全銀フォーマットとは|総合振込・給与振込データの作り方と120バイトのレイアウト
ネットバンキングで数十件の振込をまとめて送るとき、銀行から「全銀フォーマットのファイルを取り込んでください」と言われることがあります。全銀フォーマットは、全国銀行協会(全銀協)が決めた振込データの書き方で、1行120バイトの固定長のテキストを、ヘッダー・データ・トレーラー・エンドの4種類のレコードで組み立てます。この記事では、総合振込・給与振込・賞与振込の違い、各レコードの項目と桁数(何バイト目に何を書くか)、受取人名を半角カナにするときのルールと「カ)」「(カ」の法人略語、ゆうちょ銀行の記号番号の直し方、Excel・CSVから作る手順、取り込みでエラーになる原因と直し方までを、実務でつまずく順にまとめました。
結論:全銀フォーマットは「120バイトの行を4種類」並べたファイル
全銀フォーマット(正式には全銀協規定フォーマット)は、会社が銀行に振込をまとめて依頼するときのデータの形です。会計ソフトや給与ソフトの「全銀データ出力」「FB データ出力」で作られるファイルも、ほぼすべてこの形で書かれています。中身は Shift_JIS のテキストで、1行(1レコード)が必ず120バイトになるように、決められた位置に決められた桁数で項目を書きます。CSV のようなカンマ区切りではないので、項目の位置が1バイトずれただけで、銀行は別の項目として読んでしまいます。
| レコード | 先頭の1文字(データ区分) | 行数 | 書くこと |
|---|---|---|---|
| ヘッダーレコード | 1 | 1行 | 振込の種類、振込依頼人コード、依頼人名、振込日(取組日)、引き落とす口座 |
| データレコード | 2 | 振込1件ごとに1行 | 振込先の金融機関・支店・預金種目・口座番号・受取人名・金額 |
| トレーラーレコード | 8 | 1行 | データレコードの件数と、振込金額の合計 |
| エンドレコード | 9 | 1行 | ファイルの終わりの印(中身はスペース) |
たとえば30人に振り込むなら、ヘッダー1行・データ30行・トレーラー1行・エンド1行の合計33行で、改行を除いて33×120=3,960バイトのファイルになります。銀行はトレーラーに書かれた件数・合計金額と、実際のデータ行を数え直した結果を突き合わせ、合わなければファイルごと受け付けません。
- 数字の項目(N)は右寄せで、桁が足りない分は前を0で埋める(口座番号 123 → 0000123)
- 文字の項目(C)は左寄せで、余った分は後ろをスペースで埋める
- 使える文字は半角の数字・英大文字・カナと、いくつかの記号だけ。全角文字は1文字も入れられない
- 半角だけで書くので、Shift_JIS でも1文字=1バイト。濁点「゙」・半濁点「゚」も1文字として数える
総合振込・給与振込・賞与振込の違い(種別コード)
同じ全銀フォーマットでも、何の振込かはヘッダーの「種別コード」(2桁)で区別します。仕入先への支払いや経費の精算は総合振込、社員の給与は給与振込、ボーナスは賞与振込です。レイアウトはほぼ共通ですが、データレコードのいくつかの項目の意味と、銀行の手数料や締め切りが変わります。
| 種別コード | 振込の種類 | 主な使い道 | データレコードの違い |
|---|---|---|---|
| 21 | 総合振込 | 仕入代金・外注費・経費精算・家賃など | 顧客コード1・2は自由に使える。振込指定区分(7 テレ振込・8 文書振込)と EDI 情報(識別表示 Y)が使える |
| 11 | 給与振込 | 毎月の給与(民間企業) | 顧客コード1が社員番号、顧客コード2が所属コード。振込指定区分と識別表示はスペース |
| 12 | 賞与振込 | ボーナス(民間企業) | 給与振込と同じ |
| 71・72 | 給与・賞与振込(公務員) | 官公庁の給与・賞与 | 給与・賞与振込と同じ形。民間の会社が使うことはない |
| 91 | 口座振替 | 会費・月謝などの引き落とし | 振込ではなく引き落としの依頼。項目が一部違うので、振込用のファイルとは別に作る |
給与振込を総合振込で送ること自体はできますが、給与振込のサービスは「支払日の朝に一斉に着金する」「振込手数料が総合振込より安い」といった扱いになっている銀行が多く、その代わりにデータの締め切りが早めに設定されています。逆に、給与振込のファイルに外注先への支払いを混ぜることは、銀行との契約上できないのが普通です。給与と外注費は別のファイルに分けて作ってください。
ヘッダーレコードの項目と桁数
ヘッダーには、誰が・いつ・どの口座から振り込むかを書きます。「位置」は行の先頭を1バイト目としたときの場所です。会計ソフトが出したファイルを確かめるときは、この位置で区切って読みます。
| 位置 | 項目 | 桁 | 種類 | 書き方 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | 1 | N | 1 |
| 2〜3 | 種別コード | 2 | N | 21 総合振込・11 給与振込・12 賞与振込 |
| 4 | コード区分 | 1 | N | 0(JIS・Shift_JIS)。EBCDIC のときだけ 1 |
| 5〜14 | 振込依頼人コード | 10 | N | 銀行との契約で割り当てられる番号(委託者コード) |
| 15〜54 | 振込依頼人名 | 40 | C | 会社名の半角カナ。法人略語を使ってよい |
| 55〜58 | 取組日 | 4 | N | 振込日(給与なら支払日)を月日 MMDD で。年は書かない |
| 59〜62 | 仕向金融機関番号 | 4 | N | 引き落とし口座のある金融機関のコード |
| 63〜77 | 仕向金融機関名 | 15 | C | 半角カナ。省略するときはスペース |
| 78〜80 | 仕向支店番号 | 3 | N | 引き落とし口座の支店コード |
| 81〜95 | 仕向支店名 | 15 | C | 半角カナ。省略するときはスペース |
| 96 | 預金種目(依頼人) | 1 | N | 1 普通・2 当座・9 その他 |
| 97〜103 | 口座番号(依頼人) | 7 | N | 7桁に満たないときは前を0で埋める |
| 104〜120 | ダミー | 17 | C | スペース |
いちばん問い合わせが多いのが振込依頼人コードです。これは銀行が契約ごとに割り当てる10桁の番号で、ネットバンキングの総合振込・給与振込のサービスを申し込んだときの書類や、管理画面の「委託者コード」「依頼人コード」の欄で確かめられます。会社の法人番号や口座番号とは別物なので、適当な数字を入れると取り込みの段階で弾かれます。
取組日は月と日の4桁だけで、年はありません。12月28日に翌年1月5日支払いの給与データを作るときも「0105」と書けば足ります。ただし、金融機関が休みの日を取組日にするとエラーや翌営業日扱いになるため、土日祝と12月31日〜1月3日を避けて日付を決めてください。休日に当たったときの考え方は支払期日の計算にまとめています。
データレコードの項目と桁数
データレコードは振込1件につき1行です。振込先の口座と金額を書きます。受取人名は30バイトしかないので、長い社名は略語を使っても収まらないことがあります。
| 位置 | 項目 | 桁 | 種類 | 書き方 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | データ区分 | 1 | N | 2 |
| 2〜5 | 被仕向金融機関番号 | 4 | N | 振込先の金融機関コード(みずほ 0001、三菱UFJ 0005、ゆうちょ 9900 など) |
| 6〜20 | 被仕向金融機関名 | 15 | C | 半角カナ。省略するときはスペース |
| 21〜23 | 被仕向支店番号 | 3 | N | 振込先の支店コード |
| 24〜38 | 被仕向支店名 | 15 | C | 半角カナ。省略するときはスペース |
| 39〜42 | 手形交換所番号 | 4 | N | いまは使わない。スペースか0(銀行の指定に合わせる) |
| 43 | 預金種目 | 1 | N | 1 普通・2 当座・4 貯蓄・9 その他 |
| 44〜50 | 口座番号 | 7 | N | 7桁に満たないときは前を0で埋める |
| 51〜80 | 受取人名 | 30 | C | 口座名義の半角カナ。法人は略語を使う |
| 81〜90 | 振込金額 | 10 | N | 円。前を0で埋める(最大 9,999,999,999円) |
| 91 | 新規コード | 1 | N | 0 その他・1 第1回振込・2 変更 |
| 92〜101 | 顧客コード1 | 10 | N | 総合振込は自由(取引先コードなど)。給与・賞与は社員番号 |
| 102〜111 | 顧客コード2 | 10 | N | 総合振込は自由。給与・賞与は所属コード |
| 112 | 振込指定区分 | 1 | N | 7 テレ振込(電信)・8 文書振込。給与・賞与はスペース |
| 113 | 識別表示 | 1 | C | Y にすると、顧客コード1・2の20桁を EDI 情報として使う |
| 114〜120 | ダミー | 7 | C | スペース |
金融機関名・支店名は省略してスペースにしても、銀行はコードのほうで振込先を決めるため、たいていは問題ありません。間違った名前を書くより、空けておくほうが安全です。逆にコードは1桁違うだけで別の銀行・支店になるので、全銀協の金融機関コード一覧や、取引先から受け取った請求書の振込先で必ず確かめてください。
EDI 情報は、振込に請求書番号などを添えて相手に知らせる仕組みです。識別表示を Y にすると、顧客コード1・2の20桁が数字ではなく半角の英数カナで書けるようになり、受け取った側の入金明細に表示されます。売掛金の消し込みを楽にしたい取引先から「EDI 情報に請求書番号を入れてほしい」と頼まれたときに使います。さらに長い情報(最大140文字)を送る全銀 EDI システム(ZEDI)は XML の別の形式なので、このファイルとは別のサービスになります。
トレーラー・エンドレコードと、改行・文字コード
| レコード | 位置 | 項目 | 桁 | 書き方 |
|---|---|---|---|---|
| トレーラー | 1 | データ区分 | 1 | 8 |
| トレーラー | 2〜7 | 合計件数 | 6 | データレコードの行数。前を0で埋める |
| トレーラー | 8〜19 | 合計金額 | 12 | 振込金額の合計。前を0で埋める |
| トレーラー | 20〜120 | ダミー | 101 | スペース |
| エンド | 1 | データ区分 | 1 | 9 |
| エンド | 2〜120 | ダミー | 119 | スペース |
トレーラーの件数と合計金額は、データ行を手で足したり消したりしたあとに直し忘れやすい項目です。1件削ったのにトレーラーが元のままだと、銀行は「件数・金額の不一致」としてファイル全体を受け付けません。データを直したら、トレーラーも必ず作り直してください。
ファイルの文字コードは Shift_JIS(コード区分0)です。使える文字がすべて半角なので、実際には ASCII と半角カナだけのファイルになります。UTF-8 で保存すると半角カナが1文字3バイトになり、120バイトの区切りが崩れます。改行は、120バイトごとに CRLF(Windows の改行)を入れる形がいちばん多く、銀行によっては LF や「改行なしで120バイトを続けて書く」形を指定されます。ファイルの最後に EOF(0x1A)を付けるよう求める古い仕様も残っているので、取り込みでエラーが出たら、銀行の「ファイル仕様書」の改行の欄を確認してください。
使える文字と、半角カナに直すときのルール
全銀フォーマットで使える文字はかなり限られています。口座名義は銀行の元帳に半角カナで登録されていて、振込のときは受取人名がそれと照らし合わされるため、表記のルールを守らないと「名義相違」で組戻し(振込の取り消し)になることがあります。
| 種類 | 使える文字 | 注意 |
|---|---|---|
| 数字 | 0〜9 | 全角の数字は使えない |
| 英字 | A〜Z | 大文字だけ。小文字は大文字に直す |
| カナ | ア〜ン、ヲ、濁点 ゙、半濁点 ゚ | 小さい ァ ィ ゥ ェ ォ ャ ュ ョ ッ と長音 ー は使えない |
| 記号 | スペース ( ) . - / 「 」 \ , | 銀行によってはこれより少ないことがある |
- 小さい「ッ・ャ・ュ・ョ」は大きく書く:「ショウジ」→「シヨウジ」、「ハッピー」→「ハツピ-」
- 長音「ー」はハイフン「-」にする:「センター」→「センタ-」
- 「ヴ」は「ヴ」の2文字:濁点も1文字なので、名前の長さを数えるときに注意
- 中黒「・」はピリオド「.」、全角スペースは半角スペースにする
- 「&」は使えないので「.」などに置き換える(銀行の登録に合わせる)
- 姓と名のあいだは半角スペース1つ:「ヤマダ タロウ」
文字数の上限も、濁点・半濁点を1文字として数えます。受取人名の枠は30文字ですが、「ガク)グリ-ンヒルズガクエン」のように濁点が多い名前は、見た目より早く上限に届きます。上限を超えた分は切り捨てて送るのが一般的で、銀行側も先頭から照合するので、多くの場合はそのまま着金します。
法人略語「カ)」「(カ」の付け方
法人の口座名義は、「株式会社」を「カ」にするように、法人の種類を短い略語にして登録されています。かっこの向きで、略語が社名の前にあるか後ろにあるかを表します。
| 社名での位置 | 書き方 | 例(株式会社やまだ商事) |
|---|---|---|
| 先頭(前株) | 略語の後ろに「)」 | 株式会社やまだ商事 → カ)ヤマダシヨウジ |
| 末尾(後株) | 略語の前に「(」 | やまだ商事株式会社 → ヤマダシヨウジ(カ |
| 途中 | 略語を「( )」で挟む | やまだ株式会社商事 → ヤマダ(カ)シヨウジ |
| 営業所などが続く | それぞれに略語を付ける | 株式会社やまだ商事 東京営業所 → カ)ヤマダシヨウジ トウキヨウ(エイ |
| 法人の種類 | 略語 | 法人の種類 | 略語 |
|---|---|---|---|
| 株式会社 | カ | 有限会社 | ユ |
| 合同会社 | ド | 合名会社 | メ |
| 合資会社 | シ | 相互会社 | ソ |
| 医療法人(社団・財団を含む) | イ | 社会福祉法人 | フク |
| 一般・公益社団法人 | シヤ | 一般・公益財団法人 | ザイ |
| 学校法人 | ガク | 宗教法人 | シユウ |
| 特定非営利活動法人(NPO法人) | トクヒ | 独立行政法人 | ドク |
| 税理士法人 | ゼイ | 弁護士法人 | ベン |
| 監査法人 | カンサ | 司法書士法人 | シホウ |
| 農業協同組合 | ノウキヨウ | 生活協同組合 | セイキヨウ |
| 営業所 | エイ | 出張所 | シユツ |
前株か後株かを間違えると、名義の照合で引っかかることがあります。取引先の正式な社名を登記どおりに確かめ、「株式会社」が前なら「カ)」、後ろなら「(カ」にしてください。「㈱」「(株)」と書かれた請求書でも、口座名義は略語の形で登録されています。合同会社の「ド」、一般社団法人の「シヤ」(小さいャを大きくした形)は、間違えやすい略語の代表です。
ゆうちょ銀行に振り込むときの口座番号の直し方
ゆうちょ銀行の口座は「記号(5桁)・番号(最大8桁)」で表されていて、そのままでは全銀フォーマットの支店番号3桁・口座番号7桁に入りません。全銀フォーマットで送るときは、ゆうちょ銀行が決めている「振込用の店番・口座番号」に直します。金融機関コードは 9900 です。
| 口座の種類 | 記号の形 | 店番(支店番号) | 預金種目 | 口座番号 |
|---|---|---|---|---|
| 総合口座(通常貯金) | 1から始まる5桁(1□□□0) | 記号の2・3桁目+8 | 1 普通 | 番号の最後の1桁を除いた7桁 |
| 振替口座 | 0から始まる5桁(0□□□□) | 記号の2・3桁目+9 | 2 当座 | 番号を7桁になるよう前を0で埋める |
たとえば記号12340・番号12345671の総合口座なら、店番は「23」に8を付けた「238」、口座番号は最後の「1」を除いた「1234567」です。店名は「二三八店」のような漢数字になりますが、支店名はスペースにしておけば足ります。番号の桁が短い口座や振替口座で迷ったときは、ゆうちょ銀行のサイトの変換ページで確かめるか、受取人に「他の金融機関からの振込用の口座番号」を聞いてください。
Excel・CSV から全銀データを作る手順
会計ソフトに全銀データの出力機能がない場合や、少人数の会社で振込先を Excel で管理している場合は、表から全銀フォーマットに変換するのが現実的です。Excel の関数(TEXT・REPT・LEFT など)でも組めますが、全角の混入やバイト数のずれを見落としやすいので、変換ツールを使うほうが確実です。
- 1
振込先の表を1行1件で作る
列は「金融機関コード・金融機関名・支店コード・支店名・預金種目・口座番号・受取人名・振込金額」の順にそろえ、必要なら顧客コード(給与なら社員番号)や EDI 情報を続けます。1行目は見出しにしてかまいません。
- 2
コードの列を「文字列」にする
Excel は「0001」を数値の1に、「0012345」を12345にしてしまいます。金融機関コード・支店コード・口座番号の列は、セルの書式を文字列にしてから入力するか、変換ツール側で前を0で埋め直してもらいます。口座番号が「1.23E+06」のような指数表示になっていないかも確かめます。
- 3
受取人名はカナで入れる
全角カナ・ひらがなで入れておき、変換のときに半角カナへ直すのがいちばん楽です。法人名は「株式会社」を含めた正式名で入れれば、略語の付け方まで自動で直せます。
- 4
金額は数字だけにする
「110,000円」のようなカンマや円記号は取り除きます。振込手数料を先方負担にする場合は、差し引いた後の金額を書きます。
- 5
120バイト×件数になっているか確かめてから送る
書き出したファイルの大きさが「(件数+3)×120バイト+改行」になっているか、トレーラーの件数と合計金額が表と同じかを確かめてから、ネットバンキングに取り込みます。
CSV で保存するときは、Excel の「CSV UTF-8」ではなく通常の「CSV(コンマ区切り)」を選ぶと Shift_JIS で保存されます。ただし変換ツールに読み込ませる CSV なら、どちらの形式でも問題ありません。注意が必要なのは、できあがった全銀ファイルそのものを Excel やメモ帳で開いて上書き保存することで、文字コードや末尾のスペースが変わり、120バイトが崩れる原因になります。
取り込みでエラーになる原因と直し方
ネットバンキングで「ファイル形式が正しくありません」「レコード長エラー」と出たときは、たいてい次のどれかです。上から順に確かめると早く見つかります。
| エラーの内容 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| レコード長が120バイトでない | 全角文字(全角スペース・全角数字)の混入、UTF-8 で保存、末尾のスペースが消えた | 全角を半角に直し、Shift_JIS で書き出し直す |
| 件数・合計金額が一致しない | データ行を手で増減したのにトレーラーを直していない | トレーラーを作り直す |
| 使用できない文字がある | 小さいカナ・長音「ー」・英小文字・「&」などの記号 | 大きいカナ・ハイフン・大文字に直す |
| データ区分の順序エラー | ヘッダーの前にデータがある、エンドが2つある、空行が入っている | 1→2…→8→9の順に並べ、空行を消す |
| 改行コードエラー | CRLF と LF が混ざっている、改行なしを指定されているのに改行がある | 銀行の指定に合わせて書き出し直す |
| 振込依頼人コードが違う | 別の口座・別のサービスのコードを入れた | 契約書類や管理画面で委託者コードを確かめる |
| 取組日エラー | 銀行の休業日、締め切りを過ぎた日付、過去の日付 | 営業日に直す。給与は締め切りに注意 |
ファイルは受け付けられたのに、あとから一部の振込が戻ってくる(返却・組戻し)こともあります。原因は口座番号の誤り、口座の解約、受取人名の大きな相違がほとんどです。組戻しには数百円〜1,000円程度の手数料がかかり、着金も遅れるので、初めて振り込む相手は少額で試すか、口座名義を請求書で確かめてから送るのが安全です。
取組日とデータの締め切り
全銀データは、振込日の当日に送れば間に合うとは限りません。特に給与振込・賞与振込は、銀行が受取人の銀行へデータを前もって配る仕組みのため、締め切りが早めに決められています。
| 振込の種類 | データの締め切りの目安 | 着金 |
|---|---|---|
| 総合振込 | 振込日の前営業日〜当日の朝(銀行による) | 振込日の当日 |
| 給与・賞与振込 | 支払日の数営業日前(3営業日前などが多い) | 支払日の朝に一斉に着金 |
| 締め切りを過ぎた給与振込 | 総合振込扱いに切り替わるか、受け付けられない | 手数料が上がることがある |
締め切りは「営業日」で数えるため、支払日の前に土日祝や年末年始が挟まると、思ったより早くなります。25日払いで25日が月曜日なら、3営業日前は前の週の水曜日です。営業日の数え方は営業日の数え方、社員側の手取りの計算は手取りの計算方法やボーナスの手取りを参考にしてください。
全銀フォーマット 作成・チェックツールの使い方
全銀フォーマット 作成・チェックツールを使うと、ここまでのルールを覚えていなくても、ブラウザだけで全銀ファイルを作って確かめられます。入力した口座や金額はサーバーに送らず、使っている端末の中だけで処理します。
- 1
「振込データを作る」タブで依頼人(ヘッダー)を入れる
総合振込(21)・給与振込(11)・賞与振込(12)を選び、振込依頼人コード(10桁)・振込依頼人名・振込日(取組日)・引き落とし口座を入れます。「依頼人の情報をこの端末に保存する」をオンにすると、次回から入力を省けます(振込先は保存しません)。
- 2
振込先を入れるか、Excel から貼り付ける
1件ずつ「+ 行を追加」で入れるほか、「Excel・CSV から読み込む」で Excel の表をコピーして貼り付け、「貼り付けた表を読み込む」を押せばまとめて取り込めます。列の並びは「ひな形の CSV をダウンロード」で確かめられます。先頭の0が消えたコードは自動で埋め直します。
- 3
名義の変換結果とエラーを確かめる
「名義・金融機関名を全銀のカナに自動で直す」がオンなら、ひらがな・全角カナ・法人名が全銀の半角カナと「カ)」「(カ」の略語に直ります。桁数・使えない文字・金額の上限はその場で確かめ、問題がある行と項目を表示します。
- 4
改行などを銀行の指定に合わせて書き出す
改行(CRLF・LF・改行なし)、使わない数字の項目をスペースと0のどちらで埋めるか、振込指定区分を選び、「全銀ファイル(.txt・Shift_JIS)をダウンロード」を押します。件数・合計金額はトレーラーに自動で書き込まれます。
- 5
既存のファイルは「ファイルを確認」タブで中身を見る
会計ソフトや給与ソフトが出した全銀ファイルを「全銀ファイルを選ぶ」で開くと、レコードごとに項目を分けて表示し、120バイトか、トレーラーの件数・合計金額が合っているか、全角文字が混ざっていないかを確かめます。「振込先を CSV(Excel 用)で保存」で表に戻すこともできます。
名義だけを直したいときは「名義のカナ変換」タブに1行1件で貼り付けると、まとめて半角カナに変換できます。各項目の位置と桁数は「レイアウト早見表」タブでいつでも見られます。なお、改行の有無や未使用項目の埋め方、使える記号は銀行ごとに細かな違いがあるため、初めて取り込む前に一度、銀行のファイル仕様書と見比べてください。
よくある質問
- 全銀フォーマットとは何ですか?
- 全国銀行協会(全銀協)が決めた、振込データをまとめて銀行に渡すためのファイルの書き方です。1行120バイトの固定長テキストで、ヘッダー(データ区分1)・データ(2、振込1件ごとに1行)・トレーラー(8、件数と合計金額)・エンド(9)の4種類のレコードを順に並べます。総合振込・給与振込・賞与振込のほか、口座振替にも使われ、会計ソフトや給与ソフトの「全銀データ出力」「FB データ出力」もこの形式です。
- 全銀フォーマットの1行は何バイトですか?
- どのレコードも120バイトです。半角の英数字とカナだけで書くため、Shift_JIS では1文字が1バイトになり、120文字=120バイトです。全角文字が1文字でも混ざるとその行は121バイト以上になり、取り込みでレコード長エラーになります。改行(CRLF なら2バイト)は120バイトに含めません。
- 総合振込と給与振込のフォーマットは何が違いますか?
- ヘッダーの種別コードが、総合振込は21、給与振込は11、賞与振込は12です。データレコードでは、給与・賞与のとき顧客コード1が社員番号、顧客コード2が所属コードになり、振込指定区分と識別表示(EDI)は使わずスペースにします。銀行の扱いでは、給与振込は手数料が安く支払日の朝に着金する代わりに、データの締め切りが支払日の数営業日前と早めに決められていることが多いです。
- 振込名義で「株式会社」はどう書きますか?
- 「カ」の略語にし、社名の前に株式会社がある(前株)なら「カ)ヤマダシヨウジ」、後ろにある(後株)なら「ヤマダシヨウジ(カ」、途中なら「ヤマダ(カ)シヨウジ」のように、かっこの向きで位置を表します。有限会社は「ユ」、合同会社は「ド」、医療法人は「イ」、一般社団法人は「シヤ」、特定非営利活動法人は「トクヒ」です。
- 振込名義の小さい「ッ」や長音「ー」はどうしますか?
- 全銀フォーマットでは小さいカナ(ァ ィ ゥ ェ ォ ャ ュ ョ ッ)と長音記号は使えないため、小さいカナは大きいカナに、長音はハイフンにします。「ショウジ」は「シヨウジ」、「ハッピー」は「ハツピ-」、「センター」は「センタ-」です。銀行の口座名義もこのルールで登録されているので、合わせて書けば名義の照合で引っかかりません。
- ゆうちょ銀行の口座は全銀フォーマットでどう書きますか?
- 金融機関コードは9900です。総合口座(記号が1から始まる5桁)なら、記号の2・3桁目に8を付けた3桁が支店番号、番号の最後の1桁を除いた7桁が口座番号、預金種目は普通(1)です。記号12340・番号12345671なら支店番号238・口座番号1234567になります。振替口座(記号が0から始まる)は、記号の2・3桁目に9を付けた店番と当座(2)を使います。
- Excel で作った振込リストを全銀フォーマットにできますか?
- できます。金融機関コード・支店コード・預金種目・口座番号・受取人名・振込金額の列をそろえた表を、全銀フォーマットの変換ツールに貼り付けるか CSV で読み込ませれば、120バイト固定長の Shift_JIS ファイルに変換できます。Excel では金融機関コードや口座番号の先頭の0が消えやすいので、列を文字列にしておくか、0を埋め直してくれるツールを使ってください。
- 全銀ファイルの中身を確認する方法はありますか?
- テキストエディタで開くと中身は読めますが、項目が区切りなしで並んでいるので、レイアウト表を見ながら位置で数える必要があります。全銀フォーマットのチェックツールでファイルを開けば、レコードごとに項目を分けて表示し、各行が120バイトか、トレーラーの件数・合計金額がデータと合っているか、全角文字が混ざっていないかをまとめて確かめられます。メモ帳などで上書き保存すると形式が崩れることがあるので注意してください。
- 取組日に年が入っていないのはなぜですか?
- 全銀フォーマットのヘッダーの取組日は、月日の4桁(MMDD)だけを書く決まりです。データは振込日の少し前に作って送るのが前提なので、年がなくても銀行は直近のその日付として扱います。年末に翌年1月の支払いデータを作るときも「0105」のように月日だけを書けば足ります。ただし金融機関の休業日を指定するとエラーや翌営業日扱いになります。
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