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スキーの解放値(DIN値)の目安|体重・身長別の早見表と、スキーヤータイプ・年齢・ブーツソール長で変わる理由

スキーのビンディングには「解放値(DIN 値)」という目盛りがあり、転んだときに板が外れる強さを決めています。ショップやレンタルの用紙で体重・身長・スキーヤータイプを聞かれるのはこの値を決めるためですが、「自分はいくつが普通なのか」「タイプ 2 と 3 で何が変わるのか」は、なかなか説明してもらえません。この記事では、国際規格 ISO 11088 の表をもとに、体重・身長別の解放値の早見表、スキーヤーコードの決まり方、タイプと年齢とブーツソール長で値が動く理由、子どもと 50 歳以上の目安、高すぎ・低すぎのときに起きること、ビンディングの範囲の見方、シーズン前にショップで伝えることまで、計算例つきでまとめます。

結論:体重 60〜70kg・タイプ 2 なら解放値はおよそ 5.5〜6.5

解放値は、体重・身長・スキーヤータイプ・年齢・ブーツソール長(BSL)の5つで決まります。代表的な体格とブーツの組み合わせで、ISO 11088 の表から読んだ値は次のとおりです(35 歳の場合。右端の列だけ 50 歳以上)。

体重・身長・ブーツソール長の例タイプ 1(慎重)タイプ 2(標準)タイプ 3(積極的)50 歳以上・タイプ 2
45kg・155cm・265mm3.54.55.53.5
50kg・158cm・275mm4564
60kg・165cm・285mm5675
65kg・170cm・295mm4.55.56.54.5
70kg・175cm・305mm5.56.585.5
80kg・180cm・315mm678.56
90kg・183cm・320mm678.56
  • 大人の多くは 4〜8 の間に入る。タイプが1つ上がると 1〜1.5 ほど上がる
  • 50 歳以上は、同じ体格・タイプでも 1 ほど下がる(表の行が1つ上に動くため)
  • 体重が重いほど高くなるとは限らない。65kg・170cm が 60kg・165cm より低いのは、ブーツが長いと値が下がるため
  • 80kg と 90kg が同じなのは、体重の区分(スキーヤーコード L)が 79〜94kg とひとまとめだから

解放値の決まり方:スキーヤーコード A〜O を出して、ブーツソール長の列で読む

ISO 11088 は、スキー板・ビンディング・ブーツを組み合わせて調整するときの国際規格です。解放値は、縦にスキーヤーコード(A〜O)、横にブーツソール長の7つの列が並んだ表の1マスとして読み取ります。手順は4つです。

  1. 1

    体重からコードを出す

    58〜66kg は J、67〜78kg は K、79〜94kg は L、95kg 以上は M のように、体重の区分ごとにコードが決まっています。

  2. 2

    身長からもコードを出し、表の上にあるほうを使う

    158〜166cm は J、167〜178cm は K、179〜194cm は L です。体重のコードと身長のコードが違うときは、表の上(A に近く、解放値が低い)ほうを使います。

  3. 3

    スキーヤータイプと年齢で行を動かす

    タイプ 1 はそのまま、タイプ 2 は1行下、タイプ 3 は2行下へ動かします(下ほど解放値が高い)。9 歳以下と 50 歳以上は、さらに1行上へ戻します。

  4. 4

    ブーツソール長の列と交わるマスを読む

    列は 230mm 以下・231〜250・251〜270・271〜290・291〜310・311〜330・331mm 以上の7つです。動かしたあとの行と、この列が交わるマスが解放値です。

たとえば体重 70kg・身長 175cm・35 歳・タイプ 2・ブーツソール長 305mm なら、体重も身長も K、タイプ 2 で1行下の L、305mm は 291〜310mm の列なので、解放値は 6.5 です。このマスには、ねじれ方向の解放トルク(Mz)50N・m、前に倒れる方向の解放トルク(My)194N・m も書かれています。解放値は、このトルクで外れるように目盛りを合わせるための数字です。

スキーヤータイプ 1・2・3 の選び方とレンタルの用紙の書き方

スキーヤータイプは、滑り方の積極性を自分で申告するものです。上手か下手かというより、「どのくらいのスピードと斜面で滑るか」で選びます。体重 60kg・身長 165cm・ブーツソール長 285mm の人で、タイプごとの値を並べると次のようになります。

タイプ目安になる滑り方表の行60kg・165cm・285mm の解放値
-1タイプ 1 よりさらに外れやすくしたい(けがの経験がある、ひざが心配など)1行上4
1初心者。ゆっくり慎重に、緩斜面を中心に滑るそのまま5
2いろいろな斜面を、ふつうの速さで滑る。迷ったらここ1行下6
3速いスピードで急斜面やコブを積極的に滑る2行下7
3+タイプ 3 よりさらに外れにくくしたい(競技・大きなジャンプなど)3行下8.5
  • 迷ったら低いほうのタイプを選ぶのが一般的。外れやすい側に倒しておくほうが、ひざや骨を守りやすい
  • 「上級者だからタイプ 3」とは限らない。上手でも、ゆったり大回りで滑るならタイプ 2 で十分なことが多い
  • レンタルの用紙には、身長・体重・足のサイズ(cm)に加えて、レベルやスキーヤータイプの欄がある。体重は服やブーツを含めない、ふだんの体重を書く
  • 体重を軽く書くと解放値が下がり、滑っている途中で外れやすくなる。重く書くと外れにくくなる。どちらも安全のための値がずれるので、正確に書く

コースの斜度はタイプを決めるときの目安になります。初級コースは 15° 前後まで、上級コースは 30° を超えることもあり、斜度の % と角度の関係は勾配の%と角度の換算で確かめられます。

50 歳以上と子どもは解放値が低くなる:年齢別の目安

ISO 11088 では、9 歳以下と 50 歳以上は表の行を1つ上に動かし、同じ体格でも解放値を低くします。骨が成長途中の子どもと、骨密度が下がり始める年代のけがを防ぐためです。

体格とタイプ35 歳49 歳50 歳65 歳
70kg・175cm・305mm・タイプ 26.56.55.55.5
60kg・165cm・285mm・タイプ 26655
55kg・160cm・280mm・タイプ 14433

50 歳の誕生日を境に1段階下がるので、49 歳まで同じ値で滑っていた人は、次のシーズンに見直してもらう必要があります。ショップでは年齢も聞かれるので、正確に伝えます。

子どもの例(体重・身長・年齢・ブーツソール長)タイプ 1タイプ 2
20kg・115cm・6 歳・210mm11.5
25kg・125cm・8 歳・230mm1.52
30kg・135cm・9 歳・245mm1.752.25
30kg・135cm・10 歳・245mm2.252.75
35kg・145cm・11 歳・255mm2.53
40kg・150cm・12 歳・260mm33.5
  • 子どもは体重のコードがそのまま使われることが多い。身長 148cm 以下は身長のコードが H で止まり、それより軽い子は体重のほうが表の上に来るため
  • 9 歳と 10 歳では、同じ体格でも 0.5 違う。10 歳になったら見直す
  • 子どもは1シーズンで体重もブーツも変わる。サイズを上げたら、ビンディングの位置と解放値を合わせ直してもらう
  • 解放値 1 前後の小さな子には、下限が 0.75 くらいのジュニア用ビンディングが必要。大人用の 3〜10 などでは下げきれない

ブーツソール長で解放値が変わる理由と、調べ方

ブーツソール長(BSL)は、スキーブーツの靴底のつま先からかかとまでの長さで、ブーツのかかとの横などに「305mm」のように刻印されています。足の長さ(モンドポイント。26.5 のような cm 表記)とは別の数字です。

ブーツソール長(70kg・175cm・タイプ 2)表の列解放値
265mm251〜270mm7.5
285mm271〜290mm7
305mm291〜310mm6.5
325mm311〜330mm6
335mm331mm 以上5.5

同じ人でもブーツが長いほど解放値が下がるのは、ブーツが長いほど「てこ」が長くなるからです。ビンディングが同じ力で押さえていても、ブーツが長いと足をねじる方向の力(トルク)が大きくなります。足が耐えられるトルク(Mz)は体格で決まっているので、長いブーツでは目盛りを下げて同じトルクで外れるようにします。

足の長さ(ブーツのサイズ)ブーツソール長のおおよその目安
23.0cm約 275mm
24.0cm約 285mm
25.0cm約 295mm
26.0cm約 305mm
26.5cm約 310mm
27.0cm約 315mm
28.0cm約 325mm
  • 目安は「足の長さ + 約 4.5cm」。同じサイズでもメーカーやモデルで 1cm 前後違うので、手元にブーツがあるなら刻印を見る
  • 表では 26.0cm と 26.5cm で 5mm 違うが、実際のブーツはハーフサイズ違いで同じシェル(外側の硬い殻)を使い、靴底が同じ長さのことが多い
  • ブーツを買い替えたら、ブーツソール長が変わるのでビンディングの位置と解放値を合わせ直す。前のブーツのまま差し込むと、前圧が合わずに外れ方が変わる
  • 刻印が消えて読めないときは、ショップで靴底を測ってもらえる

解放値が高すぎ・低すぎのときに起きること

解放値は「高いほど上級者向け」という数字ではありません。体格に合った値から外れると、どちらの方向にも危険があります。

状態起きやすいこと気づくきっかけ
高すぎるゆっくりねじれる転び方で板が外れず、すね・ひざ・足首に力がかかる転んでも一度も外れたことがない、ひねって痛めた
低すぎるターンの途中や段差・コブで、転んでいないのに外れる(誤解放)滑っている最中に急に板が外れる、着地で外れる
左右で違う片方だけ外れやすい・外れにくいいつも同じ側だけ外れる
前圧が合っていない目盛りどおりの力で外れないブーツを替えた、ビンディングを付け替えた

「よく外れるから」と自分で目盛りを上げる人がいますが、外れる原因はブーツの底のすり減り、雪の詰まり、前圧のずれ、ビンディングの中の汚れのこともあります。値を上げる前に、ショップで原因を見てもらいます。逆に、上級者が外れにくくするために表より大きく上げると、転倒したときのけがが重くなります。

ビンディングの範囲(3〜10・4〜12 など)が自分に合うか

ビンディングには、合わせられる解放値の範囲が「3〜10」「4〜12」のように決まっています。中古の板やビンディングを買うとき、子どもに大人用を回すときは、自分の値がこの範囲の真ん中寄りに入るかを確かめます。範囲の端(下限・上限から 1 以内)は、ばねの余裕が少ないので避けるのが無難です。

ビンディングの範囲解放値 3解放値 4解放値 5.5解放値 6.5解放値 8
0.75〜4.5(ジュニア)使える端外れる外れる外れる
2〜7(ジュニア・小柄な大人)使える使える使える端外れる
3〜10(大人の一般向け)端使える使える使える使える
4〜12(大人の一般向け)外れる端使える使える使える
5〜15(上級者向け)外れる外れる端使える使える
6〜16(競技向け)外れる外れる外れる端使える
  • 体重 50kg 前後・タイプ 1 で解放値が 3〜4 の人には、上限 12 以上の上級者向けビンディングは合わない
  • 解放値が 8 前後の人は、3〜10 だと上の端に近づく。4〜12 以上を選ぶと余裕がある
  • 古いビンディングは、メーカーが点検・調整の対象から外していて、ショップで調整を断られることがある。中古を買う前に年式を確かめる

シーズン前の点検で、ショップに持っていくもの・伝えること

自分の板とブーツで滑るなら、シーズンの始めに一度、ショップでビンディングの点検と調整をしてもらうのが安心です。混み合う 12 月より前の 10〜11 月に済ませておくと、待たずに受けられます。

  1. 1

    板と、そのビンディングで使うブーツを一緒に持っていく

    解放値と前圧はブーツとの組み合わせで決まるので、ブーツがないと正しく合わせられません。家族で板を使い回すなら、使う人のブーツをそれぞれ持っていきます。

  2. 2

    体重・身長・年齢・スキーヤータイプを伝える

    体重はふだんの値、タイプは「どんな斜面をどのくらいの速さで滑るか」で説明します。前のシーズンに外れて困った、外れずにけがをした、といったことも伝えます。

  3. 3

    解放のテストをしてもらう

    テスト機でブーツをはめた状態のトルクを測り、目盛りどおりの力で外れるかを確かめる点検です。目盛りを合わせるだけでなく、実際の外れ方を確かめてもらえるかを聞いておきます。

  4. 4

    記録を残す

    合わせた解放値、ブーツソール長、日付をメモしておくと、来シーズンの点検や、ブーツを替えたときの比較に使えます。

  • ブーツの靴底(つま先とかかと)がすり減っていると、ビンディングとの間にすき間ができ、外れ方が変わる。点検のときに一緒に見てもらう
  • 滑る前は、ビンディングとブーツの底の雪や氷を落としてからはめる
  • レンタルでは、用紙の体重・身長・足のサイズ・タイプで解放値が合わされる。受け取ったときに、目盛りの数字が左右とも同じかを確かめる

スキーの解放値(DIN)計算ツールで、自分の値を確かめる

この記事の表は代表的な組み合わせだけです。自分の体重・身長・ブーツソール長で確かめるには、スキーの解放値(DIN)計算ツールを使うと、表のどのマスで決まったかまで分かります。

  1. 1

    体重・身長・年齢を入れ、スキーヤータイプを選ぶ

    体重と身長それぞれのコードと、どちらが使われたかが表示されます。

  2. 2

    ブーツソール長を入れる

    ブーツの刻印の数字を入れます。手元にないときは、足の長さから目安を出せます。

  3. 3

    解放値と、決まった手順を確かめる

    スキーヤーコード、タイプと年齢で何行動いたか、ISO 11088 の表のどのマスかが色つきで表示されます。

  4. 4

    ビンディングの範囲と合うかを見る

    3〜10・4〜12 などの範囲を選ぶと、真ん中寄りで使えるか、端に近いかが分かります。

同じツールの「板・ストックの長さ」タブでは、身長とレベル・滑り方から、スキー板・ストック・スノーボードの長さの目安も出せます。身長 170cm・標準体重なら、スキー板は初心者 150〜155cm・中級者 155〜160cm、ストックは 120cm です。計算は端末の中だけで行い、入力した内容はどこにも送りません。

よくある質問

スキーの解放値の目安はいくつですか?
体格とタイプで変わりますが、大人の多くは 4〜8 の間です。体重 70kg・身長 175cm・タイプ 2・ブーツソール長 305mm なら 6.5、体重 50kg・身長 158cm・タイプ 1・275mm なら 4 が、ISO 11088 の表から読んだ目安です。
解放値は体重だけで決まりますか?
いいえ。体重と身長の両方からスキーヤーコードを出し、表の上(解放値が低い)にあるほうを使います。そこからスキーヤータイプ・年齢で行を動かし、ブーツソール長の列で値を読みます。体重 80kg・身長 160cm・タイプ 2・295mm の人は、体重だけなら 8 ですが、身長が使われて 5.5 になります。
スキーヤータイプは 1・2・3 のどれを選べばいいですか?
緩斜面をゆっくり滑る初心者はタイプ 1、いろいろな斜面をふつうの速さで滑るならタイプ 2、速いスピードで急斜面やコブを積極的に滑るならタイプ 3 です。迷ったら低いほうを選ぶのが一般的です。タイプが1つ上がると、解放値はおよそ 1〜1.5 上がります。
50 歳を過ぎたら解放値を下げるべきですか?
ISO 11088 では、50 歳以上は表の行を1つ上げて、解放値を下げます。体重 70kg・身長 175cm・タイプ 2・305mm なら、49 歳までの 6.5 が 50 歳から 5.5 になります。50 歳になったシーズンにショップで見直してもらってください。
子どもの解放値はどのくらいですか?
体重 25kg・身長 125cm・8 歳・ブーツソール長 230mm・タイプ 1 で 1.5、体重 40kg・身長 150cm・12 歳・260mm・タイプ 1 で 3 が目安です。9 歳以下は1行上げるため、同じ体格でも 10 歳になると 0.5 ほど上がります。小さな子には下限の低いジュニア用ビンディングが必要です。
ブーツを買い替えたら解放値は変わりますか?
変わることがあります。ブーツソール長が列の境目(290mm・310mm など)をまたぐと値が 0.5 動き、前圧も合わせ直しが必要です。ブーツを替えたら、板とブーツを一緒にショップに持っていき、位置と解放値を調整してもらってください。
よく外れるので自分で解放値を上げてもいいですか?
おすすめしません。外れる原因は、靴底のすり減り、雪の詰まり、前圧のずれのこともあり、目盛りだけ上げると、転んだときに外れずにけがをするおそれがあります。ショップで原因を見てもらい、解放のテストをしたうえで調整してもらってください。

この記事で紹介したツール

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