ディレイタイムの計算方法|付点8分のmsとBPM別早見表
ディレイを曲のテンポに合わせると、やまびこが拍の上にきれいに乗って、音が濁らずに広がります。ギターの付点 8 分ディレイ、ボーカルの 8 分・4 分ディレイ、シンセの 3 連符ディレイなど、使う場面は多いのに、BPM から何ミリ秒にすればいいかは毎回迷いがちです。この記事では、ディレイタイムの計算式と、付点・3 連符の求め方、BPM 60〜200 の早見表、付点 8 分ディレイの使い方、テンポ同期がない機材での設定のコツまでをまとめます。
ディレイタイムの計算式は「60000 ÷ BPM」
ディレイタイムを曲に合わせる計算は、まず 4 分音符 1 拍の長さを出すところから始まります。1 分は 60000 ミリ秒なので、4 分音符の長さは「60000 ÷ BPM」ミリ秒です。BPM 120 なら 60000 ÷ 120 = 500 ms、BPM 100 なら 600 ms、BPM 150 なら 400 ms になります。
ほかの音符は、4 分音符の長さに倍率を掛けるだけです。8 分音符は半分、16 分音符は 4 分の 1、2 分音符は 2 倍です。付点はもとの音符の 1.5 倍、3 連符はもとの音符の 3 分の 2 になります。
| 音符 | DAW の表記 | 4 分音符に掛ける数 | BPM 120 のとき |
|---|---|---|---|
| 2 分音符 | 1/2 | × 2 | 1000 ms |
| 付点 4 分音符 | 1/4D | × 1.5 | 750 ms |
| 4 分音符 | 1/4 | × 1 | 500 ms |
| 4 分 3 連符 | 1/4T | × 2/3(約 0.667) | 約 333.3 ms |
| 付点 8 分音符 | 1/8D | × 0.75 | 375 ms |
| 8 分音符 | 1/8 | × 0.5 | 250 ms |
| 8 分 3 連符 | 1/8T | × 1/3(約 0.333) | 約 166.7 ms |
| 付点 16 分音符 | 1/16D | × 0.375 | 187.5 ms |
| 16 分音符 | 1/16 | × 0.25 | 125 ms |
| 16 分 3 連符 | 1/16T | × 1/6(約 0.167) | 約 83.3 ms |
BPM 別ディレイタイム早見表(ms)
よく使う BPM のディレイタイムを、小数第 1 位で四捨五入して一覧にしました。機材やプラグインに入力するときは、小数を切り捨て・四捨五入しても耳でわかるほどの差は出ません。
| BPM | 4 分 | 付点 8 分 | 8 分 | 3 連 8 分 | 16 分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 60 | 1000 | 750 | 500 | 333.3 | 250 |
| 70 | 857.1 | 642.9 | 428.6 | 285.7 | 214.3 |
| 75 | 800 | 600 | 400 | 266.7 | 200 |
| 80 | 750 | 562.5 | 375 | 250 | 187.5 |
| 85 | 705.9 | 529.4 | 352.9 | 235.3 | 176.5 |
| 90 | 666.7 | 500 | 333.3 | 222.2 | 166.7 |
| 95 | 631.6 | 473.7 | 315.8 | 210.5 | 157.9 |
| 100 | 600 | 450 | 300 | 200 | 150 |
| 105 | 571.4 | 428.6 | 285.7 | 190.5 | 142.9 |
| 110 | 545.5 | 409.1 | 272.7 | 181.8 | 136.4 |
| 115 | 521.7 | 391.3 | 260.9 | 173.9 | 130.4 |
| 120 | 500 | 375 | 250 | 166.7 | 125 |
| 125 | 480 | 360 | 240 | 160 | 120 |
| 128 | 468.8 | 351.6 | 234.4 | 156.3 | 117.2 |
| 130 | 461.5 | 346.2 | 230.8 | 153.8 | 115.4 |
| 135 | 444.4 | 333.3 | 222.2 | 148.1 | 111.1 |
| 140 | 428.6 | 321.4 | 214.3 | 142.9 | 107.1 |
| 145 | 413.8 | 310.3 | 206.9 | 137.9 | 103.4 |
| 150 | 400 | 300 | 200 | 133.3 | 100 |
| 160 | 375 | 281.3 | 187.5 | 125 | 93.8 |
| 170 | 352.9 | 264.7 | 176.5 | 117.6 | 88.2 |
| 174 | 344.8 | 258.6 | 172.4 | 114.9 | 86.2 |
| 180 | 333.3 | 250 | 166.7 | 111.1 | 83.3 |
| 190 | 315.8 | 236.8 | 157.9 | 105.3 | 78.9 |
| 200 | 300 | 225 | 150 | 100 | 75 |
表にない BPM や、付点 4 分・4 分 3 連符・32 分音符などの長さは、BPM タップ計測・ディレイタイム計算ツールに BPM を入れると、全音符から 64 分音符までのふつう・付点・3 連符を一覧で表示できます。曲の BPM がわからない場合は、同じツールで曲に合わせてタップすれば測れます(測り方のコツは曲のBPMの調べ方にまとめています)。
付点 8 分ディレイが人気の理由と使い方
ギターのディレイでいちばんよく使われるのが付点 8 分です。8 分音符で弾いたフレーズに付点 8 分のディレイをかけると、原音とやまびこが 16 分音符ずつずれて交互に鳴り、実際には弾いていない 16 分の細かい刻みが生まれます。U2 のジ・エッジに代表される、きらきらと流れるようなアルペジオの音はこの仕組みです。
- 1
曲の BPM を測る
BPM 120 の曲なら、付点 8 分は 375 ms です。BPM が 1 違うだけで 3 ms 前後変わるので、できれば小数まで測ります。
- 2
ディレイタイムを付点 8 分に合わせる
タイムのつまみやテンポ同期で 1/8D(または ♪.)を選びます。ミリ秒で入力する機材なら 375 と入れます。
- 3
ミックス(エフェクト音の量)を原音と同じくらいまで上げる
やまびこで 16 分の刻みを作る使い方では、ディレイ音が小さいとリズムが生まれません。原音とほぼ同じ音量、またはやや小さめが目安です。
- 4
フィードバック(繰り返し)は 1〜3 回ぶん
繰り返しが多いと音が重なって濁ります。2〜3 回で消えるくらいにすると、リズムがはっきり聞こえます。
- 5
8 分音符で弾く
ピッキングを 8 分音符で正確にそろえると、原音とディレイ音が 16 分のすき間をきれいに埋めます。
音符ごとのディレイの使い分け
どの音符でディレイをかけるかで、聞こえ方は大きく変わります。楽器と曲調に合わせた目安は次のとおりです。
| 音符 | 聞こえ方 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| 4 分音符 | 拍の頭で 1 回ずつ返ってくる、わかりやすいやまびこ | バラードのボーカル・リードギターのソロ |
| 付点 8 分 | 16 分の刻みを足したような、流れるリズム | クリーンギターのアルペジオ・シンセのリード |
| 8 分音符 | 短く詰まったやまびこで、音に厚みが出る | アップテンポのボーカル・ギターのバッキング |
| 3 連 8 分 | 跳ねたシャッフルのような揺れ | ブルース・ファンク・ハチロクの曲 |
| 16 分音符 | やまびこというより音が太くなる感じ | ダブル感を出したいボーカル・パーカッション |
| 2 分・付点 4 分 | 長く間をあけて返ってくる、空間の広がり | ゆったりした曲のサビ・アンビエント |
ボーカルにディレイをかけるときは、言葉が聞き取りにくくならないように、ディレイ音にハイカット(高い音を削る)をかけたり、サイドチェインで歌っている間だけディレイ音を下げたりする方法もよく使われます。リバーブと組み合わせるときは、リバーブのプリディレイもテンポに合わせると全体がまとまります。
テンポ同期やタップテンポがない機材で合わせる方法
古いアナログディレイや、つまみだけのコンパクトエフェクターでは、ミリ秒を直接入力できないことがあります。その場合は次の手順で合わせます。
- 1
計算したミリ秒を目盛りの近くに合わせる
取扱説明書に最小と最大のディレイタイムが書いてあれば、つまみの位置からおおよその値がわかります。たとえば最大 600 ms のディレイで 300 ms が欲しいなら、つまみはほぼ真ん中です(機種によって目盛りが均等でない場合もあります)。
- 2
メトロノームと一緒に鳴らして微調整する
曲の BPM でメトロノームを鳴らし、ディレイをかけたギターで 4 分や 8 分を弾いて、やまびこがクリックとずれないところまでつまみを動かします。
- 3
フィードバックを上げて確かめる
一時的にフィードバックを多めにすると、ずれが繰り返しのたびに積み重なって聞こえやすくなります。合ったら元に戻します。
よくある計算ミスと注意点
- BPM を倍・半分で測っている:BPM 140 の曲を 70 で測ると、4 分音符のつもりが 2 分音符の長さ(857.1 ms)になります。テンポの数え方は倍テン・ハーフの見分け方を参考にしてください
- 付点と 3 連符を逆にしている:付点は 1.5 倍で長くなり、3 連符は 3 分の 2 で短くなります。BPM 120 の付点 8 分は 375 ms、3 連 8 分は約 166.7 ms です
- 6/8 拍子の曲で付点 4 分の BPM を使っている:楽譜の「付点 4 分 = 60」は、DAW の BPM では 90 です
- ディレイのタイム表示が「拍」や「Hz」になっている:ミリ秒ではなく Hz で設定する機材は、1000 ÷ ミリ秒 で Hz に直します(500 ms なら 2 Hz)
- 動画に合わせるときにフレーム数で考えていない:映像の編集ソフトでは、ミリ秒をフレーム数に直す必要があります(BPM からフレーム数を出す方法)
よくある質問
- BPM 120 の付点 8 分ディレイは何ミリ秒ですか?
- 375 ms です。4 分音符が 60000 ÷ 120 = 500 ms なので、その 0.75 倍で 375 ms になります。ちなみに 8 分音符は 250 ms、4 分音符は 500 ms です。
- ディレイタイムを BPM から計算する式を教えてください。
- 4 分音符は「60000 ÷ BPM」ミリ秒です。8 分音符はその 0.5 倍、16 分音符は 0.25 倍、付点 8 分は 0.75 倍、3 連 8 分は 3 分の 1 倍になります。
- BPM 128 の付点 8 分は何 ms ですか?
- 351.5625 ms(約 351.6 ms)です。4 分音符が 468.75 ms なので、その 0.75 倍です。ミリ秒を整数でしか入力できない機材なら 351 か 352 で問題ありません。
- 3 連符のディレイタイムはどう計算しますか?
- もとの音符の長さを 3 分の 2 にします。3 連 8 分は 8 分音符の 3 分の 2、つまり 4 分音符の 3 分の 1 です。BPM 120 なら 500 ÷ 3 ≒ 166.7 ms になります。
- ボーカルのディレイは何分音符がいいですか?
- バラードなら 4 分音符、アップテンポなら 8 分音符がよく使われます。左右で 8 分と 4 分を組み合わせたり、ディレイ音にハイカットをかけて言葉が埋もれないようにしたりするのが定番です。
この記事で紹介したツール
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