ベーカーズパーセントの計算方法|gへの直し方と生地量・個数・卵1個からの逆算
パンのレシピ本やプロのレシピでは、材料が「強力粉100%・水68%・塩2%」のように書かれていることがあります。これがベーカーズパーセントです。一見わかりにくい書き方ですが、慣れるとレシピの量を自由に変えられ、ほかのレシピとの違いもひと目でわかる、とても便利な表し方です。この記事では、ベーカーズパーセントの考え方、gへの直し方、作りたい生地の量や「8個×50g」、卵1個などから粉の量を逆算する方法、材料ごとの割合のめやす、レシピと違うイーストを使うときの換算までを、計算例つきで解説します。
ベーカーズパーセントとは|粉を100%にする書き方
ベーカーズパーセント(ベーカーズ%)は、パン作りに使う粉の合計を100%として、ほかの材料を粉に対する割合で表す方法です。強力粉と全粒粉のように粉を2種類以上使うときは、粉を全部足して100%にします。水も塩もイーストも、すべて「粉の何%か」で書きます。
ふつうの百分率(全体を100%にする書き方)とは考え方が違うので注意が必要です。ベーカーズパーセントでは粉が100%なので、全材料を足すと100%を超え、食パンなら180〜190%前後、バターロールなら200%前後になります。
| 材料 | ベーカーズ% | 全体に占める割合(ふつうの%) |
|---|---|---|
| 強力粉 | 100% | 約53.6% |
| 砂糖 | 6% | 約3.2% |
| 塩 | 2% | 約1.1% |
| スキムミルク | 3% | 約1.6% |
| インスタントドライイースト | 1.5% | 約0.8% |
| バター | 6% | 約3.2% |
| 水 | 68% | 約36.5% |
| 合計 | 186.5% | 100% |
ベーカーズパーセントが便利なのは、粉の量さえ決まれば、ほかの材料が掛け算だけで出せることです。また、塩2%・水68%のように粉に対する割合で書かれていれば、粉の量が違うレシピ同士でも、塩辛さや生地の硬さを直接比べられます。プロのパン屋や製パン学校でこの書き方が使われるのは、そのためです。
ベーカーズパーセントをgに直す方法
上の食パンの配合を、粉250gと粉300gで作る場合の材料の量は次のとおりです。10g未満の材料は0.1g単位、それ以上は1g単位に丸めています。イーストや塩のような少量の材料は、0.1g単位で量れるはかりがあると安心です。
| 材料 | ベーカーズ% | 粉250gのとき | 粉300gのとき |
|---|---|---|---|
| 強力粉 | 100% | 250g | 300g |
| 砂糖 | 6% | 15g | 18g |
| 塩 | 2% | 5g | 6g |
| スキムミルク | 3% | 7.5g | 9g |
| インスタントドライイースト | 1.5% | 3.8g | 4.5g |
| バター | 6% | 15g | 18g |
| 水 | 68% | 170g | 204g |
| 生地の合計 | 186.5% | 約466g | 約560g |
反対に、gで書かれたレシピをベーカーズパーセントに直すには、各材料のgを粉のgで割って100を掛けます。強力粉280g・水190gのレシピなら、水は190÷280×100≒67.9%です。手持ちのレシピをベーカーズパーセントに直しておくと、粉の量を変えたいときや、ほかのレシピと比べたいときに役立ちます。
作りたい生地の量から粉の量を逆算する
「1斤型に450gの生地を入れたい」のように、仕上がりの生地の量が先に決まっていることもよくあります。このときは、配合の%の合計を使って粉の量を逆算します。
合計186.5%の食パンの配合で、生地を450g作りたいとします。ロスなしなら、粉は450÷186.5×100≒241gです。ただ、こねている間にボウルや台に生地が残るので、実際にはぴったり450gにはなりません。ロスを3%見込むと、450×1.03÷186.5×100≒249gになり、生地の合計は約464gです。少し多めに仕込んでおけば、分割したときに足りなくなることがありません。
- ロスのめやすは2〜5%。手ごねで台にこすりつけてこねるなら多め、ホームベーカリーなら少なめ
- 粉の量が決まったら、ほかの材料は「粉の量×%」で出す
- 型に入れる生地量そのものを出す方法は、食パン型の生地量の計算で解説しています
「何個×何g」から粉の量を逆算する
バターロールや丸パンのように分割して作るパンは、「1個50gを8個」のように、1個の重さと個数から考えるとわかりやすくなります。生地の合計は1個の重さ×個数なので、あとは生地量からの逆算と同じです。
合計200.6%のバターロールの配合(強力粉100%・砂糖12%・塩1.6%・インスタントドライイースト2%・全卵15%・牛乳20%・水35%・バター15%)で、1個50gを8個作る場合を計算すると次のようになります。
| 材料 | ベーカーズ% | 50g×8個(ロスなし) | 50g×8個(ロス3%) |
|---|---|---|---|
| 強力粉 | 100% | 199g | 205g |
| 砂糖 | 12% | 24g | 25g |
| 塩 | 1.6% | 3.2g | 3.3g |
| インスタントドライイースト | 2% | 4g | 4.1g |
| 全卵 | 15% | 30g | 31g |
| 牛乳 | 20% | 40g | 41g |
| 水 | 35% | 70g | 72g |
| バター | 15% | 30g | 31g |
| 生地の合計 | 200.6% | 400g | 約412g |
ロスなしで計算すると、最後の1個がわずかに足りなくなりがちです。分割するパンは、ロスを3%前後見込んでおくと安心です。1個40gを12個にしたいなら、40×12×1.03÷200.6×100≒246gの粉を用意します。
卵1個など、1つの材料の量から逆算する
卵や牛乳を中途半端に残したくないときは、その材料の量から配合全体を決めると無駄が出ません。粉の量=その材料の量÷その材料の%×100で計算します。
上のバターロールの配合は全卵が15%です。卵1個(Mサイズ・殻なしで約50g)を使い切るなら、粉は50÷15×100≒333gになります。このとき、砂糖40g・塩5.3g・イースト6.7g・牛乳67g・水117g・バター50gで、生地の合計は約669gです。Lサイズ(殻なしで約55g)なら粉は約367gになります。
- バター1箱(200g)の半分を使い切りたい、牛乳を100g使いたい、といったときも同じ考え方で計算できる
- 粉の量が自分の型やオーブンに対して多すぎる・少なすぎるときは、卵の量を「溶き卵の一部を塗り卵に回す」などで調整する
- 卵をまるごと使うと水分が増えすぎるときは、水を減らして実質加水率をそろえる(実質加水率の計算を参照)
材料ごとのベーカーズ%のめやす
ベーカーズパーセントで書くと、材料ごとの「よく使われる範囲」がはっきりします。自分でレシピを作るときや、レシピの数字がおかしくないか確かめるときのめやすにしてください。
| 材料 | よく使われる範囲 | 多いとき・少ないときの変化 |
|---|---|---|
| 塩 | 1.5〜2.2% | 少ないと味がぼやけて生地がダレる、多いと発酵が鈍る |
| 砂糖 | 食事パン0〜8%、菓子パン10〜25% | 10%以上なら耐糖性のイーストが向く |
| インスタントドライイースト | 0.3〜2%前後 | リーンな生地や長時間発酵では少なく、甘い生地では多め |
| バター | 食パン3〜10%、ブリオッシュ30〜60% | 多いほどやわらかく、こね上がりに時間がかかる |
| スキムミルク | 2〜5% | 風味と焼き色がよくなる |
| 水(牛乳・卵を含む水分) | ベーグル55%前後〜高加水80%以上 | 多いほどやわらかく、扱いにくい |
パン作り 計算の配合表では、塩が粉の1.4%未満か2.4%を超えるとき、砂糖が10%以上のとき、実質加水率が50%未満か85%を超えるときに注意を表示します。粉の合計が100%になっていないときも知らせ、「粉を100%にそろえる」でほかの材料の%を同じ比率のまま直せます。
レシピと違うイーストを使うときの換算
ベーカーズパーセントのレシピでは、生イーストで書かれているものも多くあります。手元にインスタントドライイーストしかないときは、発酵させる力が同じになる量に換算します。めやすは「生イースト3:ドライイースト1.5:インスタントドライイースト1」です。
| 生イースト | ドライイースト(予備発酵が必要) | インスタントドライイースト |
|---|---|---|
| 3g | 1.5g | 1g |
| 6g | 3g | 2g |
| 9g | 4.5g | 3g |
| 15g | 7.5g | 5g |
ベーカーズパーセントで書くなら、生イースト3%はインスタントドライイースト1%です。インスタントを生の0.4倍とするメーカーもあるので、製品のパッケージの表示も確かめてください。インスタントドライイーストは小さじ1がおよそ3gです。計量スプーンとgの換算は1合は何ml?計量カップ・大さじとの換算も参考になります。
パン作り 計算で配合表をgに直す
パン作り 計算の「ベーカーズ% 配合表」タブでは、食パン・バターロール・バゲット・カンパーニュ・ベーグル・ピザ生地の配合の例から選ぶか、材料と%を自分で入れます。「何から計算する?」で、粉の量・仕上がり生地量・何個×何g・1つの材料の量のどれかを選んで数字を入れると、全部の材料のgと生地の合計がすぐに出ます。ロス(ボウル・台に残る分)の%も入れられます。
結果は「配合をコピー」でメモアプリに貼れます。仕込み水の量が決まったら、同じツールの「仕込み水の温度」タブで、その水を何℃にすればよいかを出してください(捏ね上げ温度の計算式を参照)。
よくある質問
- ベーカーズパーセントとは何ですか?
- パンに使う粉の合計を100%として、ほかの材料を粉に対する割合で表す書き方です。強力粉100%・水68%・塩2%なら、粉250gのとき水170g・塩5gです。全材料を足すと100%を超えるのが、ふつうの百分率との違いです。
- ベーカーズパーセントをグラムに換算するには?
- 各材料の量=粉の量×その材料の%÷100で出します。粉300gで砂糖6%なら18g、イースト1.5%なら4.5gです。粉を2種類使うときは、合計の粉の量で計算します。
- 作りたい生地の量から粉の量を出すには?
- 粉の量=作りたい生地の量÷配合の%の合計×100です。合計186.5%の食パンの配合で450gの生地を作るなら約241g、ボウルに残る分を3%見込むなら約249gです。
- 1個50gのパンを8個作るには粉は何g必要ですか?
- 生地の合計400gを配合の%の合計で割って100を掛けます。合計200.6%のバターロールの配合なら、ロスなしで約199g、ロス3%を見込むと約205gです。
- 卵1個に合わせてレシピの量を決めるには?
- 粉の量=卵の量÷卵の%×100で計算します。全卵15%の配合でMサイズの卵(殻なし約50g)を1個使うなら、粉は約333gです。ほかの材料はその粉の量に%を掛けて出します。
この記事で紹介したツール
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