ピローボックスの展開図と作り方|好きなサイズで作る寸法の決め方と曲線をきれいに折るコツ
両端の曲線を押し込んで閉じる枕の形の「ピローボックス」は、のりしろ 1 か所で作れて、ハンドメイド作品やお菓子、ギフトカードのラッピングにぴったりの箱です。一方で、曲線の深さや半径をどう決めるかが分かりにくく、「曲線がきれいに折れない」「閉じると割れる」「思ったより中身が入らない」とつまずきやすい箱でもあります。この記事では、ピローボックスの展開図の形、幅・長さ・厚みから曲線の深さと半径を出す計算、入れる物に合わせたサイズの決め方とサイズ例、紙の選び方、曲線をきれいに折るコツと組み立て手順、A4 で作れる大きさまでをまとめます。
ピローボックスとは?展開図の形
ピローボックスは、同じ大きさの長方形を 2 枚つなげた筒の両端を、曲線に沿って内側へ押し込んで閉じる箱です。閉じると真ん中がふくらんだ枕(ピロー)のような形になります。のりしろは 1 か所だけで、蓋や底のフラップがないので、展開図がシンプルで切る線も少ないのが特長です。
- おもて・うらの 2 面:横に並べた同じ大きさの長方形。真ん中の縦の線が折り線になります。
- のりしろ:うらの面の右端につけ、おもての左端の内側に貼って筒にします。
- 上下の切り取り線:外側へふくらむ曲線。1 面ごとに 1 つの弧になっています。
- 上下の折り線:内側へふくらむ曲線。切り取り線と同じ半径の弧で、2 本の曲線にはさまれたレンズ形の部分が押し込まれるフラップになります。
つまり展開図の大きさは、横が「幅×2+のりしろ」、縦が「長さ+曲線の深さ×2」です。直線の箱と違って紙の厚みを面の寸法に足す必要はほとんどなく、曲線の深さと半径さえ正しく決めれば形になります。
曲線の深さと半径の計算
ピローボックスで決める寸法は、平らにしたときの「幅」、筒の「長さ」、閉じたときの真ん中の「厚み(ふくらみ)」の 3 つです。曲線の深さ(弧の矢高)は厚みの半分にします。上下の曲線が両方とも深さぶん内側へ入るので、閉じたときの真ん中の厚みがちょうど深さ×2 になるからです。
| 幅 × 長さ × 厚み | 曲線の深さ | 半径 | 展開図の大きさ | 容量の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 80 × 140 × 24mm(小) | 12mm | 約 72.7mm | 170 × 164mm | 約 119mL |
| 100 × 70 × 16mm(カード) | 8mm | 約 160.3mm | 210 × 86mm | 約 50mL |
曲線を深くしすぎると、押し込むフラップが大きくなって閉じにくく、紙が割れやすくなります。深さは幅の 30% までに抑えるのがおすすめです(幅 80mm なら深さ 24mm、厚み 48mm まで)。容量は、真ん中の断面をレンズ形、長さ方向も両端に向かって細くなる形として近似した目安です。
入れる物に合わせたサイズの決め方とサイズ例
ピローボックスは真ん中ほど厚く、両端に向かって薄くなるので、入れる物は「真ん中に置く平たい物」が向いています。平らなときの幅いっぱいの物は入りません。ふくらませると断面が丸くなって、実際に使える幅は平らなときより狭くなるためです。
- 幅:入れる物の幅より 1〜2 割大きく。厚みのある物ほど余裕をとる。
- 長さ:入れる物の長さ+曲線の深さ×2 くらい。両端の押し込んだ部分には物が入らないため。
- 厚み:入れる物の厚み+数 mm。ただし幅の 6 割(深さが幅の 30%)を超えない。
| 入れる物 | 幅 × 長さ × 厚みの目安 | メモ |
|---|---|---|
| ギフトカード・名刺 | 100 × 70 × 16mm | 横長にして入れる。展開図は 210×86mm で A4・B5 に収まる |
| ピアス・ヘアアクセサリー(台紙つき) | 70 × 100 × 16mm | 台紙の大きさ+1 割 |
| ハンカチ・クッキー 2〜3 枚 | 80 × 140 × 24mm | 定番の手のひらサイズ |
| リップ・ハンドクリーム | 70 × 150 × 30mm | 円柱の物は厚みを多めに |
| マスク・タオルハンカチ | 100 × 180 × 30mm | A4 には収まらないので A3 か B4 に |
最後の例の展開図は横 210mm(幅 100×2+のりしろ 10)、縦 210mm(長さ 180+深さ 15×2)です。A4 は端の余白を除くと横 200mm しかないので収まりません。迷ったら一度コピー用紙で試作し、中身を入れて閉じてみるのがいちばん確実です。
ピローボックスに向いている紙
| 紙 | 向き・不向き |
|---|---|
| コピー用紙(0.1mm) | 柔らかすぎて形が保てない。試作向き |
| 画用紙(0.2mm) | 小さな箱なら使える。曲線は折りやすい |
| ケント紙(0.25mm) | いちばんのおすすめ。曲線がきれいに出て、ふくらみも保てる |
| 厚口の画用紙・クラフト紙(0.35mm 前後) | 大きな箱に。筋入れをしっかりしないと曲線で割れる |
| 工作用紙(0.45mm) | 硬すぎて曲線を押し込みにくい。不向き |
柄の入ったペーパーやクラフト紙で作るとぐっとおしゃれになります。印刷した展開図を型紙にして柄の紙に写すか、型紙を柄の紙の裏に軽く貼って一緒に切ると、柄の紙に線を印刷しなくても作れます。
作り方と、曲線をきれいに折るコツ
- 1
外周の実線を切り抜く
曲線はカッターより、はさみで紙のほうを回しながら切るほうがなめらかです。
- 2
曲線の点線に筋を入れる
インクの出ないボールペン、鉄筆、コンパスの針の背などで、点線を 2〜3 回なぞって溝をつけます。ここがいちばん大事な工程です。
- 3
縦の折り線を山折りし、のりしろを貼る
印刷面が外側になるよう縦の 2 本を折り、のりしろをおもての左端の内側に貼って筒にします。
- 4
筒をふくらませて片側を閉じる
筒を少しふくらませ、片側の曲線を両手の親指で、端から順に内側へ押し込みます。一度に全部押さず、左右から少しずつ押すときれいに入ります。
- 5
中身を入れて反対側も閉じる
中身を真ん中に置いて、反対側も同じように押し込みます。リボンやシールで留めると開きにくくなります。
- 曲線は筋を入れないと折れない:直線は折れば勝手に線ができますが、曲線は溝がないと紙がまっすぐ折れようとしてしわになります。
- 筋は印刷面(外側)から入れる:押し込む方向に溝ができ、閉じたときに曲線がくっきり出ます。
- 割れるときは紙の目を見る:紙には目(繊維の向き)があり、目に逆らう方向の曲線は割れやすくなります。割れるなら、展開図の向きを 90 度変えて印刷し直します。
- 曲線をなぞるガイドを作る:同じ箱をたくさん作るなら、厚紙で弧の形の定規を切り出しておくと、筋入れが速く正確になります。
A4やはがき1枚で作れる大きさ
ピローボックスは折りたたむ部分が少ないので、同じ紙からキャラメル箱よりかなり大きな箱が作れます。のりしろ 10mm、端の余白 5mm で計算すると、定番の 80×140×24mm の形なら A4 1 枚で 97×170×29mm まで、カードサイズ(100×70×16mm)の形なら 138×96×22mm まで大きくできます。はがき 1 枚だと、カードサイズの形で 63×44×10mm くらいまでの小さな箱になります。
箱の展開図メーカーで「ピローボックス」を選び、幅・厚み・長さを入れると、曲線の深さと半径を計算して展開図を描き、どの用紙に収まるかも判定します。カード類を入れるならピローボックスより出し入れしやすい差し込み式の箱が便利なので、トレカ・トランプ・名刺の箱を紙で手作りもあわせて見てください。寸法の基本は箱の展開図の書き方にまとめています。
よくある質問
- ピローボックスの曲線の半径はどうやって決めますか?
- 曲線の深さを厚みの半分にし、半径=幅²÷(8×深さ)+深さ÷2 で計算します。幅 80mm・厚み 24mm なら深さ 12mm、半径は約 72.7mm です。コンパスで、弧の両端が面の角にくるように描きます。
- ピローボックスの曲線がきれいに折れません
- 折る前に、インクの出ないボールペンや鉄筆で曲線の点線を 2〜3 回なぞって溝をつけてください。曲線は筋がないとまっすぐ折れようとしてしわになります。押し込むときは片側から一気に押さず、左右から少しずつ押すときれいに入ります。
- ピローボックスにはどのくらいの物が入りますか?
- 真ん中が厚く両端が薄い形なので、平たい物を真ん中に置くのが基本です。入れる物の幅より 1〜2 割大きい幅、物の長さ+曲線の深さ×2 くらいの長さにします。80×140×24mm の箱で容量は約 119mL が目安です。
- ピローボックスに向いている紙の厚さは?
- 0.25mm 前後のケント紙がいちばん作りやすく、曲線もきれいに出ます。コピー用紙は柔らかすぎ、工作用紙のような 0.45mm 以上の厚い紙は硬くて押し込みにくくなります。
- A4 1枚でどのくらいの大きさのピローボックスが作れますか?
- 展開図の横は幅×2+のりしろ、縦は長さ+厚みです。80×140×24mm と同じ形なら 97×170×29mm まで、横長のカードサイズの形なら 138×96×22mm まで A4 1 枚に収まります。
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