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曲のBPMの調べ方|タップで正確に測るコツと倍テン・ハーフの見分け方

耳コピ、ダンスの練習、DJ のつなぎ、動画のカット割り、ディレイの設定。どれも最初に必要になるのが曲のテンポ(BPM)です。ところが、曲に合わせて何回かタップしただけでは数字が毎回ずれたり、測った値が倍や半分になっていたりと、思ったより迷います。この記事では、BPM の基本と、タップで測るときに誤差を小さくするコツ、時計で数えて出す方法、DAW やアプリで確かめる方法、倍テン・ハーフテンポの見分け方、ジャンルや速度記号ごとの BPM の目安までをまとめます。

BPM は「1 分間に 4 分音符がいくつ入るか」

BPM(Beats Per Minute)は、1 分間に拍がいくつ刻まれるかを表す数字です。ポップスやロック、クラブミュージックでは、ふつう 4 分音符 1 つを 1 拍として数えます。BPM 120 なら 1 分間に 4 分音符が 120 回、つまり 1 拍の長さはちょうど 0.5 秒(500 ミリ秒)です。

1 拍の長さは「60000 ÷ BPM」ミリ秒で求められます。BPM 100 なら 600 ms、BPM 128 なら 468.75 ms、BPM 150 なら 400 ms です。4/4 拍子の 1 小節は 4 拍なので、BPM 120 なら 1 小節 2 秒、BPM 128 なら 1.875 秒になります。この「1 拍の長さ」がわかると、ディレイタイムや動画のカット位置、曲の長さもすべて計算で出せるようになります。

BPM1 拍(4 分音符)1 小節(4/4)8 小節1 分あたりの小節数
601000 ms4 秒32 秒15 小節
80750 ms3 秒24 秒20 小節
100600 ms2.4 秒19.2 秒25 小節
120500 ms2 秒16 秒30 小節
128468.75 ms1.875 秒15 秒32 小節
140約 428.6 ms約 1.714 秒約 13.71 秒35 小節
160375 ms1.5 秒12 秒40 小節
174約 344.8 ms約 1.379 秒約 11.03 秒43.5 小節

曲の BPM を調べる 4 つの方法

BPM を知る方法は大きく分けて 4 つあります。手軽さと正確さが違うので、目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。

方法かかる時間正確さの目安向いている場面
タップして測る15〜30 秒16 回以上のタップで ±0.5 前後耳コピ・ダンス練習・ディレイ設定など、その場ですぐ知りたいとき
時計を見て拍を数える15〜60 秒15 秒なら ±4、60 秒なら ±1道具がないとき・タップの結果を確かめたいとき
DAW・DJ ソフトの自動検出数秒〜テンポが一定の曲なら小数まで音源ファイルが手元にあるとき
公開情報を調べる数十秒情報源しだい(倍・半分の誤記に注意)有名曲の目安を知りたいとき

ストリーミングで聴いている曲や、ライブ映像、カラオケ音源など、ファイルを取り込めない曲を測るなら、いちばん手軽なのはタップです。ディレイタイムの計算や動画のカット割りに使うなら小数第 1 位くらいまで合っていれば十分なので、コツさえ押さえればタップで実用的な精度が出ます。

タップで正確に測る 6 つのコツ

タップテンポは、曲に合わせて一定の間隔でボタンを叩き、その間隔から BPM を出す方法です。人間のタップは 1 回ごとに 10〜30 ミリ秒くらいずれるので、何回叩くか、どの音に合わせるかで精度が大きく変わります。

  1. 1

    バスドラムかスネアに合わせて叩く

    ボーカルやメロディは前後に揺れるので、合わせるならリズム隊です。4 つ打ちの曲ならバスドラム、ロックやポップスなら 2 拍目と 4 拍目のスネアも含めて「ドン・タン・ドン・タン」の 4 分音符で叩くと安定します。

  2. 2

    最初の数回は捨てるつもりで

    叩き始めは体がテンポをつかめておらず、ずれが大きくなりがちです。サビの前など、リズムが続く場所で 2 小節ほど聴いてから叩き始めましょう。

  3. 3

    16 回以上、できれば 32 回叩く

    4 回だけでは数 BPM ずれることも珍しくありません。タップのずれが 1 回あたり 20 ms ほどのとき、BPM 128 の曲で誤差の目安は 4 回で ±2 以上、8 回で ±0.5 前後、16 回で ±0.2 前後、32 回で ±0.1 未満まで縮みます。

  4. 4

    画面よりキーのほうが叩きやすい

    スマホの画面でも測れますが、PC ならスペースキーや Enter キーで叩くと指の動きが小さく、ずれが少なくなります。

  5. 5

    最初と最後だけで割らない

    「最初のタップから最後のタップまでの時間 ÷ 回数」で出すと、最初と最後の 2 回のずれがそのまま結果に出ます。全部のタップの時刻に直線を当てはめる(最小二乗法)と、途中のタップのずれも平均され、同じタップでも結果が安定します。

  6. 6

    メトロノームを重ねて確かめる

    出た BPM でメトロノームを鳴らし、曲と一緒に 8 小節ほど聴きます。だんだん前に行く・後ろに遅れるなら、BPM を 0.1〜1 ずつ動かして、ずれなくなる値を探します。

時計を見て数える方法と、時間ごとの精度

道具がなくても、時計を見ながら拍を数えれば BPM は出せます。計算式は「数えた拍 × 60 ÷ 数えた秒数」です。15 秒で 32 拍なら 32 × 60 ÷ 15 = 128、10 秒で 25 拍なら 150 になります。

数える時間掛ける数数え間違い 1 拍ぶんの誤差例
10 秒× 6±6 BPM25 拍 → 150
15 秒× 4±4 BPM32 拍 → 128
30 秒× 2±2 BPM60 拍 → 120
60 秒× 1±1 BPM90 拍 → 90

数える方法は、始まりと終わりの拍がちょうど時間の境目に来るとは限らないので、1 拍ぶんの誤差がどうしても残ります。15 秒で数えた 128 は「124〜132 のどれか」くらいの意味しかありません。ざっくりの目安には十分ですが、ディレイタイムや動画編集に使うなら、タップで小数まで測るほうが確実です。

倍テン・ハーフテンポの見分け方

BPM を測ったのに、DAW やネットの情報と比べると数字がちょうど 2 倍や半分になっている、というのはよくあることです。これは測り方が間違っているのではなく、どの音符を 1 拍と感じたかの違いです。BPM 140 のダブステップは、スネアが 3 拍目にしか来ないので BPM 70 のようにゆったり聞こえます。逆に BPM 85 のヒップホップは、ハイハットの 8 分音符に合わせると 170 に感じられます。

  • スネアが 1 小節に 2 回(2・4 拍目)鳴る数え方が、その曲の BPM になることが多い
  • スネアが 1 小節に 1 回しか鳴らないように数えた場合は、半分のテンポ(ハーフ)で数えている可能性が高い
  • ハイハットの刻みに合わせて叩いた場合は、倍のテンポ(倍テン)で数えている可能性が高い
  • 測った値が 60 未満や 200 を超えるなら、まず 2 倍・半分を疑う
  • 同じ曲でも、ドラムンベースは 174 と 87、トラップは 140 と 70 のどちらでも表記されるので、使う場面に合わせて選ぶ

ディレイやリバーブの設定、動画のカット割りでは、2 倍・半分のどちらを使っても「拍に合う」ことには変わりません。BPM 70 で計算した 4 分音符のディレイは、BPM 140 で計算した 2 分音符のディレイと同じ長さです。大事なのは、DAW のプロジェクトに入れる BPM と、エフェクトの計算に使う BPM をそろえることです。

ジャンル別・速度記号別の BPM の目安

測った BPM がその曲らしい数字かどうかは、ジャンルごとの目安と比べるとわかります。下の表は、よく見かける範囲をまとめたものです。同じジャンルでも曲によって外れることがあるので、あくまで目安として使ってください。

ジャンルBPM の目安補足
バラード60〜80ゆったりした 8 分の刻みが多い
ヒップホップ(ブーンバップ)85〜100倍テンで 170〜200 と数えやすい
レゲトン88〜100ドンボウのリズムで判断
ロック・ポップス100〜140J-POP の多くがこの範囲
ハウス118〜1304 つ打ちで測りやすい
テクノ125〜140
トランス130〜140
ダブステップ138〜142ハーフタイムで 70 前後に聞こえる
トラップ130〜170ハーフタイムで 65〜85 に聞こえる
ハードスタイル145〜155
ユーロビート150〜160
ドラムンベース165〜178174 が多い
アニソン・ボカロの速い曲160〜200200 を超える曲もある

クラシックの楽譜に書かれる速度記号にも、おおよその BPM があります。ただし、教本や時代によって数字が違い、重なっている範囲も多いので、下の表は重ならないように区切った目安です。

速度記号読み方意味BPM の目安
Graveグラーヴェ重々しく、非常にゆっくり40 未満
Largoラルゴ幅広く、ゆっくり40〜60
Larghettoラルゲットラルゴより少し速く60〜66
Adagioアダージョゆるやかに66〜76
Andanteアンダンテ歩くような速さで76〜108
Moderatoモデラート中くらいの速さで108〜120
Allegroアレグロ速く、快活に120〜156
Vivaceヴィヴァーチェ活発に、速く156〜176
Prestoプレスト急速に176〜200
Prestissimoプレスティッシモきわめて速く200 以上

測った BPM の使い道

BPM がわかったら、そこからいろいろな数字が計算で出せます。音楽制作だけでなく、動画編集やダンス、ランニングの選曲にも使えます。

よくある質問

曲の BPM をいちばん簡単に調べる方法は?
曲を流しながら、BPM タップ計測ツールの画面やスペースキーをバスドラムやスネアに合わせて 16 回以上叩く方法です。15〜30 秒ほどで、小数第 1 位くらいまでの BPM と誤差の目安がわかります。
タップで測るたびに BPM が少しずつ違うのはなぜですか?
人間のタップは 1 回ごとに 10〜30 ミリ秒ほどずれるためです。回数が少ないほど 1 回のずれが結果に大きく響きます。16〜32 回叩く、リズム隊に合わせる、叩き始めの数回を気にしないようにすると安定します。
測った BPM が倍や半分になってしまいます。
どの音符を 1 拍と感じたかの違いです。スネアが 1 小節に 2 回(2・4 拍目)になる数え方がその曲の BPM になることが多く、1 回ならハーフ、ハイハットの刻みで数えたなら倍で数えています。ダブステップやトラップ、ドラムンベースはどちらでも表記されます。
時計で 15 秒数える方法はどれくらい正確ですか?
数えた拍を 4 倍するので、1 拍の数え間違いで ±4 BPM ずれます。60 秒数えれば ±1 まで縮まりますが、ディレイや動画編集に使うならタップで小数まで測るほうが確実です。
BPM 120 は速いですか、遅いですか?
ポップスやハウスでよく使われる、中くらいからやや速めのテンポです。速度記号ではアレグロ(速く、快活に)の入口あたりで、1 拍はちょうど 0.5 秒、4/4 拍子の 1 小節は 2 秒です。

この記事で紹介したツール

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