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三線の調弦(ちんだみ)のやり方|本調子・二揚げ・三下げ・一揚げの音

沖縄の三線では、調弦のことを「ちんだみ」と呼びます。本調子・二揚げ・三下げ・一揚げといった調子があり、どの弦を何の音に合わせるかを知っていれば、チューナーでも耳でも数分で合わせられます。この記事では、三線の弦とカラクイの名前、4つの調子の音名と周波数、女弦から合わせるちんだみの手順、本数(キー)の決め方、三味線の調子との対応、すぐ狂うときのチェックまでをまとめます。

ちんだみとは|三線の弦とカラクイの名前

「ちんだみ」は、三線の3本の弦を決まった高さに合わせること、つまり調弦を指す沖縄の言葉です。弾き始める前はもちろん、演奏の合間にも少しずつ狂うので、こまめにちんだみをするのが上達の近道といわれます。

弦読み太さ・高さ三味線でいうと
男弦うーじるいちばん太く、低い一の糸
中弦なかじる中くらい二の糸
女弦みーじるいちばん細く、高い三の糸

弦を巻き取る糸巻きは「カラクイ」と呼びます。カラクイを回すと弦の張りが変わり、締めると高く、ゆるめると低くなります。三線の本数(キー)は三味線と同じく男弦の高さで表し、一本=A(ラ)から半音ずつ上がって、四本=C(ド)、六本=D(レ)になります。

4つの調子の音(四本=C の場合)

三線の基本は本調子で、そこから1本の弦を1音(全音)動かして二揚げ・三下げ・一揚げを作ります。本調子の C・F・C(ド・ファ・ド)は、教本や教室でよく紹介される高さです。周波数は基準 A4=440Hz と 442Hz の値です。

調子男弦中弦女弦本調子からの変え方
本調子C 130.8Hz(131.4)F 174.6Hz(175.4)C 261.6Hz(262.8)基本の調子
二揚げC 130.8Hz(131.4)G 196.0Hz(196.9)C 261.6Hz(262.8)中弦を1音上げる
三下げC 130.8Hz(131.4)F 174.6Hz(175.4)B♭ 233.1Hz(234.1)女弦を1音下げる
一揚げD 146.8Hz(147.5)F 174.6Hz(175.4)C 261.6Hz(262.8)男弦を1音上げる

かっこ内は 442Hz 基準の値です。本調子は男弦と女弦がちょうど1オクターブ、中弦が男弦の完全4度上という並びで、三味線の本調子とまったく同じ音程です。二揚げは中弦が男弦の完全5度上になり、明るく張りのある響きに、三下げは女弦が下がって落ち着いた響きになります。

ほかの本数の音名

歌い手の声に合わせて、四本以外の本数で弾くこともあります。三本〜六本の音名は次のとおりです(左から男弦・中弦・女弦)。

本数本調子二揚げ三下げ一揚げ
三本(B)B・E・BB・F♯・BB・E・AC♯・E・B
四本(C)C・F・CC・G・CC・F・B♭D・F・C
五本(C♯)C♯・F♯・C♯C♯・G♯・C♯C♯・F♯・BE♭・F♯・C♯
六本(D)D・G・DD・A・DD・G・CE・G・D

本数を1つ上げると、3本の弦がすべて半音ずつ上がります。高い本数ほど弦を強く張ることになるので、ふだん四本で弾いている三線を急に六本以上に上げると、弦が切れやすくなったり、張りが強すぎて押さえにくくなったりします。大きく上げたいときは、教室や楽器店に相談すると安心です。全本数の早見表は三味線の本数と音名の対応表を参照してください。

ちんだみの手順|女弦から合わせる

三線は女弦から合わせるのが一般的です。いちばん高い女弦は音程の違いが耳でわかりやすく、ここを基準にして男弦をオクターブ下に、最後に中弦を合わせると全体がそろいやすくなります。

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    調子と本数を決める

    和楽器チューナーで「三線」を選び、調子(本調子・二揚げ・三下げ・一揚げ)と本数を選びます。教室や合奏で 442Hz を使っているなら、基準の A4 も 442Hz にします。

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    女弦を合わせる

    女弦をはじき、針が真ん中に来るまでカラクイで合わせます。高いときはいったん少しゆるめてから、下から上げて止めると戻りにくくなります。

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    男弦を女弦の1オクターブ下に

    本調子・二揚げ・三下げでは、男弦は本数の音です(四本なら C)。男弦と女弦を交互にはじいて、うなりがなくなるところで止めます。一揚げなら男弦はここから1音上(四本なら D)です。

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    中弦を合わせる

    本調子・三下げ・一揚げなら男弦の完全4度上(四本なら F)、二揚げなら完全5度上(四本なら G)です。

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    全体をもう一度確かめる

    最後に女弦から順に確かめ直します。すべての弦に ✓ が付けば完了です。

本数(キー)の決め方

ひとりで弾き歌いをするなら、自分の声が無理なく出る本数を選びます。民謡では、男性は低め、女性は高めの本数を選ぶことが多く、同じ曲でも歌い手によって本数が変わります。合奏や教室では、先生や地謡(じかた)の本数に合わせるのが基本です。

  • 歌いにくいほど高い:本数を1〜2本下げる(1本で半音下がる)
  • 低くて声がこもる:本数を1〜2本上げる。ただし弦の張りが強くなるので上げすぎに注意
  • 音源と合わせたい:音源の最後に落ち着く音をチューナーで聞き、表示された本数を目安にする

声に合う本数の詳しい探し方や、曲のキー(C・D など)から本数への直し方は曲・声に合う本数の調べ方で解説しています。

すぐ狂う・合わないときのチェック

  • カラクイが戻る:回しながら軽く押し込むと止まりやすくなります。それでも戻るときは、カラクイと穴の当たりを楽器店で調整してもらいます
  • 張り替えたばかりの弦:しばらくは伸びて下がり続けます。弾くたびにちんだみを繰り返すと、数日で落ち着きます
  • 温度・湿度:皮(本皮・人工皮)や棹は環境の影響を受けます。部屋に楽器をなじませてから合わせます
  • ウマ(駒)の位置:ずれていると音程や響きが変わります。いつもの位置に立っているか確かめます
  • チューナーの針がふらつく:静かな場所で、胴の近くにスマホを置き、1本ずつはっきりはじきます

チューナーが1オクターブ違う音を表示しても、音名が合っていれば調弦は合っています。和楽器チューナーは音名(オクターブを除いた高さ)で判定し、オクターブ違いは補足として表示します。本土の三味線の調子との違いは本調子・二上り・三下りの違いも参考にしてください。

よくある質問

三線の本調子は何の音ですか?
四本(C)なら、男弦 C(ド)・中弦 F(ファ)・女弦 C(ド)です。男弦と女弦が1オクターブ、中弦が男弦の4度上という並びで、本数を変えると3本とも同じ幅だけ上下します。
二揚げと三下げは何が違いますか?
二揚げは本調子から中弦を1音上げた調子(四本なら C・G・C)、三下げは本調子から女弦を1音下げた調子(四本なら C・F・B♭)です。動かす弦と、上げるか下げるかが違います。
ちんだみはどの弦から合わせますか?
女弦から合わせるのが一般的です。女弦を合わせたら、男弦を1オクターブ下に、最後に中弦を合わせます。最後に全体をもう一度確かめると安心です。
三線のチューナーがなくても合わせられますか?
スマホやパソコンのブラウザで和楽器チューナーを開けば、マイクで三線の音を聞いて針でずれを表示できます。弦のボタンで基準の音も鳴らせるので、耳で合わせることもできます。音は端末の中だけで解析し、録音や送信はしません。
三線で 442Hz に合わせる必要はありますか?
ひとりで弾くなら 440Hz のままで問題ありません。教室や合奏で 442Hz を使っている場合は、全員がそろうように 442Hz に合わせます。差は約 8 セント(半音の約 8%)で、並べて弾くとうなりとして聞こえる程度の違いです。

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