量が型に合っていないと形にすぐ表れます。山型食パンは上に逃げられるぶん、多少の差は山の高さで吸収されます。
| 焼き方 | 生地が多すぎるとき | 生地が少なすぎるとき |
|---|---|---|
| 角食パン | ふたを押し上げて角がとがる、側面が硬く詰まる、ふたのすき間から生地がはみ出す | 角が丸くなる、上面に焼き色がつかない、中が詰まらずパサつく |
| 山型食パン | 山が大きく割れる、横に流れて腰折れしやすい | 山が低い、型の縁に届かない |
山型食パンは、生地を2つや3つに分割して丸め、型に並べて焼くことが多くあります。容量約1,670mlの1斤型で山食(約398g)なら、2山で1個約199g、3山で1個約133gです。分割するときは、生地の合計を個数で割った重さにそろえると、山の高さがそろいます。
- 角食は、発酵で生地が型の8割ほどの高さになったらふたをして焼くのがめやす
- ふたをする型は、ふたにも薄く油を塗っておくと外しやすい
- 比容積を少しずつ変えて焼き比べ、好みの食感になる値を見つけて記録しておくと、型が変わっても再現できる
生地量から配合(材料のg)を決める
型に入れる生地量がわかったら、ベーカーズパーセントの配合の合計で割って、粉の量を出します。粉の量=生地量×(1+ロス%÷100)÷配合の%の合計×100です。
強力粉100%・砂糖6%・塩2%・スキムミルク3%・インスタントドライイースト1.5%・バター6%・水68%(合計186.5%)の食パンで、容量約1,670mlの1斤型に山食(約398g)を焼く場合、ロス3%を見込むと粉は約220gです。このとき砂糖13g・塩4.4g・スキムミルク6.6g・イースト3.3g・バター13g・水149gになります。同じ型で角食(約439g)にするなら、粉は約242g、水は約165gです。
生地量から配合を出す計算のくわしい手順はベーカーズパーセントの計算方法で解説しています。丸型やパウンド型など、ケーキの型のサイズを変えるときの分量の考え方はパウンド型のサイズと換算も参考になります。
焼き上がりで生地量を見直すサイン
比容積のめやすで焼いても、粉の種類や発酵の具合で仕上がりは少しずつ変わります。焼き上がったパンの形を見て、次回の生地量(比容積)を調整しましょう。生地量の失敗に見えて、実は発酵や焼き時間が原因のこともあるので、あわせて確かめます。
| 焼き上がりの状態 | 生地量で考えられる原因 | ほかに考えられる原因 |
|---|---|---|
| 角食の角が丸い・上面が白い | 生地が少ない(比容積が大きすぎる) | ふたをするのが早すぎる、最終発酵が足りない |
| 角食の角がとがる・ふたが浮く | 生地が多い(比容積が小さすぎる) | 最終発酵のとりすぎ |
| 側面が内側にへこむ(腰折れ) | 生地が多すぎて中まで焼けていない | 焼き時間が短い、型から出すのが遅い、発酵のとりすぎ |
| 中が詰まって重い | 生地が多い | 捏ね上げ温度が低く発酵不足、こね不足 |
| 山食の山が低く横に流れる | 生地が少ない | 生地がやわらかすぎる(加水率が高い)、成形がゆるい |
生地量を変えるときは、比容積を0.2ずつ動かすのがわかりやすい方法です。容量約1,670mlの1斤型なら、角食の比容積を3.8から3.6にすると生地量は約439gから約464gへ約25g増え、4.0にすると約418gへ約21g減ります。一度に大きく変えず、0.2ずつ焼き比べると、自分の型とオーブンに合う値が見つかります。
パン作り 計算で型の生地量を出す
パン作り 計算の「食パン型と生地量」タブで、型の上の長さ・上の幅・底の長さ・底の幅・高さを入れるか、水で量った容量を直接入れ、焼き方(比容積)を選ぶと、型の容量と型に入れる生地量が表示されます。比容積は数字を直接入れて変えることもできます。
「この生地量で配合表を作る」を押すと、「ベーカーズ% 配合表」タブに生地量が入り、そのまま全材料のgが出ます。こね始める前に、仕込み水を何℃にすればよいかも「仕込み水の温度」タブで確かめてください(捏ね上げ温度の計算式を参照)。
よくある質問
- 食パン型に入れる生地量はどうやって計算しますか?
- 型に入れる生地量=型の容量÷比容積です。容量1,700mlの1斤型なら、角食パン(比容積3.8)で約447g、山型食パン(4.2)で約405gがめやすです。型の容量は内寸から計算するか、水を入れて量ります。
- 比容積とは何ですか?
- 焼き上がったパンの体積を、型に入れた生地の重さで割った数字です。生地1gが何mlにふくらむかを表し、角食パンで3.6〜4.0、山型食パンで4.0〜4.5がめやすです。大きいほどふんわり、小さいほど詰まった食感になります。
- 1.5斤型には何gの生地を入れればよいですか?
- 容量2,400ml前後の1.5斤型なら、角食パンで約632g、山型食パンで約571gがめやすです。1.5斤型はメーカーによって大きさの差が大きいので、手持ちの型の容量を測ってから計算してください。
- 2斤型には何gの生地を入れればよいですか?
- 容量3,400ml前後の2斤型なら、角食パンで約895g、山型食パンで約810gです。容量3,000mlの小さめの2斤型なら、角食で約789g、山食で約714gになります。
- 食パン型の容量はどうやって測りますか?
- 型をポリ袋で覆ってはかりにのせ、0にしてから縁まで水を入れます。水の重さ(g)がそのまま容量(ml)です。内寸から計算するときは、上と底の長さ・幅と高さを測り、上が広い形に合わせた擬角柱の公式で計算します。
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